36 / 83
第4話 生徒会役員は個性が強い
生徒会役員は個性が強い 1ページ目
しおりを挟む
今日から私が金坂学園の生徒会長。
やっと手に入れた復讐の舞台。
あとは、元カレの鷺ノ宮拓馬と、にっくき担任教師こと加地智史への復讐を果たすだけ。生徒会長特権を悪用──ではなく、有効活用してこの学園から悪を排除するのよ。
「おや、無事に生徒会長になれたようだね」
廊下を歩いていると、聞き覚えのある声が私の足を止めた。
この声を私が忘れるわけわけない。だって十ヶ月という長い時間をともに過ごしてきたんだから……。
「あ、アナタは……マスターおなつ! どうしてここに……」
「どうしても何も、ワシはここの理事長だからのぉ」
「な、理事長だったのねっ。それより、せっかくツンデレをマスターしたのに、あっさりフラれたんですけどっ!」
「なんじゃ、そんなことか。まっ、それはあれじゃよ。本人に魅力がなかっただけじゃな。しかし、あんなにも簡単に騙させるとは思わなかったのぉ」
騙される……? どういうことよ、私が何に騙されたというのよ。えっ、まさか、あの話は全部ウソだとでも言うの……。
ううん、きっとこれはジョークよね。
タチの悪いジョークに決まってるんだからっ。
「マスターおなつ、ううん、理事長、騙されるってどういう意味ですか? 冗談にしては内容が黒すぎる気がしますけど……」
「なんじゃ、まだわからぬのか。世の中にそんな美味しい話なんて、あるわけないのじゃ。まっ、安い勉強代だと思ってくれ。なにせ、物事を教えるのが教育者の役目じゃかやのぉ」
私……騙されてたのね。何が教育者よ、生徒からお金を騙し取る教育者がどこにいるというのよ。あっ、そうですね、ここにいましたね。
推しグッズまで我慢したのよ。確かに、怪しさこそあったけど、めっちゃいい人だったじゃない。……そっか、すべては、私からお金を巻き上げるための演技だったのね。
あの高笑いが今は憎すぎる。
何が安い勉強代よ。
この恨み──必ず晴らしてみせます。推しグッズの恨みは、絶対に忘れないんだからっ。
放課後、新メンバーとの顔合わせで、私は生徒会室を訪れていた。そうよ、すべてはここから私の復讐劇が始まるのよ。
メンバーの名前は選挙の日に知ってたけど、顔なんて緊張でまったく覚えていない。どんな人たちがメンバーになったのか。それを知るため、私は自己紹介という古典的な手法を使ったの。
「くっくっくっ、ようこそ我が生徒会室へ。そして、みなさん改めまして、私が生徒会長の西園寺朱音です。まずは、軽く自己紹介といきましょうか」
「えっと、三年の三須早紀です。サキね、生徒会に憧れてたのだー。えへへ、朱音会長、これからよろしくなのー」
まさか先輩だったなんて……。顔が幼すぎるから、てっきり後輩かと思ってましたよ。
しかも、金髪ツインテールがロリ度をアップさせてるし。
これが天から与えられしロリ属性なのね。
べ、別に羨ましくなんて……ないんだからっ。
やっと手に入れた復讐の舞台。
あとは、元カレの鷺ノ宮拓馬と、にっくき担任教師こと加地智史への復讐を果たすだけ。生徒会長特権を悪用──ではなく、有効活用してこの学園から悪を排除するのよ。
「おや、無事に生徒会長になれたようだね」
廊下を歩いていると、聞き覚えのある声が私の足を止めた。
この声を私が忘れるわけわけない。だって十ヶ月という長い時間をともに過ごしてきたんだから……。
「あ、アナタは……マスターおなつ! どうしてここに……」
「どうしても何も、ワシはここの理事長だからのぉ」
「な、理事長だったのねっ。それより、せっかくツンデレをマスターしたのに、あっさりフラれたんですけどっ!」
「なんじゃ、そんなことか。まっ、それはあれじゃよ。本人に魅力がなかっただけじゃな。しかし、あんなにも簡単に騙させるとは思わなかったのぉ」
騙される……? どういうことよ、私が何に騙されたというのよ。えっ、まさか、あの話は全部ウソだとでも言うの……。
ううん、きっとこれはジョークよね。
タチの悪いジョークに決まってるんだからっ。
「マスターおなつ、ううん、理事長、騙されるってどういう意味ですか? 冗談にしては内容が黒すぎる気がしますけど……」
「なんじゃ、まだわからぬのか。世の中にそんな美味しい話なんて、あるわけないのじゃ。まっ、安い勉強代だと思ってくれ。なにせ、物事を教えるのが教育者の役目じゃかやのぉ」
私……騙されてたのね。何が教育者よ、生徒からお金を騙し取る教育者がどこにいるというのよ。あっ、そうですね、ここにいましたね。
推しグッズまで我慢したのよ。確かに、怪しさこそあったけど、めっちゃいい人だったじゃない。……そっか、すべては、私からお金を巻き上げるための演技だったのね。
あの高笑いが今は憎すぎる。
何が安い勉強代よ。
この恨み──必ず晴らしてみせます。推しグッズの恨みは、絶対に忘れないんだからっ。
放課後、新メンバーとの顔合わせで、私は生徒会室を訪れていた。そうよ、すべてはここから私の復讐劇が始まるのよ。
メンバーの名前は選挙の日に知ってたけど、顔なんて緊張でまったく覚えていない。どんな人たちがメンバーになったのか。それを知るため、私は自己紹介という古典的な手法を使ったの。
「くっくっくっ、ようこそ我が生徒会室へ。そして、みなさん改めまして、私が生徒会長の西園寺朱音です。まずは、軽く自己紹介といきましょうか」
「えっと、三年の三須早紀です。サキね、生徒会に憧れてたのだー。えへへ、朱音会長、これからよろしくなのー」
まさか先輩だったなんて……。顔が幼すぎるから、てっきり後輩かと思ってましたよ。
しかも、金髪ツインテールがロリ度をアップさせてるし。
これが天から与えられしロリ属性なのね。
べ、別に羨ましくなんて……ないんだからっ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
何故か超絶美少女に嫌われる日常
やまたけ
青春
K市内一と言われる超絶美少女の高校三年生柊美久。そして同じ高校三年生の武智悠斗は、何故か彼女に絡まれ疎まれる。何をしたのか覚えがないが、とにかく何かと文句を言われる毎日。だが、それでも彼女に歯向かえない事情があるようで……。疋田美里という、主人公がバイト先で知り合った可愛い女子高生。彼女の存在がより一層、この物語を複雑化させていくようで。
しょっぱなヒロインから嫌われるという、ちょっとひねくれた恋愛小説。
善意一〇〇%の金髪ギャル~彼女を交通事故から救ったら感謝とか同情とか罪悪感を抱えられ俺にかまってくるようになりました~
みずがめ
青春
高校入学前、俺は車に撥ねられそうになっている女性を助けた。そこまではよかったけど、代わりに俺が交通事故に遭ってしまい入院するはめになった。
入学式当日。未だに入院中の俺は高校生活のスタートダッシュに失敗したと落ち込む。
そこへ現れたのは縁もゆかりもないと思っていた金髪ギャルであった。しかし彼女こそ俺が事故から助けた少女だったのだ。
「助けてくれた、お礼……したいし」
苦手な金髪ギャルだろうが、恥じらう乙女の前に健全な男子が逆らえるわけがなかった。
こうして始まった俺と金髪ギャルの関係は、なんやかんやあって(本編にて)ハッピーエンドへと向かっていくのであった。
表紙絵は、あっきコタロウさんのフリーイラストです。

【完結】カワイイ子猫のつくり方
龍野ゆうき
青春
子猫を助けようとして樹から落下。それだけでも災難なのに、あれ?気が付いたら私…猫になってる!?そんな自分(猫)に手を差し伸べてくれたのは天敵のアイツだった。
無愛想毒舌眼鏡男と獣化主人公の間に生まれる恋?ちょっぴりファンタジーなラブコメ。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
黄昏は悲しき堕天使達のシュプール
Mr.M
青春
『ほろ苦い青春と淡い初恋の思い出は・・
黄昏色に染まる校庭で沈みゆく太陽と共に
儚くも露と消えていく』
ある朝、
目を覚ますとそこは二十年前の世界だった。
小学校六年生に戻った俺を取り巻く
懐かしい顔ぶれ。
優しい先生。
いじめっ子のグループ。
クラスで一番美しい少女。
そして。
密かに想い続けていた初恋の少女。
この世界は嘘と欺瞞に満ちている。
愛を語るには幼過ぎる少女達と
愛を語るには汚れ過ぎた大人。
少女は天使の様な微笑みで嘘を吐き、
大人は平然と他人を騙す。
ある時、
俺は隣のクラスの一人の少女の名前を思い出した。
そしてそれは大きな謎と後悔を俺に残した。
夕日に少女の涙が落ちる時、
俺は彼女達の笑顔と
失われた真実を
取り戻すことができるのだろうか。

深海の星空
柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」
ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。
少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。
やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。
世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる