52 / 83
第5話 真剣な話には笑いがつきもの
真剣な話には笑いがつきもの 2ページ目
しおりを挟む
「ごめんなさいねっ。自主退学は禁止できないと思うよ。家庭の事情とかありますし、そこまで校則で縛るのはそもそも無理かなぁ」
「それでは、停学と退学の廃止、ならびに三十路リアコン量産制度を校則に入れますねー。きちんと、議事録にも書いておきます」
「待ってくださいーっ。三十路リアコン量産制度ってなんですかっ。僕の知らない間に何があったんですかー!」
「あっ、リアコン王子。詳しくは議事録を呼んでねっ」
「西園寺会長、誤魔化さないで、ちゃんと説明をしてくださいよー。だいたい、僕はロリコンなんかじゃ──」
「大丈夫ですよー、それも議事録に書いておきましたからー。でも、少し名前が長いのが気になりますねー」
「うーん、それなら、ミソリアコン制度とかどうかなっ?」
「ナイスアイデアです、朱音先輩。では、名前はそれにしますねー」
『意義なーし』
多数決という数の暴力でゴリ押して、管君の意見を聞くことなく新しい校則が決まろうとする。
でも、これだけでは復讐など到底無理な話。
考えるべきことは、どうやってボランティア地獄へ追い詰めるか。
それに、理事長と加地先生への復讐はまだ白紙なの。この二人も、上手く校則を利用したいところね。
「では、少しだけ休憩にしましょうか」
一旦リフレッシュするため、数分間の休憩をとろうとする。適度な息抜きこそが、素晴らしい復讐方法を思いつける。そう心に刻みつけると、私はリベンジャーズルームをあとにした。もちろん、他のメンバー(新聞部の綾崎さんも)も外の空気を吸いに部屋から出ていった。
ふぅ、いい息抜きになったね。さてと、リベンジャーズルームへと戻りますか。っと、中には誰もいないみたいね、まだ休憩から戻ってきてないのかな。
あっ……カバンがテーブルに置きっぱなしだよ。誰のだろ……って、これは奈乃ちゃんのだよ。待って、落ち着くのよ朱音、あそこに見えるのは──。
「これって、奈乃ちゃんのスマホ、だよね。はっ、これはチャンスよ、きっと神が与えてくれたんだよ」
今ならあそこに封じられてる、私の黒歴史を消し去れるね。
ふふふふふ、休憩を挟んで私に流れがきてるよ。
奈乃ちゃんには悪いけど、綺麗サッパリにリセットさせてもらいますか。
息を飲み怪しげな動きで私はスマホへ接近を試みる。こそドロのように周囲を警戒しながら、ゆっくりした動きで、黒歴史が封印されているスマホを掴むことに成功した。
「これが奈乃ちゃんのスマホかぁ。ここに、私の黒歴史があるはず。でも、人のスマホを見るのはいけない、よね。うぅ、ここに来て迷うだなんて──」
「朱音先輩、何してるんですかー?」
「ひぃっ!? な、な、奈乃ちゃん、いつの間にいたんですかっ」
「私はずっといましたけどー。あっ、そのスマホは……」
ピンチよ、一世一代の大ピンチ到来よ。まずい、このままじゃ、黒歴史どころの騒ぎじゃなくなっちゃう。どうにかして、この危機的状況を回避しないと。
「それでは、停学と退学の廃止、ならびに三十路リアコン量産制度を校則に入れますねー。きちんと、議事録にも書いておきます」
「待ってくださいーっ。三十路リアコン量産制度ってなんですかっ。僕の知らない間に何があったんですかー!」
「あっ、リアコン王子。詳しくは議事録を呼んでねっ」
「西園寺会長、誤魔化さないで、ちゃんと説明をしてくださいよー。だいたい、僕はロリコンなんかじゃ──」
「大丈夫ですよー、それも議事録に書いておきましたからー。でも、少し名前が長いのが気になりますねー」
「うーん、それなら、ミソリアコン制度とかどうかなっ?」
「ナイスアイデアです、朱音先輩。では、名前はそれにしますねー」
『意義なーし』
多数決という数の暴力でゴリ押して、管君の意見を聞くことなく新しい校則が決まろうとする。
でも、これだけでは復讐など到底無理な話。
考えるべきことは、どうやってボランティア地獄へ追い詰めるか。
それに、理事長と加地先生への復讐はまだ白紙なの。この二人も、上手く校則を利用したいところね。
「では、少しだけ休憩にしましょうか」
一旦リフレッシュするため、数分間の休憩をとろうとする。適度な息抜きこそが、素晴らしい復讐方法を思いつける。そう心に刻みつけると、私はリベンジャーズルームをあとにした。もちろん、他のメンバー(新聞部の綾崎さんも)も外の空気を吸いに部屋から出ていった。
ふぅ、いい息抜きになったね。さてと、リベンジャーズルームへと戻りますか。っと、中には誰もいないみたいね、まだ休憩から戻ってきてないのかな。
あっ……カバンがテーブルに置きっぱなしだよ。誰のだろ……って、これは奈乃ちゃんのだよ。待って、落ち着くのよ朱音、あそこに見えるのは──。
「これって、奈乃ちゃんのスマホ、だよね。はっ、これはチャンスよ、きっと神が与えてくれたんだよ」
今ならあそこに封じられてる、私の黒歴史を消し去れるね。
ふふふふふ、休憩を挟んで私に流れがきてるよ。
奈乃ちゃんには悪いけど、綺麗サッパリにリセットさせてもらいますか。
息を飲み怪しげな動きで私はスマホへ接近を試みる。こそドロのように周囲を警戒しながら、ゆっくりした動きで、黒歴史が封印されているスマホを掴むことに成功した。
「これが奈乃ちゃんのスマホかぁ。ここに、私の黒歴史があるはず。でも、人のスマホを見るのはいけない、よね。うぅ、ここに来て迷うだなんて──」
「朱音先輩、何してるんですかー?」
「ひぃっ!? な、な、奈乃ちゃん、いつの間にいたんですかっ」
「私はずっといましたけどー。あっ、そのスマホは……」
ピンチよ、一世一代の大ピンチ到来よ。まずい、このままじゃ、黒歴史どころの騒ぎじゃなくなっちゃう。どうにかして、この危機的状況を回避しないと。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説

ひょっとしてHEAVEN !?
シェリンカ
青春
【第13回ドリーム小説大賞奨励賞受賞】
三年つきあった彼氏に、ある日突然ふられた
おかげで唯一の取り柄(?)だった成績がガタ落ち……
たいして面白味もない中途半端なこの進学校で、私の居場所っていったいどこだろう
手をさし伸べてくれたのは――学園一のイケメン王子だった!
「今すぐ俺と一緒に来て」って……どういうこと!?
恋と友情と青春の学園生徒会物語――開幕!


AGAIN 不屈の挑戦者たち
海野 入鹿
青春
小3の頃に流行ったバスケ漫画。
主人公がコート上で華々しく活躍する姿に一人の少年は釘付けになった。
自分もああなりたい。
それが、一ノ瀬蒼真のバスケ人生の始まりであった。
中3になって迎えた、中学最後の大会。
初戦で蒼真たちのチームは運悪く、”天才”がいる優勝候補のチームとぶつかった。
結果は惨敗。
圧倒的な力に打ちのめされた蒼真はリベンジを誓い、地元の高校へと進学した。
しかし、その高校のバスケ部は去年で廃部になっていた―
これは、どん底から高校バスケの頂点を目指す物語
*不定期更新ですが、最低でも週に一回は更新します。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
何故か超絶美少女に嫌われる日常
やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。
しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。

幼馴染に毎日召喚されてます
涼月
青春
高校二年生の森川真礼(もりかわまひろ)は、幼馴染の南雲日奈子(なぐもひなこ)にじゃんけんで勝った事が無い。
それをいい事に、日奈子は理不尽(真礼的には)な提案をしてきた。
じゃんけんで負けたら、召喚獣のように従順に、勝った方の願いを聞くこと。
真礼の受難!? の日々が始まった。
全12話
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる