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第3話 生徒会選挙はツンデレで
生徒会選挙はツンデレで 11ページ目
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「もし、もしですよ、私が当選しなかったら……。舞星さんという、人の価値を『胸の大きさ』でしか判断できない人が生徒会長になってしまいます。そんなの──私は絶対に許せませんっ」
そうよ、これは悪口ではないの。
このような差別的考えの人が、生徒会長になっちゃダメだもん。これは究極の二択よ、胸の大きさで価値を決める人か、元陰キャな貧乳ツンデレラ。
このどちらかならきっと私が選ばれるはず。
たとえ貧乳ツンデレであっても──くっ、自分で言っておきながら、思ったよりダメージが大きいよ。
でもそうよね、ゲームとかでも、破壊力のある魔法は消費されるMPが大きいし。つまり、自分へのダメージが大きければ、それだけ効果が期待できるってことよ。
「あ、あの、ボク、応援してるので、ぜひ生徒会長になってくださいね」
「もちろんだよ、必ずやこのツンデレが、生徒会長の座に着いてみせるから」
あの子、同学年かな? 黒髪ポニーテールでボクっ娘だなんて、新しい境地に目覚めちゃいそうだよ。
はっ、その道はイバラの道なんだから、踏み込んではダメだからっ。
でも、応援してく子がいるんだから頑張らないとね。
黒歴史と自爆技のおかけで、私の支持率は47%まで爆上がりした。このペースで上がり続ければ、二日後の投票日は余裕で生徒会長の座につける。
という甘い考えは簡単に打ち砕かれ、当日までポイントの変動はまったくなかった。
生徒会選挙当日──。
この日の学校は午前中だけ。
全校生徒が体育館へと集められ、立候補者たちが投票前の演説をする。そして、演説終了後にサイトから投票し、結果がすぐに出るという流れ。
緊張感漂う舞台袖では、立候補者たちが自分の出番を静かに待っている。その中に私も加わると、舞星さんが挑発するような口調で話しかけてきた。
「まだ頑張るつもりなの? 所詮、貧乳ツンデレラには荷が重すぎたようね」
「まだです、まだ、勝負は終わってませんよ、魔性さん」
「わたくしは、ま、い、ぼ、し、ですっ。まったく、相手の名前も覚えられないだなんて、貧乳が聞いて呆れますわ」
「そこに貧乳は関係ないと思うんだどっ。そ、それに、魔性も舞星も似たようなもの、かな。で、でも、だからといって勘違いしないでよねっ。わざと間違えただけ、なんだから……」
「余計にタチが悪いと思ったのは、わたくしだけかしらっ!」
舞星さんからジト目向けられ、私の額に冷や汗が浮かび上がる。誤魔化すように視線を逸らすも、深く追求されることはなかった。だって、次の演説は舞星さんの出番だったから……。
うぅ、緊張してきたぁぁぁぁ、気がつけば次が私の番だよ。でも、急に頭が真っ白になって、話そうとしたこと全部忘れちゃったよ。
ど、どうしよう……。もうこうなったら、ツンデレは度胸よねっ。
「それでは、もうひとりの生徒会長候補、二年生の西園寺朱音さんお願いしまーす」
ついに司会から名前が呼ばれちゃったよ。
足が思ったように動かず、まるでトランポリンの上を歩いてるみたい。ふわふわしてなんだか変な感じで、このまま異世界へと旅立ち──したらダメだよね。
元陰キャで現ツンデレ、ううん、クイーン・オブ・ツンデレの西園寺朱音、この演説で見事に劣勢をひっくり返してみせます。
そうよ、これは悪口ではないの。
このような差別的考えの人が、生徒会長になっちゃダメだもん。これは究極の二択よ、胸の大きさで価値を決める人か、元陰キャな貧乳ツンデレラ。
このどちらかならきっと私が選ばれるはず。
たとえ貧乳ツンデレであっても──くっ、自分で言っておきながら、思ったよりダメージが大きいよ。
でもそうよね、ゲームとかでも、破壊力のある魔法は消費されるMPが大きいし。つまり、自分へのダメージが大きければ、それだけ効果が期待できるってことよ。
「あ、あの、ボク、応援してるので、ぜひ生徒会長になってくださいね」
「もちろんだよ、必ずやこのツンデレが、生徒会長の座に着いてみせるから」
あの子、同学年かな? 黒髪ポニーテールでボクっ娘だなんて、新しい境地に目覚めちゃいそうだよ。
はっ、その道はイバラの道なんだから、踏み込んではダメだからっ。
でも、応援してく子がいるんだから頑張らないとね。
黒歴史と自爆技のおかけで、私の支持率は47%まで爆上がりした。このペースで上がり続ければ、二日後の投票日は余裕で生徒会長の座につける。
という甘い考えは簡単に打ち砕かれ、当日までポイントの変動はまったくなかった。
生徒会選挙当日──。
この日の学校は午前中だけ。
全校生徒が体育館へと集められ、立候補者たちが投票前の演説をする。そして、演説終了後にサイトから投票し、結果がすぐに出るという流れ。
緊張感漂う舞台袖では、立候補者たちが自分の出番を静かに待っている。その中に私も加わると、舞星さんが挑発するような口調で話しかけてきた。
「まだ頑張るつもりなの? 所詮、貧乳ツンデレラには荷が重すぎたようね」
「まだです、まだ、勝負は終わってませんよ、魔性さん」
「わたくしは、ま、い、ぼ、し、ですっ。まったく、相手の名前も覚えられないだなんて、貧乳が聞いて呆れますわ」
「そこに貧乳は関係ないと思うんだどっ。そ、それに、魔性も舞星も似たようなもの、かな。で、でも、だからといって勘違いしないでよねっ。わざと間違えただけ、なんだから……」
「余計にタチが悪いと思ったのは、わたくしだけかしらっ!」
舞星さんからジト目向けられ、私の額に冷や汗が浮かび上がる。誤魔化すように視線を逸らすも、深く追求されることはなかった。だって、次の演説は舞星さんの出番だったから……。
うぅ、緊張してきたぁぁぁぁ、気がつけば次が私の番だよ。でも、急に頭が真っ白になって、話そうとしたこと全部忘れちゃったよ。
ど、どうしよう……。もうこうなったら、ツンデレは度胸よねっ。
「それでは、もうひとりの生徒会長候補、二年生の西園寺朱音さんお願いしまーす」
ついに司会から名前が呼ばれちゃったよ。
足が思ったように動かず、まるでトランポリンの上を歩いてるみたい。ふわふわしてなんだか変な感じで、このまま異世界へと旅立ち──したらダメだよね。
元陰キャで現ツンデレ、ううん、クイーン・オブ・ツンデレの西園寺朱音、この演説で見事に劣勢をひっくり返してみせます。
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