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第5話 真剣な話には笑いがつきもの
真剣な話には笑いがつきもの 2ページ目
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「ごめんなさいねっ。自主退学は禁止できないと思うよ。家庭の事情とかありますし、そこまで校則で縛るのはそもそも無理かなぁ」
「それでは、停学と退学の廃止、ならびに三十路リアコン量産制度を校則に入れますねー。きちんと、議事録にも書いておきます」
「待ってくださいーっ。三十路リアコン量産制度ってなんですかっ。僕の知らない間に何があったんですかー!」
「あっ、リアコン王子。詳しくは議事録を呼んでねっ」
「西園寺会長、誤魔化さないで、ちゃんと説明をしてくださいよー。だいたい、僕はロリコンなんかじゃ──」
「大丈夫ですよー、それも議事録に書いておきましたからー。でも、少し名前が長いのが気になりますねー」
「うーん、それなら、ミソリアコン制度とかどうかなっ?」
「ナイスアイデアです、朱音先輩。では、名前はそれにしますねー」
『意義なーし』
多数決という数の暴力でゴリ押して、管君の意見を聞くことなく新しい校則が決まろうとする。
でも、これだけでは復讐など到底無理な話。
考えるべきことは、どうやってボランティア地獄へ追い詰めるか。
それに、理事長と加地先生への復讐はまだ白紙なの。この二人も、上手く校則を利用したいところね。
「では、少しだけ休憩にしましょうか」
一旦リフレッシュするため、数分間の休憩をとろうとする。適度な息抜きこそが、素晴らしい復讐方法を思いつける。そう心に刻みつけると、私はリベンジャーズルームをあとにした。もちろん、他のメンバー(新聞部の綾崎さんも)も外の空気を吸いに部屋から出ていった。
ふぅ、いい息抜きになったね。さてと、リベンジャーズルームへと戻りますか。っと、中には誰もいないみたいね、まだ休憩から戻ってきてないのかな。
あっ……カバンがテーブルに置きっぱなしだよ。誰のだろ……って、これは奈乃ちゃんのだよ。待って、落ち着くのよ朱音、あそこに見えるのは──。
「これって、奈乃ちゃんのスマホ、だよね。はっ、これはチャンスよ、きっと神が与えてくれたんだよ」
今ならあそこに封じられてる、私の黒歴史を消し去れるね。
ふふふふふ、休憩を挟んで私に流れがきてるよ。
奈乃ちゃんには悪いけど、綺麗サッパリにリセットさせてもらいますか。
息を飲み怪しげな動きで私はスマホへ接近を試みる。こそドロのように周囲を警戒しながら、ゆっくりした動きで、黒歴史が封印されているスマホを掴むことに成功した。
「これが奈乃ちゃんのスマホかぁ。ここに、私の黒歴史があるはず。でも、人のスマホを見るのはいけない、よね。うぅ、ここに来て迷うだなんて──」
「朱音先輩、何してるんですかー?」
「ひぃっ!? な、な、奈乃ちゃん、いつの間にいたんですかっ」
「私はずっといましたけどー。あっ、そのスマホは……」
ピンチよ、一世一代の大ピンチ到来よ。まずい、このままじゃ、黒歴史どころの騒ぎじゃなくなっちゃう。どうにかして、この危機的状況を回避しないと。
「それでは、停学と退学の廃止、ならびに三十路リアコン量産制度を校則に入れますねー。きちんと、議事録にも書いておきます」
「待ってくださいーっ。三十路リアコン量産制度ってなんですかっ。僕の知らない間に何があったんですかー!」
「あっ、リアコン王子。詳しくは議事録を呼んでねっ」
「西園寺会長、誤魔化さないで、ちゃんと説明をしてくださいよー。だいたい、僕はロリコンなんかじゃ──」
「大丈夫ですよー、それも議事録に書いておきましたからー。でも、少し名前が長いのが気になりますねー」
「うーん、それなら、ミソリアコン制度とかどうかなっ?」
「ナイスアイデアです、朱音先輩。では、名前はそれにしますねー」
『意義なーし』
多数決という数の暴力でゴリ押して、管君の意見を聞くことなく新しい校則が決まろうとする。
でも、これだけでは復讐など到底無理な話。
考えるべきことは、どうやってボランティア地獄へ追い詰めるか。
それに、理事長と加地先生への復讐はまだ白紙なの。この二人も、上手く校則を利用したいところね。
「では、少しだけ休憩にしましょうか」
一旦リフレッシュするため、数分間の休憩をとろうとする。適度な息抜きこそが、素晴らしい復讐方法を思いつける。そう心に刻みつけると、私はリベンジャーズルームをあとにした。もちろん、他のメンバー(新聞部の綾崎さんも)も外の空気を吸いに部屋から出ていった。
ふぅ、いい息抜きになったね。さてと、リベンジャーズルームへと戻りますか。っと、中には誰もいないみたいね、まだ休憩から戻ってきてないのかな。
あっ……カバンがテーブルに置きっぱなしだよ。誰のだろ……って、これは奈乃ちゃんのだよ。待って、落ち着くのよ朱音、あそこに見えるのは──。
「これって、奈乃ちゃんのスマホ、だよね。はっ、これはチャンスよ、きっと神が与えてくれたんだよ」
今ならあそこに封じられてる、私の黒歴史を消し去れるね。
ふふふふふ、休憩を挟んで私に流れがきてるよ。
奈乃ちゃんには悪いけど、綺麗サッパリにリセットさせてもらいますか。
息を飲み怪しげな動きで私はスマホへ接近を試みる。こそドロのように周囲を警戒しながら、ゆっくりした動きで、黒歴史が封印されているスマホを掴むことに成功した。
「これが奈乃ちゃんのスマホかぁ。ここに、私の黒歴史があるはず。でも、人のスマホを見るのはいけない、よね。うぅ、ここに来て迷うだなんて──」
「朱音先輩、何してるんですかー?」
「ひぃっ!? な、な、奈乃ちゃん、いつの間にいたんですかっ」
「私はずっといましたけどー。あっ、そのスマホは……」
ピンチよ、一世一代の大ピンチ到来よ。まずい、このままじゃ、黒歴史どころの騒ぎじゃなくなっちゃう。どうにかして、この危機的状況を回避しないと。
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