ツンデレヒロインの逆襲

朽木昴

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第4話 生徒会役員は個性が強い

生徒会役員は個性が強い 4ページ目

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「み、三須先輩、あの……」

「ん~? あっ、そうだ、サキのことはサキって呼んでよー」

「さ、早紀先輩、その名前は色々と問題があるので、別の名前にしましょうね」

「えー、サキって名前は問題があるのー?」

「そっちじゃなあーーーーーーい!」

「はにゃ?」

 ──はぁ、はぁ、早紀先輩は唯一まともだと思ってたのに、まさかの天然系ロリだったなんて。もしかして生徒会に選ばれる人は、何かしら属性を持っているということなのね。

 大丈夫、大丈夫よ朱音、落ち着きなさい。
 これくらいで、私の復讐が止まるわけないんだから。

「西園寺会長、僕は改名に断固反対します!」

「顧問の先生に意見なんて求めてません。でも、七回目の留年って認めたら、発言くらい許してあげるんだからっ。べ、別に──」

「だから留年でなく、現役男子高校生ですからぁぁぁぁぁぁ。ツンデレで言われても、僕は絶対に認めませーん」

「ちっ、ま、まぁいいわよ。それで理由は何かしら?」

「なんで舌打ち……。え、えっと、理由なんですけど、『生徒会』は昔から名前がそう決まってます。ですから、それを安易に変えるのはダメなのですよ」

「はい、却下。やっぱり、歳をとると頭まで固くなるのね」

「スガ君はボクの会長に楯突くのかな? そっか、どうやら留年中退という学歴が欲しいみたいだね」

「来栖先輩が僕に敵意むき出し!? というか、中退させないでくださいよっ」

「頭固すぎ君って、見た目通りで面倒臭い性格だよねー」

「ふぁっ!? 神崎さんもっ! というか、名前が一文字も合ってないし。三須先輩、僕を助けてくださいよー」

「みんな、イジメはよくないよ。たとえハルくんが留年していようと、今はサキたちと同じ金坂学園の生徒なんだよー」

 あっ、管君が灰になっちゃった。

 でも仕方ないよね、早紀先輩が華麗にトドメを刺したし。さすがに少しだけ気の毒に思えるかな。さて、あの人は放って置いてそろそろ本題へと話を戻しましょうかね。

「一名脱落したけど、気にせず生徒会の名前を変えましょう。これが最初の議題です。何かいい名前が浮かんだ人はいるかなっ?」

「会長、『生徒会』よりも相応しい名前をボクが考えたんだけど、聞いてくれる、かな。絶対に気に入ってくれるはずだよ」

 イヤな予感しかしませんけど……聞くだけ聞いてみますか。

 ひょっとしたら、私の気持ちを汲み取ってる可能性もありますし。

「では来栖さん、『生徒会』に変わる新しい名前をどうぞっ」

「はいっ、ボクが考えた名前は──会長とボクの愛の巣だよ。どうかな、気に入ってくれた、かな」

 くっ、淡い期待は脆くも崩れ去ったよ。

 来栖さんに期待した私が間違いだったぁぁぁぁぁぁ。

 こうなったらここでハッキリさせておいた方がいいね。来栖さんがどういう趣味なのかをねっ。
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