ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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第4話 生徒会役員は個性が強い

生徒会役員は個性が強い 11ページ目

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「べ、別に気になるわけじゃないけど、賛成する理由を教えてくれないかな。こ、これは生徒会長として知る必要があるだけ、なんだから……」

「会長のツンデレ……。ボクをキュン死させるつもりかな。尊い、尊すぎてボクの理性が吹き飛びそうだよ」

「あざとい、あざとすぎるよ。これだからツンデレは嫌いなのよね。陽琥君もそう思ってるよねー」

「えっ……。ぼ、僕は……」

「すーがーくーん、私の質問は無視するのねっ!」

「あ、あの、そんな無視だなんて……。それより理由、賛成の理由を話してもいいですか?」

「人の顔色を窺う前に、さっさと話しなさいよ。この──留年高校生っ!」

 まったく、綾崎さん相手に顔を赤く染めるとかなんなのよ。私は管君なんて、道端に落ちてる石ころぐらいにしか感じてないんだからっ。

 でも、葵ちゃんに効果抜群とか、それだけ私のツンデレに破壊力があるってことよね。理事長に騙されたとはいえ、ツンデレ属性を与えてくれたことには感謝かな。

 だからと言って、復讐は絶対にやめませんけど。

「ぐはっ、だから違うのに……」

「言い訳なんていいから、早く理由を教えなさいよっ」

「は、はい。えっとですね、『臭いものには蓋をする』のではなく、きちんと指導すべきだと思ってるからです」

「スガ君は真面目すぎるよ。ボクはむしろ、もっと厳しくしたい派なんだよね。だってそうすれば──会長とボクだけの学園になるんだから」

「あらあら、お熱いことで。ツンデレというのは、性別関係なく誰でも手玉に取るのですね。まったく、見境がないのも程々にして欲しいものよ」

「綾崎さん、私を飢えた野獣みたいに扱わないでよっ! 私は男子が好きなノーマルJKなんだからねっ。それと葵ちゃんの妄想は絶対に実現させませんからっ。と、に、か、く、妄想で暴走気味の葵ちゃんは放っといて、そもそも違反した生徒は指導だけじゃ直らないと──」

「放置プレイ、だなんて、会長はボクの性格をよく知ってるね」

 なんだか、葵ちゃんの隠れ属性がどんどん顔を出してきてるよ。

 ツッコミ役をしちゃうと底なし沼に足を踏み入れちゃいそうだし、とりあえず放置でいいかな。

 本人も満足そうだし、WINWINの関係で終われるからね。

 というより、あの性格でよく生徒会選挙──ううん、リベンジャーズ選挙に当選できたよね。学園七不思議に入りそうなくらいの謎だよ。もしかして、他にも隠している属性があって、それが葵ちゃんを当選させたのかな。
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