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第1話 ツンデレ誕生
ツンデレ誕生 1ページ目
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ツンデレこそが最強の属性。
たとえ、負けフラグの代名詞になり下がろうとも、私は絶対に諦めない。過去の栄光を取り戻すまで戦い続けるのよ。
だって、真のヒロインはツンデレに決まってるんですから。
口ではツンデレキャラ最高とか言っておいて、リアルじゃウザいとか、ホント意味わからない。みんな本当にワガママなのよ。
だから私は決めたの。
ツンデレこそが真の女王だと、絶対に認めさせてみせます。そう、今ここにツンデレ普及宣言をしました。
はい、ここはテストに必ず出るところだから、忘れないように。
この私が、全世界にツンデレブームを巻き起こして、あ、げ、る。
私の名は西園寺朱音。今年から、高校二年生になったばかりのピチピチ十六歳JKよ。赤い髪は肩まであって、贔屓目に見れば美少女なの。
えっ、ピチピチが死語ですって? そんなわけありません、現に私のような現役のJKが使っているのですからね。
でもそんなこと、どうでもいいの。
だって今日は、付き合い始めてちょうど一ヶ月の記念日。相手はもちろん、金坂学園で指折りのイケメン、鷺ノ宮拓馬なのです。
カレったら、大切な話があるって、朝から私を校舎裏に呼び出したの。きっと、サプライズプレゼントでも、用意してくれてるのかしら。
ほら、早速カレがやってきました。プレゼントは何かな、イヤリングかな、それともペアリングとかかな。もうなんでもいいよ。拓馬からのプレゼントなら、私喜んじゃうんだからね。
「ごめん、朱音。待たせちゃったかな」
「まったく、ホントくるのが遅いわよ。危うく干物になる寸前だったじゃないの。で、でも、この私を待たせていいのは……拓馬だけ、なんだからね」
「それで、朝早くから呼び出した理由なんだけど……」
来たわよ、ついにサプライズプレゼントよ。
こういうのって、貰えるとわかっていても胸が高鳴るのよね。
「早く理由を教えてくれないかしら? 私、焦らされるのって、大っ嫌いなの。か、勘違いしないでよね。拓馬以外の人って、意味なんだから……」
「大丈夫、焦らしたりなんてしない、だからハッキリ言おう。俺と別れてくれ!」
「へっ……」
思わず固まってしまいました。確か今日は、エイプリルフールでしたっけ。ううん、そんなはずはない、だってそれは三日前なんだし。ということは──幻聴、そうよ、これは幻聴に違いない。
『ツンデレ』が好きな拓馬がそんなこと言うわけが──。
「ほら、よくツンデレ最強とか言うじゃん? 実際はどうなんかなって思ったんだけど、やっぱり、イラッとくるよね。というわけで、たった今から、俺とお前はただの他人なっ」
「ち、ちょっと、拓馬。冗談、よね、エイプリルフールはとっくに終わって──」
「ふっ、冥土の土産に教えてあげよう。実は俺、ツンデレ貧乳よりも、魔性的な巨乳の方が好きなんだ。いやぁ、真逆なタイプと一ヶ月も付き合っただなんて、俺にしては頑張ったよな。それじゃ、バイバイ~、二度と会うことないけどね~」
「ははははは……」
これは夢ね、きっと私はまだ暖かいお布団の中にいて、目が覚めたら『夢でよかった』ってオチなのよ。こんな始業式の日にフラれるだなんて、現実世界なわけが──あるに決まってるし。もう最悪よ、春は出会いと別れの季節だけど、ワンシーズンに同じ人で経験するなんて、ありえなさすぎるよ。
学校……サボっちゃおうかな。
フラれた直後に学校なんて、行けるわけないし。
いやいや、ダメよ、それは絶対にダメ、なんだから。
って、もうこんな時間、急がないと遅刻しちゃうじゃないのぉぉぉぉ。
たとえ、負けフラグの代名詞になり下がろうとも、私は絶対に諦めない。過去の栄光を取り戻すまで戦い続けるのよ。
だって、真のヒロインはツンデレに決まってるんですから。
口ではツンデレキャラ最高とか言っておいて、リアルじゃウザいとか、ホント意味わからない。みんな本当にワガママなのよ。
だから私は決めたの。
ツンデレこそが真の女王だと、絶対に認めさせてみせます。そう、今ここにツンデレ普及宣言をしました。
はい、ここはテストに必ず出るところだから、忘れないように。
この私が、全世界にツンデレブームを巻き起こして、あ、げ、る。
私の名は西園寺朱音。今年から、高校二年生になったばかりのピチピチ十六歳JKよ。赤い髪は肩まであって、贔屓目に見れば美少女なの。
えっ、ピチピチが死語ですって? そんなわけありません、現に私のような現役のJKが使っているのですからね。
でもそんなこと、どうでもいいの。
だって今日は、付き合い始めてちょうど一ヶ月の記念日。相手はもちろん、金坂学園で指折りのイケメン、鷺ノ宮拓馬なのです。
カレったら、大切な話があるって、朝から私を校舎裏に呼び出したの。きっと、サプライズプレゼントでも、用意してくれてるのかしら。
ほら、早速カレがやってきました。プレゼントは何かな、イヤリングかな、それともペアリングとかかな。もうなんでもいいよ。拓馬からのプレゼントなら、私喜んじゃうんだからね。
「ごめん、朱音。待たせちゃったかな」
「まったく、ホントくるのが遅いわよ。危うく干物になる寸前だったじゃないの。で、でも、この私を待たせていいのは……拓馬だけ、なんだからね」
「それで、朝早くから呼び出した理由なんだけど……」
来たわよ、ついにサプライズプレゼントよ。
こういうのって、貰えるとわかっていても胸が高鳴るのよね。
「早く理由を教えてくれないかしら? 私、焦らされるのって、大っ嫌いなの。か、勘違いしないでよね。拓馬以外の人って、意味なんだから……」
「大丈夫、焦らしたりなんてしない、だからハッキリ言おう。俺と別れてくれ!」
「へっ……」
思わず固まってしまいました。確か今日は、エイプリルフールでしたっけ。ううん、そんなはずはない、だってそれは三日前なんだし。ということは──幻聴、そうよ、これは幻聴に違いない。
『ツンデレ』が好きな拓馬がそんなこと言うわけが──。
「ほら、よくツンデレ最強とか言うじゃん? 実際はどうなんかなって思ったんだけど、やっぱり、イラッとくるよね。というわけで、たった今から、俺とお前はただの他人なっ」
「ち、ちょっと、拓馬。冗談、よね、エイプリルフールはとっくに終わって──」
「ふっ、冥土の土産に教えてあげよう。実は俺、ツンデレ貧乳よりも、魔性的な巨乳の方が好きなんだ。いやぁ、真逆なタイプと一ヶ月も付き合っただなんて、俺にしては頑張ったよな。それじゃ、バイバイ~、二度と会うことないけどね~」
「ははははは……」
これは夢ね、きっと私はまだ暖かいお布団の中にいて、目が覚めたら『夢でよかった』ってオチなのよ。こんな始業式の日にフラれるだなんて、現実世界なわけが──あるに決まってるし。もう最悪よ、春は出会いと別れの季節だけど、ワンシーズンに同じ人で経験するなんて、ありえなさすぎるよ。
学校……サボっちゃおうかな。
フラれた直後に学校なんて、行けるわけないし。
いやいや、ダメよ、それは絶対にダメ、なんだから。
って、もうこんな時間、急がないと遅刻しちゃうじゃないのぉぉぉぉ。
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