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第2話 復讐の下準備と悪女な後輩
復讐の下準備と悪女な後輩 15ページ目
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「奈乃さん、ありがとう」
「別に大したことありませんよー」
「ううん、本当に助かったからねっ」
「私、あの手のタイプが嫌いで、一生心に残る傷を負わせたくなっちゃうんです。でも、朱音先輩がそばにいたから、最終手段に踏み切らずに済みました」
その笑顔は何かおかしいから。
さらっとトラウマ刻ませますとか、怖すぎだよ。
うん、奈乃さんはやっぱり陽キャラじゃない、腹黒い悪女なだけだったー。
これは絶対敵に回したらダメな人ね。いくらツンデレ道場で鍛え抜いた精神力でも、像の前のアリと同じで無力だもん。
でも、どうして助けてくれたんだろ。
本当に魔性さんが嫌いなだけ、だったのかな。
ううん、助けてくれたのはきっと気まぐれだよ。だって、奈乃さんは天性の悪女なんだし。
「えっと、私っていつから奈乃さんのリミッターになったのかな?」
「それは……秘密ですよー。さっ、用も済んだので帰りましょうか、朱音先輩っ」
夕陽が照らす中、私の頭は明日から始まる演説期間のことでいっぱいだった。奈乃さんと一緒に帰りながら、覚えたての原稿を──って、どうしよう。
何を話すのか全然考えてなかったよ。
でも、まだ十二時間以上あるから、時間的には余裕だよね。果報は寝て待てって言うし。
起きたらきっと、誰しもが感動する演説内容が出来上がってるに違いないもん。
何事もポジティブに考えれば、必ず成功するに決まってる。だから私は……自分の欲望にまっすぐ従って、ベッドへとダイブする。演説の原稿は夢の中で考えればいいの。
だって、果報は『寝て』待てなんだもん。その言葉通りに、私は夢の世界へ旅立っていった。
「別に大したことありませんよー」
「ううん、本当に助かったからねっ」
「私、あの手のタイプが嫌いで、一生心に残る傷を負わせたくなっちゃうんです。でも、朱音先輩がそばにいたから、最終手段に踏み切らずに済みました」
その笑顔は何かおかしいから。
さらっとトラウマ刻ませますとか、怖すぎだよ。
うん、奈乃さんはやっぱり陽キャラじゃない、腹黒い悪女なだけだったー。
これは絶対敵に回したらダメな人ね。いくらツンデレ道場で鍛え抜いた精神力でも、像の前のアリと同じで無力だもん。
でも、どうして助けてくれたんだろ。
本当に魔性さんが嫌いなだけ、だったのかな。
ううん、助けてくれたのはきっと気まぐれだよ。だって、奈乃さんは天性の悪女なんだし。
「えっと、私っていつから奈乃さんのリミッターになったのかな?」
「それは……秘密ですよー。さっ、用も済んだので帰りましょうか、朱音先輩っ」
夕陽が照らす中、私の頭は明日から始まる演説期間のことでいっぱいだった。奈乃さんと一緒に帰りながら、覚えたての原稿を──って、どうしよう。
何を話すのか全然考えてなかったよ。
でも、まだ十二時間以上あるから、時間的には余裕だよね。果報は寝て待てって言うし。
起きたらきっと、誰しもが感動する演説内容が出来上がってるに違いないもん。
何事もポジティブに考えれば、必ず成功するに決まってる。だから私は……自分の欲望にまっすぐ従って、ベッドへとダイブする。演説の原稿は夢の中で考えればいいの。
だって、果報は『寝て』待てなんだもん。その言葉通りに、私は夢の世界へ旅立っていった。
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