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第5話 真剣な話には笑いがつきもの
真剣な話には笑いがつきもの 3ページ目
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考えよう、何か考えるのよ朱音。
名探偵として、今こそ隠れた力を発揮し死中に活を求めるのよ。
何か、この盤面をひっくり返せるような策は──。
「そのスマホは使わなくなったんですよ。朱音先輩、中身見てみますかー?」
「えっ、使わなく、なった? そ、そうなんだ。……奈乃ちゃんが見ていいって言うなら、せっかくだし、中身を見てみようかなっ」
と、とりあえずセーフ、なんとか乗り切ったよ。
でも、心臓がバクバクで今にも飛び出しそうだよ。奈乃ちゃんの顔もいつも通りだし、私がやろうとしてたことは、絶対にバレてないよね。うん、これでひとまず安心かなっ。
「あれー、なんだか楽しそうなことやってるー。サキも混ぜてなのー」
「会長、ボクを差し置いて何してるのかな」
「早紀先輩それに葵ちゃん、やっときたねっ。これで全員揃ったかな。それで今はね、奈乃ちゃんが使ってた、古いスマホを見せてもらおうとしてたんだよ」
「待ってくださいよー。僕の存在を忘れないでくださいよー」
「ツンデレは人の扱いがひどいよねー。これは記事にするしかないかな。うん、私の陽琥君のためだもん、新聞で公開処刑してあげるんだから」
「あら、リアコン王子、それに……エセお嬢様もいたのね。リアコン王子はさっさとクビになればいいのにっ。あっ、そっか、ここで会長特権を使えば──って、私を記事にして公開処刑ってどういうことよ!」
「ふんっ、私の陽琥君を無視するのがいけないのよ」
何よ、『私の陽琥君』って……。
べ、別に管君が誰と付き合おうと私には関係ないもん、そう、関係ないんだから……。
「ひどいですよー、僕は何もしてないのにぃぃぃぃぃぃ」
「冗談だよ、もぅ、リアコン王子はすぐに本気にするんだからっ。だから、エセお嬢様──じゃなかった、綾崎さん、記事にしたらダメ、だからね?」
「私はエセお嬢様なんかではないんだからっ! ま、まぁいいわよ、私は器も胸も大きいから、今回は記事にするのはやめてあげますね」
むぅ、何よ、胸も器も大きいとか、私に対して挑戦状を叩きつけてるじゃないのっ!
ここで反抗しても無駄な時間を使うだけね。そうよ、あの胸のように無駄な……って、なぜか私にダメージが入ってるんですけどっ。くっ、これは罠なのね、エセお嬢様というのもあなどれないよね。
「とういうより、僕はリアコン王子なんかじゃ──」
「正式決定したんだから、潔く諦めようか。それと、ボ、ク、の、会長にあんまり近づかないでくれるかな。最低でも、二十メートルは離れて欲しいんだ」
「それだと僕は、この部屋に入れなくなるんですけどっ?」
「ボクはそれを望んでいるんだよ?」
満面の笑みだけど、管君に向ける葵ちゃんの視線が冷たいよ。ううん、そんなことないよね、きっと私の気のせいだと思うんだ。きっと、照れ隠しなだけだって、私は信じてるからね。
名探偵として、今こそ隠れた力を発揮し死中に活を求めるのよ。
何か、この盤面をひっくり返せるような策は──。
「そのスマホは使わなくなったんですよ。朱音先輩、中身見てみますかー?」
「えっ、使わなく、なった? そ、そうなんだ。……奈乃ちゃんが見ていいって言うなら、せっかくだし、中身を見てみようかなっ」
と、とりあえずセーフ、なんとか乗り切ったよ。
でも、心臓がバクバクで今にも飛び出しそうだよ。奈乃ちゃんの顔もいつも通りだし、私がやろうとしてたことは、絶対にバレてないよね。うん、これでひとまず安心かなっ。
「あれー、なんだか楽しそうなことやってるー。サキも混ぜてなのー」
「会長、ボクを差し置いて何してるのかな」
「早紀先輩それに葵ちゃん、やっときたねっ。これで全員揃ったかな。それで今はね、奈乃ちゃんが使ってた、古いスマホを見せてもらおうとしてたんだよ」
「待ってくださいよー。僕の存在を忘れないでくださいよー」
「ツンデレは人の扱いがひどいよねー。これは記事にするしかないかな。うん、私の陽琥君のためだもん、新聞で公開処刑してあげるんだから」
「あら、リアコン王子、それに……エセお嬢様もいたのね。リアコン王子はさっさとクビになればいいのにっ。あっ、そっか、ここで会長特権を使えば──って、私を記事にして公開処刑ってどういうことよ!」
「ふんっ、私の陽琥君を無視するのがいけないのよ」
何よ、『私の陽琥君』って……。
べ、別に管君が誰と付き合おうと私には関係ないもん、そう、関係ないんだから……。
「ひどいですよー、僕は何もしてないのにぃぃぃぃぃぃ」
「冗談だよ、もぅ、リアコン王子はすぐに本気にするんだからっ。だから、エセお嬢様──じゃなかった、綾崎さん、記事にしたらダメ、だからね?」
「私はエセお嬢様なんかではないんだからっ! ま、まぁいいわよ、私は器も胸も大きいから、今回は記事にするのはやめてあげますね」
むぅ、何よ、胸も器も大きいとか、私に対して挑戦状を叩きつけてるじゃないのっ!
ここで反抗しても無駄な時間を使うだけね。そうよ、あの胸のように無駄な……って、なぜか私にダメージが入ってるんですけどっ。くっ、これは罠なのね、エセお嬢様というのもあなどれないよね。
「とういうより、僕はリアコン王子なんかじゃ──」
「正式決定したんだから、潔く諦めようか。それと、ボ、ク、の、会長にあんまり近づかないでくれるかな。最低でも、二十メートルは離れて欲しいんだ」
「それだと僕は、この部屋に入れなくなるんですけどっ?」
「ボクはそれを望んでいるんだよ?」
満面の笑みだけど、管君に向ける葵ちゃんの視線が冷たいよ。ううん、そんなことないよね、きっと私の気のせいだと思うんだ。きっと、照れ隠しなだけだって、私は信じてるからね。
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