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第4話 生徒会役員は個性が強い
生徒会役員は個性が強い 3ページ目
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それじゃさっそくだけど、まず初めに──。
「さっそくなんですけど、この『生徒会』という名前が固いと思いませんか? こ、これはイメージアップのためよ。他にいみなんて、まったくないんだからっ」
「ボクは会長に賛成、かな。何があっても、ボクは会長を見捨てたりしない。だってボクの心にいるのは会長だけ、なんだ」
ひぃ──。まるで恋する乙女の瞳で見つめてくるよ。
あの視線はきっと冗談だよね。
さっきのだって、軽いジョークだと私は信じてるからねっ。
これじゃ、復讐を果たす前に私の貞操が大ピンチだよ。だいたい、なんで私にそんな視線を──というか、怖くて理由を聞く勇気が湧かないし。このことは、私の心にそっとしまっておこうかな。
「ほ、他の人はどうかなっ。意見は遠慮なく言ってくれていいんだからねっ」
「私も変えるのは賛成かなー。むしろ、朱音先輩がどんな名前にするのか、楽しみで仕方ありませんよー。それと、前から言おうと思ってたんですけど……」
「な、何かな、奈乃さん」
「私を呼ぶときは、『さん』づけなしでお願いしたいかなー。どうしてもそれがイヤなら、奈乃様って呼んでくれてもいいですけどー」
ひぇっ、奈乃さんの不敵な笑みは恐怖でしかないよ。というより、ノート──弱みノート出してますし。まさか私のことを……ううん、そんなことないよね、だってまだ弱みらしいところ見せてないもん。
いやぁぁぁぁぁぁ、天使の笑顔に切り替えて何か書き始めましたよ。フリよね、あれは書いてるフリだよね、お願いだからそうであってよぉぉぉぉぉぉ。
「え、えっと、奈乃ちゃんって呼ぶから、お願いだからそのノートをしまって欲しいんですけどぉぉぉぉぉぉ」
「朱音会長、サキも名前を変えたいと思ってたのー。だって、生徒全員がここにいるわけじゃないのに、『生徒会』って名前はおかしいと思うのだー」
「そうね、確かにそれも一理あるよね」
「でしょー? だからね、サキは可愛い名前を希望するのー。例えば『桜を見守る会』とかどうかな? 生徒たちの中に眠る才能という名の桜を開花させて、それをサキたちが見守るというイメージなのー」
それは色々と不味い気がするんですけどっ。
多分、狙って言ってるんだよね、絶対に本気じゃないよね。
三年生的なジョークに決まって──るように見えないからぁぁぁぁぁ。
三須先輩の瞳が純粋すぎて眩しいよ。でも、それに負けたら絶対にダメ。もしその名前にでもしたら──復讐する前に炎上という業火で生前火葬されちゃうからっ。
「さっそくなんですけど、この『生徒会』という名前が固いと思いませんか? こ、これはイメージアップのためよ。他にいみなんて、まったくないんだからっ」
「ボクは会長に賛成、かな。何があっても、ボクは会長を見捨てたりしない。だってボクの心にいるのは会長だけ、なんだ」
ひぃ──。まるで恋する乙女の瞳で見つめてくるよ。
あの視線はきっと冗談だよね。
さっきのだって、軽いジョークだと私は信じてるからねっ。
これじゃ、復讐を果たす前に私の貞操が大ピンチだよ。だいたい、なんで私にそんな視線を──というか、怖くて理由を聞く勇気が湧かないし。このことは、私の心にそっとしまっておこうかな。
「ほ、他の人はどうかなっ。意見は遠慮なく言ってくれていいんだからねっ」
「私も変えるのは賛成かなー。むしろ、朱音先輩がどんな名前にするのか、楽しみで仕方ありませんよー。それと、前から言おうと思ってたんですけど……」
「な、何かな、奈乃さん」
「私を呼ぶときは、『さん』づけなしでお願いしたいかなー。どうしてもそれがイヤなら、奈乃様って呼んでくれてもいいですけどー」
ひぇっ、奈乃さんの不敵な笑みは恐怖でしかないよ。というより、ノート──弱みノート出してますし。まさか私のことを……ううん、そんなことないよね、だってまだ弱みらしいところ見せてないもん。
いやぁぁぁぁぁぁ、天使の笑顔に切り替えて何か書き始めましたよ。フリよね、あれは書いてるフリだよね、お願いだからそうであってよぉぉぉぉぉぉ。
「え、えっと、奈乃ちゃんって呼ぶから、お願いだからそのノートをしまって欲しいんですけどぉぉぉぉぉぉ」
「朱音会長、サキも名前を変えたいと思ってたのー。だって、生徒全員がここにいるわけじゃないのに、『生徒会』って名前はおかしいと思うのだー」
「そうね、確かにそれも一理あるよね」
「でしょー? だからね、サキは可愛い名前を希望するのー。例えば『桜を見守る会』とかどうかな? 生徒たちの中に眠る才能という名の桜を開花させて、それをサキたちが見守るというイメージなのー」
それは色々と不味い気がするんですけどっ。
多分、狙って言ってるんだよね、絶対に本気じゃないよね。
三年生的なジョークに決まって──るように見えないからぁぁぁぁぁ。
三須先輩の瞳が純粋すぎて眩しいよ。でも、それに負けたら絶対にダメ。もしその名前にでもしたら──復讐する前に炎上という業火で生前火葬されちゃうからっ。
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