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第40話 シュナイダー伯爵令嬢ユリア
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翌日の昼休み。
廊下を歩いてたら、急に壁がぬかるんで誰かに引きずりこまれた。
な、何が起こったんだ?!
「驚かせてしまってごめんなさいね。あまり人目につくと困るから、拉致らせてもらったわ」
そう簡単に拉致なんて出来るのか!? 目の前には、昨日生徒会室で会ったシュナイダー伯爵家のユリア様が立っていた。
「あ、い、いえ……」
まぁ確かに、こんな美人に外で声かけられたら目立つよな。
それにしても、何だこの部屋は!
魔法で作られた空間なんだろうが、古今東西の人を痛め付けるであろう道具が揃ってるぞ。まるで人を拷問するのが目的のような……え、まさか俺、今から拷問されるのか?!
「ああ、気になる? 興味があるなら、使ってみてもいいのよ?」
俺の視線の先を見て、ユリア様が声をかけてくる。
「い、いえ! あ、あの、それで俺に、どのようなご用件でしょうか?」
「お礼を言いたかったのよ」
「お、お礼ですか?」
俺、別にユリア様にお礼を言われるような事なんて何もしてないと思うんだが。逆に、婚約者の悪趣味を暴いて責められる立場じゃないのか? え、じゃあやっぱここに拉致らたのは、お礼という名の拷問されるためなのか?!
「ふふふ、またシリウス様を調教できるんですもの! 楽しみだわ」
えっと、うん、どこからつっこめばいいのだろうか。『また』っていう所か? それとも『調教』って所か? 怖くて聞けねぇよぉおおお!
「ダメな男を調教するのって楽しいわよね。最近は目立ったこともしてなくて、つまらなかったのよ。でもまたあのクズを調教できるから楽しみだわ。それも全て、秘密を暴いてくれた貴方のおかげね。感謝してるわ」
「は、はぁ……お役に立てたのなら、光栄です」
その何かよく分からないの拷問器具を磨きながら言うの、止めてください。まじで怖いです!
「そういえばルーカス、貴方は光魔法の使い手らしいわね? しかも、何でも創造して作り出せるんだとか?」
「あ、はい! 創造すればそれを具現化する事ができます」
「そろそろ、調教に使う新しい拷問器具の開発をしたいと思っていたのよ。何かいいアイデアはないかしら?」
「ご、拷問器具の開発ですか?!」
な、なんて相談をしてくるんだ、この方は!
「ええ。私の生家シュナイダー伯爵家では、貴族の乱れた風紀を正す役目を仰せつかっているの。だからそれにそぐわない行為を行う貴族には、少しばかり痛い目に遭ってもらって、正しい道へ進めるよう調教をして更生させているのよ。痛みを味わえば、二度と悪さなんてしたくなくなるでしょ?」
「そ、そうですね」
貴族限定でよかった。俺にあの器具が使われることがないと、安心できたから。
「えっと、申し訳ありません。俺には調教をした経験がないのでイメージを掴みにくくて……」
「だったら、試してみる?」
や、やめてくれー!
考えろ、俺! どうすればこの場を穏便に離脱できるのか、想像するんた!
シリウスは煩悩の塊のような奴だ。誰にだってそのような欲望はあるだろうけど、それが多分人一倍強いんだろう……そうか、それならその興奮する対象に苦痛を抱くようになればその煩悩も消えるんじゃないか?
「……い、いえ、思いつきました! シリウス様の強い煩悩を消し去るには、その興奮する対象に対して興味を失くさせればよいのではないかと思います」
「そうね。ではどうやって、その強すぎる欲を消し去るつもりなの?」
「強制的に飽きさせる、そして別のものに興味を抱かせるのが良いと思います」
俺は創造魔法で、女性の形をした人形とゴーレムを作り出した。
「例えばシリウス様が、この人形の女性的な部分に触れたとします。そこで手がくっつき、飽きるまでその部分を揉まないと解放されない仕掛けを作るのなんていかがでしょうか? 最初は喜んで揉んでいたものが、次第に苦行に変わっていき触るのさえ嫌になるでしょう。その苦行を、このゴーレムに助けさせるのです。そうすれば耐え難い苦行から救ってくれたゴーレムに、シリウス様の興味は移るのではないでしょうか?」
恐る恐るユリア様の反応を窺うと、何故かとてもキラキラとした眼差しを向けられた。あ、やばい。直感的にそう感じた時にはすでに遅し──
「これは驚いたわ。ルーカス、貴方には拷問吏としての才能があるようね。どうかしら、ここを卒業したらシュナイダー伯爵家で働かないかしら? 柔軟な発想力に優れた創造魔法、とても気に入ったわ。厚待遇を約束するから是非いらっしゃい」
とんでもない提案をされてしまった。
拷問吏なんて、なりたくねぇよ!
「い、いえ……申し訳ありませんが、俺には大切な夢がありますので……」
「そう……残念だわ。気が変わったらいつでも声をかけてちょうだいね。私はいつでも大歓迎よ」
「お、恐れ入ります」
ふぅ、やっと解放された。なんかどっと疲れたぜ。
でも、俺の魔法を純粋に認めてもらえたのは、少し嬉しくもあったな……でも正直、寿命が縮みそうだからユリア様にはあまり関わりたくねぇ。
廊下を歩いてたら、急に壁がぬかるんで誰かに引きずりこまれた。
な、何が起こったんだ?!
「驚かせてしまってごめんなさいね。あまり人目につくと困るから、拉致らせてもらったわ」
そう簡単に拉致なんて出来るのか!? 目の前には、昨日生徒会室で会ったシュナイダー伯爵家のユリア様が立っていた。
「あ、い、いえ……」
まぁ確かに、こんな美人に外で声かけられたら目立つよな。
それにしても、何だこの部屋は!
魔法で作られた空間なんだろうが、古今東西の人を痛め付けるであろう道具が揃ってるぞ。まるで人を拷問するのが目的のような……え、まさか俺、今から拷問されるのか?!
「ああ、気になる? 興味があるなら、使ってみてもいいのよ?」
俺の視線の先を見て、ユリア様が声をかけてくる。
「い、いえ! あ、あの、それで俺に、どのようなご用件でしょうか?」
「お礼を言いたかったのよ」
「お、お礼ですか?」
俺、別にユリア様にお礼を言われるような事なんて何もしてないと思うんだが。逆に、婚約者の悪趣味を暴いて責められる立場じゃないのか? え、じゃあやっぱここに拉致らたのは、お礼という名の拷問されるためなのか?!
「ふふふ、またシリウス様を調教できるんですもの! 楽しみだわ」
えっと、うん、どこからつっこめばいいのだろうか。『また』っていう所か? それとも『調教』って所か? 怖くて聞けねぇよぉおおお!
「ダメな男を調教するのって楽しいわよね。最近は目立ったこともしてなくて、つまらなかったのよ。でもまたあのクズを調教できるから楽しみだわ。それも全て、秘密を暴いてくれた貴方のおかげね。感謝してるわ」
「は、はぁ……お役に立てたのなら、光栄です」
その何かよく分からないの拷問器具を磨きながら言うの、止めてください。まじで怖いです!
「そういえばルーカス、貴方は光魔法の使い手らしいわね? しかも、何でも創造して作り出せるんだとか?」
「あ、はい! 創造すればそれを具現化する事ができます」
「そろそろ、調教に使う新しい拷問器具の開発をしたいと思っていたのよ。何かいいアイデアはないかしら?」
「ご、拷問器具の開発ですか?!」
な、なんて相談をしてくるんだ、この方は!
「ええ。私の生家シュナイダー伯爵家では、貴族の乱れた風紀を正す役目を仰せつかっているの。だからそれにそぐわない行為を行う貴族には、少しばかり痛い目に遭ってもらって、正しい道へ進めるよう調教をして更生させているのよ。痛みを味わえば、二度と悪さなんてしたくなくなるでしょ?」
「そ、そうですね」
貴族限定でよかった。俺にあの器具が使われることがないと、安心できたから。
「えっと、申し訳ありません。俺には調教をした経験がないのでイメージを掴みにくくて……」
「だったら、試してみる?」
や、やめてくれー!
考えろ、俺! どうすればこの場を穏便に離脱できるのか、想像するんた!
シリウスは煩悩の塊のような奴だ。誰にだってそのような欲望はあるだろうけど、それが多分人一倍強いんだろう……そうか、それならその興奮する対象に苦痛を抱くようになればその煩悩も消えるんじゃないか?
「……い、いえ、思いつきました! シリウス様の強い煩悩を消し去るには、その興奮する対象に対して興味を失くさせればよいのではないかと思います」
「そうね。ではどうやって、その強すぎる欲を消し去るつもりなの?」
「強制的に飽きさせる、そして別のものに興味を抱かせるのが良いと思います」
俺は創造魔法で、女性の形をした人形とゴーレムを作り出した。
「例えばシリウス様が、この人形の女性的な部分に触れたとします。そこで手がくっつき、飽きるまでその部分を揉まないと解放されない仕掛けを作るのなんていかがでしょうか? 最初は喜んで揉んでいたものが、次第に苦行に変わっていき触るのさえ嫌になるでしょう。その苦行を、このゴーレムに助けさせるのです。そうすれば耐え難い苦行から救ってくれたゴーレムに、シリウス様の興味は移るのではないでしょうか?」
恐る恐るユリア様の反応を窺うと、何故かとてもキラキラとした眼差しを向けられた。あ、やばい。直感的にそう感じた時にはすでに遅し──
「これは驚いたわ。ルーカス、貴方には拷問吏としての才能があるようね。どうかしら、ここを卒業したらシュナイダー伯爵家で働かないかしら? 柔軟な発想力に優れた創造魔法、とても気に入ったわ。厚待遇を約束するから是非いらっしゃい」
とんでもない提案をされてしまった。
拷問吏なんて、なりたくねぇよ!
「い、いえ……申し訳ありませんが、俺には大切な夢がありますので……」
「そう……残念だわ。気が変わったらいつでも声をかけてちょうだいね。私はいつでも大歓迎よ」
「お、恐れ入ります」
ふぅ、やっと解放された。なんかどっと疲れたぜ。
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