50 / 83
第4話 生徒会役員は個性が強い
生徒会役員は個性が強い 15ページ目
しおりを挟む
「さて、紛いモノは消え去りました。早紀先輩、話がだいぶ逸れましたけど、ペナルティの名案ってどんな感じでしょうか?」
「ふぁいっ、あのねー、サキが考えたのはねー、校内ボランティアでその罪を浄化させるのー。困ってる人を助けられるし、一石二鳥なのだー」
ボランティアかぁ、それだと復讐とは無縁よね。
だってどう考えても──って、そっか、そうのね、ボランティアという名の強制労働よ。ふふふ、終わることのない強制労働──じゃない、ボランティア地獄に落としてしまえば、拓馬の青春時代がタヒること間違いなしね。
「早紀先輩にしてはかなりの名案です。ご褒美にアタマを撫でてあげますね」
「わーい、ありがとうなのー。えへへ、朱音会長は優しいのだー」
「……副会長、完全に朱音先輩にもてあそばれてますねー」
「ふえっ!? そ、そうなのっ? 朱音会長はサキを騙そうとしたのー?」
「そ、そんなことないですよっ。早紀先輩を騙そうだなんて、少しだけしか思ってないんだからっ。でも、その愛くるしい笑みが見たいのは、本当かな」
「やっぱり朱音会長は騙してなかったのだー」
自分で言っておいてなんですけど、単純すぎる早紀先輩が少し心配だよ。なんかこう、いつか変な人に騙されそうで……。
そうよ、この抱き心地がよさそうな温もりは、この私が守らないとねっ。だってこの温もりは、私だけのモノなんですからっ。たとえ、世界を敵に回しても必ず死守してみせるもん。
「ペナルティにボランティアは賛成なんだけど、それだとやらない人がいそうだよね。ボクみたいにね」
「葵ちゃん、それは胸を張りながら言うことじゃないよ。んー、ボランティアをエスケープできなくする方法かぁ」
それも大事だけど、まずはボランティア時間を決めないとね。仮に十時間とすると、一ヶ月あったらすぐ終わっちゃうかな。一日中数分やるだけでいいわけですし。
はっ、それなら期限を設ければいいのよ。そうすれば、期限内に終わらせようと必死になるはずですから。ただ、期限内に終わらなかったら──。
「朱音先輩、何をさっきからぶつくさ言ってるんですかー?」
「ひゃっ!? 奈乃ちゃん、いきなり驚かさないでよ」
「驚かせたつもりはないんですけどー?」
「あははは、実は葵ちゃん対策を考えていたんだよっ」
「ボクに対策なんていらないよ。会長の愛を受け止める準備はできてるからね」
「その対策じゃなーーーーーーい! ボランティアのエスケープ対策だよっ」
「残念、そっちなのか……」
肩を落とすほどガッカリするのね。
どういう思考になってるのか、非常に気になっちゃうよ。でも、今ここでそれを聞いたら、話が混沌に陥るのは間違いないかな。
好奇心を押し込めるのよ、朱音。
まずはエスケープ対策が優先なんだから。
ついでに管君のことも底なし沼に沈めないと。
よし、厳重に心の鍵をかけたからもう大丈夫。あとは、ラベルに『パンドラの箱』と書いとけば、間違っても開けようとは思わないね。
「ふぁいっ、あのねー、サキが考えたのはねー、校内ボランティアでその罪を浄化させるのー。困ってる人を助けられるし、一石二鳥なのだー」
ボランティアかぁ、それだと復讐とは無縁よね。
だってどう考えても──って、そっか、そうのね、ボランティアという名の強制労働よ。ふふふ、終わることのない強制労働──じゃない、ボランティア地獄に落としてしまえば、拓馬の青春時代がタヒること間違いなしね。
「早紀先輩にしてはかなりの名案です。ご褒美にアタマを撫でてあげますね」
「わーい、ありがとうなのー。えへへ、朱音会長は優しいのだー」
「……副会長、完全に朱音先輩にもてあそばれてますねー」
「ふえっ!? そ、そうなのっ? 朱音会長はサキを騙そうとしたのー?」
「そ、そんなことないですよっ。早紀先輩を騙そうだなんて、少しだけしか思ってないんだからっ。でも、その愛くるしい笑みが見たいのは、本当かな」
「やっぱり朱音会長は騙してなかったのだー」
自分で言っておいてなんですけど、単純すぎる早紀先輩が少し心配だよ。なんかこう、いつか変な人に騙されそうで……。
そうよ、この抱き心地がよさそうな温もりは、この私が守らないとねっ。だってこの温もりは、私だけのモノなんですからっ。たとえ、世界を敵に回しても必ず死守してみせるもん。
「ペナルティにボランティアは賛成なんだけど、それだとやらない人がいそうだよね。ボクみたいにね」
