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第4話 生徒会役員は個性が強い
生徒会役員は個性が強い 8ページ目
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「じーっ、朱音先輩、顔が赤いけど、どうかしましたかー?」
「ひゃっ!? な、奈乃ちゃん、なんでもないよ。うん、本当になんでもないんだから。春だから少し暖かいかなって、思っただけ、だよ」
もぅ、いきなり話しかけてくるなんて、ビックリしたじゃないの。私には復讐という大切な目的があるんだからっ。
まったく、変に意識しちゃうのは、きっと春の陽気のせいね。
絶対そうに決まってるんだから……。
「会長、まさか……」
えっ、そんな……葵ちゃんに心を読まれたとでもいうの? ううん、そんなわけない、あるはずないもの。それとも、顔に出ちゃったのかな。
顔に出るって何がよ、だって私は──。
「ボクと結婚してくれるんだね。大丈夫、妄想で顔を赤く染めなくても、もうすぐ現実となるから安心してよ」
「そんなわけ、ないからぁぁぁぁぁぁ。はぁ、はぁ、私は男子が好きなノーマルJKですっ。だいたい、私が考えてたのは──なんだからっ」
「よく聞こえなかったけど、ボクにツンデレってことかな?」
「どこにデレがあるのよっ、ど、こ、にっ!」
ん? あれ、私って今何か言ったかな。
……はわわわ、口に出しちゃってるじゃないの。だ、大丈夫よね、一番近かった葵ちゃんが聞こえてないって言ってたし。
これは、春の陽気でおかしくなってるせいよ。
だからもう、深く考えるのはやめよう。
それが私にとって……ベストな選択なんだから。
「結局、新しい名前はリベンジャーズに決まりかなー?」
「サキも意義なしだよー。ガリベンジャーズの方が可愛いと思うけど、ここはみんなに合わせるのだー」
「ボクも異論はないよ。最初は反対だったけど、理由を聞いて会長に惚れ直したから、ね」
「では、満場一致ということで──」
「満場一致じゃなーーーーい。僕はまだ反対だからぁぁぁぁぁぁ」
そういえば管君は反対でしたっけ。
ここは、私のツンデレで賛成させるしかないかな。
復讐、そうよ、このツンデレは復讐のため、なんだから……。
「べ、別に管君の意見はどうでもいいのよ。だって、ひとりが反対したところで、今さら結果が変わるわけないもの。でも、でもね、管君が心から賛成してくれたら、私は嬉しい、かな。か、勘違いしないでよねっ、これは、わだかまりを作りたくないだけ、なんだから」
微かに潤んだ瞳に上目遣いというコンボで管君を見つめる。
顔をわずかに赤く染め、静かに待つのは管君からの返事。
これは演技でそうしているだけ。それなのに──私の心音は、意志とは関係なく大きな音を奏でていた。
「ひゃっ!? な、奈乃ちゃん、なんでもないよ。うん、本当になんでもないんだから。春だから少し暖かいかなって、思っただけ、だよ」
もぅ、いきなり話しかけてくるなんて、ビックリしたじゃないの。私には復讐という大切な目的があるんだからっ。
まったく、変に意識しちゃうのは、きっと春の陽気のせいね。
絶対そうに決まってるんだから……。
「会長、まさか……」
えっ、そんな……葵ちゃんに心を読まれたとでもいうの? ううん、そんなわけない、あるはずないもの。それとも、顔に出ちゃったのかな。
顔に出るって何がよ、だって私は──。
「ボクと結婚してくれるんだね。大丈夫、妄想で顔を赤く染めなくても、もうすぐ現実となるから安心してよ」
「そんなわけ、ないからぁぁぁぁぁぁ。はぁ、はぁ、私は男子が好きなノーマルJKですっ。だいたい、私が考えてたのは──なんだからっ」
「よく聞こえなかったけど、ボクにツンデレってことかな?」
「どこにデレがあるのよっ、ど、こ、にっ!」
ん? あれ、私って今何か言ったかな。
……はわわわ、口に出しちゃってるじゃないの。だ、大丈夫よね、一番近かった葵ちゃんが聞こえてないって言ってたし。
これは、春の陽気でおかしくなってるせいよ。
だからもう、深く考えるのはやめよう。
それが私にとって……ベストな選択なんだから。
「結局、新しい名前はリベンジャーズに決まりかなー?」
「サキも意義なしだよー。ガリベンジャーズの方が可愛いと思うけど、ここはみんなに合わせるのだー」
「ボクも異論はないよ。最初は反対だったけど、理由を聞いて会長に惚れ直したから、ね」
「では、満場一致ということで──」
「満場一致じゃなーーーーい。僕はまだ反対だからぁぁぁぁぁぁ」
そういえば管君は反対でしたっけ。
ここは、私のツンデレで賛成させるしかないかな。
復讐、そうよ、このツンデレは復讐のため、なんだから……。
「べ、別に管君の意見はどうでもいいのよ。だって、ひとりが反対したところで、今さら結果が変わるわけないもの。でも、でもね、管君が心から賛成してくれたら、私は嬉しい、かな。か、勘違いしないでよねっ、これは、わだかまりを作りたくないだけ、なんだから」
微かに潤んだ瞳に上目遣いというコンボで管君を見つめる。
顔をわずかに赤く染め、静かに待つのは管君からの返事。
これは演技でそうしているだけ。それなのに──私の心音は、意志とは関係なく大きな音を奏でていた。
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