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第2話 復讐の下準備と悪女な後輩
復讐の下準備と悪女な後輩 5ページ目
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「え、えっと、奈乃さん。それをどうして知ってるのかなー?」
「そんなの簡単ですよ。日々、脅しネタを求めて、私はみんなが登校する前に学校へ来てるのです。あの日も浮かれる朱音先輩を見かけたもので、こっそりと、あとをつけさせてもらいました」
お前もなのかぁぁぁぁぁぁ。
あの担任だけでなく、まさか奈乃さんにも見られていたなんて一生の不覚だよ。あの失恋現場を見られるのは──黒歴史どころか末代までの恥よ。
これじゃ、主導権を奪い返せないじゃないの。
待ちなさい、動揺したら負けなんだからね。
そうだっ、あれを弱みと思われなければ──って、無理に決まってるからぁぁぁぁ。
ツンデレ貧乳なんてアダ名つけられたら、学校に行けなくなるどころじゃない、黒歴史として永遠に残り続けちゃうぅぅぅぅ。
「あの、奈乃さん、あのことは秘密にしてもらえると、私としては、非常に助かるんですけど、ダメ、ですか?」
「朱音先輩は心配しすぎですよー。少なくとも、あとふたつぐらい秘密を握るまでは、脅したりなんてしませんから」
これは隙を見せたら負けなヤツね。
でも、余力はまだふたつもあるし、これ以上醜態を見せなければいいだけよ。
あれ? 今から話す内容は絶対に弱みだよね。
大丈夫、大丈夫だから、野球はツーアウトからって言うじゃない。諦めたらそこですべてが終わってしまうのよ。
「そ、そうしてくれると、助かるかな。それで、私が会長になりたい理由だよね。べ、別に大きな志があるわけじゃないのよ。私はただ──」
もう吹っ切れるしかない。
私は包み隠さず、ありのままを奈乃さん話した。
だって、秘密を握られるよりも、復讐心の方が強かったから。
大好きな推しグッズを犠牲にしたのに、たった一ヶ月しか付き合えず、しかもツンデレ貧乳を否定された。
この恨みは必ず晴らさないと気が済まない。
そうよ、私の第一目的はこれなんだから、秘密を握られるくらいなんてことないのよ。
「なるほど、そういうことだったんですねー。つまり、推しを捨ててまで告白したのに、あっさりとフラれ、傷ついてるところに、デスソースを塗られた、というわけですね」
「推しは捨ててないからねっ! ほんのちょっと、お別れした、だけだからねっ」
「少しのお別れ、ですか。というより、推しも可哀想ですね。まるで都合のいい推し扱いですから。でも、二次元の推しに嫌われることないですよー。ツンデレ貧乳なんて、言ったりしませんからねー」
「くっ、デスソースの追加オーダーはいらないからっ」
天使──じゃないよ、悪魔の微笑みを浮かべてるもん。腹黒系はドS属性も完備してるってことなのね。
この視線を快感と思える人がいるなんて──。
あっ、でも、少しわかるかも、って、ダメよ朱音、そっち側に進むなんて、絶対にダメですからぁぁぁぁ。
自分の中に突然湧いた何かと戦い、私は紙一重で勝利を収める。この状況は私にとって非常に不利よ。後輩にもてあそばれるだなんて、ツンデレじゃなくツンダメじゃないの。
ここはなんとか主導権を取り返して──。
「そ、それでね、奈乃さん。復讐の手伝いはしてくれるの? もちろん、私の秘密を知ってしまった以上、無理にでも協力してもらいますけどねっ?」
「朱音先輩……。今度は悪役系に転身ですか。キャラがブレすぎると、自分を見失ってしまいますよー」
「誰が悪役ですか、だ、れ、が。だいたい、もっと腹黒い人なら目の前に──」
はうっ、思わず本音がポロリと出ちゃいました。
多分、大丈夫よね、あの顔なら絶対に聞こえてなかったよね。ネガティブに考えちゃダメ、何事もポジティブにいかないとねっ。
「そんなの簡単ですよ。日々、脅しネタを求めて、私はみんなが登校する前に学校へ来てるのです。あの日も浮かれる朱音先輩を見かけたもので、こっそりと、あとをつけさせてもらいました」
お前もなのかぁぁぁぁぁぁ。
あの担任だけでなく、まさか奈乃さんにも見られていたなんて一生の不覚だよ。あの失恋現場を見られるのは──黒歴史どころか末代までの恥よ。
これじゃ、主導権を奪い返せないじゃないの。
待ちなさい、動揺したら負けなんだからね。
そうだっ、あれを弱みと思われなければ──って、無理に決まってるからぁぁぁぁ。
ツンデレ貧乳なんてアダ名つけられたら、学校に行けなくなるどころじゃない、黒歴史として永遠に残り続けちゃうぅぅぅぅ。
「あの、奈乃さん、あのことは秘密にしてもらえると、私としては、非常に助かるんですけど、ダメ、ですか?」
「朱音先輩は心配しすぎですよー。少なくとも、あとふたつぐらい秘密を握るまでは、脅したりなんてしませんから」
これは隙を見せたら負けなヤツね。
でも、余力はまだふたつもあるし、これ以上醜態を見せなければいいだけよ。
あれ? 今から話す内容は絶対に弱みだよね。
大丈夫、大丈夫だから、野球はツーアウトからって言うじゃない。諦めたらそこですべてが終わってしまうのよ。
「そ、そうしてくれると、助かるかな。それで、私が会長になりたい理由だよね。べ、別に大きな志があるわけじゃないのよ。私はただ──」
もう吹っ切れるしかない。
私は包み隠さず、ありのままを奈乃さん話した。
だって、秘密を握られるよりも、復讐心の方が強かったから。
大好きな推しグッズを犠牲にしたのに、たった一ヶ月しか付き合えず、しかもツンデレ貧乳を否定された。
この恨みは必ず晴らさないと気が済まない。
そうよ、私の第一目的はこれなんだから、秘密を握られるくらいなんてことないのよ。
「なるほど、そういうことだったんですねー。つまり、推しを捨ててまで告白したのに、あっさりとフラれ、傷ついてるところに、デスソースを塗られた、というわけですね」
「推しは捨ててないからねっ! ほんのちょっと、お別れした、だけだからねっ」
「少しのお別れ、ですか。というより、推しも可哀想ですね。まるで都合のいい推し扱いですから。でも、二次元の推しに嫌われることないですよー。ツンデレ貧乳なんて、言ったりしませんからねー」
「くっ、デスソースの追加オーダーはいらないからっ」
天使──じゃないよ、悪魔の微笑みを浮かべてるもん。腹黒系はドS属性も完備してるってことなのね。
この視線を快感と思える人がいるなんて──。
あっ、でも、少しわかるかも、って、ダメよ朱音、そっち側に進むなんて、絶対にダメですからぁぁぁぁ。
自分の中に突然湧いた何かと戦い、私は紙一重で勝利を収める。この状況は私にとって非常に不利よ。後輩にもてあそばれるだなんて、ツンデレじゃなくツンダメじゃないの。
ここはなんとか主導権を取り返して──。
「そ、それでね、奈乃さん。復讐の手伝いはしてくれるの? もちろん、私の秘密を知ってしまった以上、無理にでも協力してもらいますけどねっ?」
「朱音先輩……。今度は悪役系に転身ですか。キャラがブレすぎると、自分を見失ってしまいますよー」
「誰が悪役ですか、だ、れ、が。だいたい、もっと腹黒い人なら目の前に──」
はうっ、思わず本音がポロリと出ちゃいました。
多分、大丈夫よね、あの顔なら絶対に聞こえてなかったよね。ネガティブに考えちゃダメ、何事もポジティブにいかないとねっ。
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