「葵ちゃん、それは胸を張りながら言うことじゃないよ。んー、ボランティアをエスケープできなくする方法かぁ」
それも大事だけど、まずはボランティア時間を決めないとね。仮に十時間とすると、一ヶ月あったらすぐ終わっちゃうかな。一日中数分やるだけでいいわけですし。
はっ、それなら期限を設ければいいのよ。そうすれば、期限内に終わらせようと必死になるはずですから。ただ、期限内に終わらなかったら──。
「朱音先輩、何をさっきからぶつくさ言ってるんですかー?」
「ひゃっ!? 奈乃ちゃん、いきなり驚かさないでよ」
「驚かせたつもりはないんですけどー?」
「あははは、実は葵ちゃん対策を考えていたんだよっ」
「ボクに対策なんていらないよ。会長の愛を受け止める準備はできてるからね」
「その対策じゃなーーーーーーい! ボランティアのエスケープ対策だよっ」
「残念、そっちなのか……」
肩を落とすほどガッカリするのね。
どういう思考になってるのか、非常に気になっちゃうよ。でも、今ここでそれを聞いたら、話が混沌に陥るのは間違いないかな。
好奇心を押し込めるのよ、朱音。
まずはエスケープ対策が優先なんだから。
ついでに管君のことも底なし沼に沈めないと。
よし、厳重に心の鍵をかけたからもう大丈夫。あとは、ラベルに『パンドラの箱』と書いとけば、間違っても開けようとは思わないね。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
何故か超絶美少女に嫌われる日常
やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。
しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。
善意一〇〇%の金髪ギャル~彼女を交通事故から救ったら感謝とか同情とか罪悪感を抱えられ俺にかまってくるようになりました~
みずがめ
青春
高校入学前、俺は車に撥ねられそうになっている女性を助けた。そこまではよかったけど、代わりに俺が交通事故に遭ってしまい入院するはめになった。
入学式当日。未だに入院中の俺は高校生活のスタートダッシュに失敗したと落ち込む。
そこへ現れたのは縁もゆかりもないと思っていた金髪ギャルであった。しかし彼女こそ俺が事故から助けた少女だったのだ。
「助けてくれた、お礼……したいし」
苦手な金髪ギャルだろうが、恥じらう乙女の前に健全な男子が逆らえるわけがなかった。
こうして始まった俺と金髪ギャルの関係は、なんやかんやあって(本編にて)ハッピーエンドへと向かっていくのであった。
表紙絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストです。

【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。

深海の星空
柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」
ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。
少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。
やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。
世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。
恋とは落ちるもの。
藍沢咲良
青春
恋なんて、他人事だった。
毎日平和に過ごして、部活に打ち込められればそれで良かった。
なのに。
恋なんて、どうしたらいいのかわからない。
⭐︎素敵な表紙をポリン先生が描いてくださいました。ポリン先生の作品はこちら↓
https://manga.line.me/indies/product/detail?id=8911
https://www.comico.jp/challenge/comic/33031
この作品は小説家になろう、エブリスタでも連載しています。
※エブリスタにてスター特典で優輝side「電車の君」、春樹side「春樹も恋に落ちる」を公開しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる