ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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第4話 生徒会役員は個性が強い

生徒会役員は個性が強い 10ページ目

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「へ、へぇー、そうなんだ。でもツンデレが嫌いとか、見る目がないよね。ううん、人生損してる可哀想な人だよね」

「好き嫌いなんて人の自由じゃないですかー。会長は胸と同じで器も小さいんですねー」

「な、な、なんですって!」

 何よ胸が小さいとか、器と全然関係ないじゃないのっ。

 確かに私は超控えめに言って貧乳かもしれないよ。

 でも、言っていいことと悪いことがあるでしょ!
 ここは、ツンデレこそが最強ということをハッキリさせないとね。って、葵ちゃんが敵意丸出しで綾崎さんのことを睨んでるよ。

「ボクの会長を悪く言うなんて許せない、かな」

「私は葵ちゃんのモノじゃないけど、庇ってくれてありがとうね」

「あー、ごめんなさいっ。私、本音を隠せないタイプなんですよ。だから許して欲しいかな、陽琥君からもお願いしてよー」

 だから、ベタベタしすぎなんですって。

 というより、どうして管君に胸を押しつけてるのよっ! 管君も管よ、満更でもないって顔してるし。べ、別に管君が誰を好きになろうと、私には関係ないんだけどねっ。

「さ、西園寺会長、ここで波風を立てると新聞に何書かれるかわからないので、器の大きいところを見せましょうよー」

「私は胸が控えめかもしれませんが、器は大きいですっ! いいわよ、それくらい許してあげるわよ。べ、別に管君のために引いてあげるんじゃないんだからねっ」

「会長がそう言うなら、ボクはこれ以上何も言えないかな」

「まぁ、だからと言ってツンデレ好きにはなりませんけどねー」

 ガマンよ、ここは耐えるのよ朱音。

 ここで相手の挑発に乗っては、クイーン・オブ・ツンデレの名に傷がつきますし。寛大な心でこのエセお嬢様の言葉を無視するのよ。

「そ、それで、取材って具体的に何するんですか?」

「んー、会議の様子を記事にしようかと思いましてー。目的はもちろん、新しい校則なんですけどねー」

 新しい校則を記事にですか……。

 これは好都合よね、わざわざ話題を振ってくれるなんて。

 あの三人に復讐するには校則を変える必要があるし。というより、どうやって復讐すればいいんだろ。まずはそこから考えないといけないよね。それに、復讐する順番も大切かな。

 当然、拓馬はメインディッシュなわけで、担任の加地先生と理事長は前菜にしたいところね。

「よし、今日の議題は校則に何を追加するかです。別に綾崎さんのためではないけど、何か提案がある人いるかな?」

「朱音会長ー、サキは校則に停学と退学の廃止を入れたいのだー」

「停学と退学の廃止……ですか」

 いくら有名進学校とはいえ、それをしたら秩序が崩壊するのは間違いないよ。あれ、そういえば、確かマスターおなつも同じことを──って、あの人は詐欺師だったね。

 うーん、これは復讐には利用できないかな。

「僕は三須先輩の意見に大賛成ですっ」

「さすが陽琥君ね、時代の最先端を行ってるなんて、私、尊敬しちゃうよ」

 なんなのよ、私のときは大反対したのに。

 しかも綾崎さんにデレデレしちゃってさ。

 はっ、管君のことはもう考えないようにするんだった。でも……賛成の理由ぐらいは、聞いてもいいよね。
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