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第二章 目指せ、一人前の吸血鬼!
18、奇跡の力
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夢を見ていた。
それはまだ、私が人間だった頃の夢。
昼から雨が降るから今日は止めておきなさいと言われていたにも関わらず、早めに行って帰ってくれば大丈夫だと、私は採取用の篭を背負って裏山に飛び出した。
木苺を摘むまではよかったけど、案の定帰る途中で雨が振り出して濡れながら帰った。
その日の晩、体調を崩した私は高熱に苛まれ、お姉ちゃんが一晩中、付き添って看病をしてくれた。
熱にうなされ頭がボーッとして身体が重だるい中、お姉ちゃんが額に乗せてくれる濡れタオルがとても気持ちよかったこと。
食欲がない私でも栄養がしっかりとれるようにと、特製ミックスジュースを作ってくれたこと。正直あまり美味しくはなかったけど、「良薬は口に苦いのよ」と言われ、鼻を摘まんでイッキ飲みしたこと。
その後に、よく頑張ったねと頭を撫でてくれるその手が、とても優しかったこと。
夢の中のお姉ちゃんはいつも、とても優しかった。ずっと傍に居られると思っていた。けれど――
「私達、結婚することにしたの」
あの日、フレディお兄ちゃんと共に並ぶお姉ちゃんを見て、その言葉を聞いて、酷い嫉妬を覚えた。あの時は羨ましくて仕方なかった。けれど抱いた感情は、それだけではなかったはずだ。
母の帰りが遅くて寂しい時、ずっと一緒に居てくれたお姉ちゃんが、大好きだったお姉ちゃんが遠くに行ってしまう、自分からお姉ちゃんを奪っていくフレディお兄ちゃんに対しても、少なからず嫉妬の気持ちを抱いていた。
ああ、そっか。そうなんだ。私はただ、寂しかったんだ……
大好きな二人が急に遠くへいってしまう気がして、おいてけぼりになったのが寂しかったんだと、今になって分かった。
吸血鬼としての知識やマナー、歴史などを学んで約八ヶ月。新しい生活に慣れてきたからこそ、私はその思いに気付けたのだろう。
「アリシア。お願いだ、どうか目を覚ましてくれ」
「姫様が居ないと、メルムは寂しくて仕方ないのです……っ!」
今の私にはこうして、親身になって支えてくれる人達が居る。独りじゃないという心の安寧が、私を大きく前へと突き動かした。
机の下でつねって赤くなった自身の手をゆっくりと撫でた後、二人に真正面から向き合って笑顔で口を開く。
「お姉ちゃん、フレディお兄ちゃん、結婚おめでとう!」
二人の幸せを、誰よりも一番願っていますと心に込めて。
◇
「んっ……ここは……」
目を開けると見慣れない天井が視界に入る。身体を起こすとベッドが軋み、スプリング音が室内に響いた。
「姫様! よかった、お目覚めになられて本当によかったです……っ!」
控えの椅子から勢いよく立ち上がったメルムがそう言って、感極まったように泣いている。そんな彼女の目は赤く、その下にはうっすらとくまが見えた。
「おはよう、メルム。心配かけてごめんね。もしかして、ずっと付いていてくれたの?」
「当たり前じゃないですか! 無茶しすぎです、本当に……っ!」
「ごめんね。でも、ありがとう」
自分の事を心配してくれる人が居る事が、とても嬉しかった。「姫様……っ!」と泣いてすがり付いてくるメルムをなだめていると、奥の部屋から何かが落っこちるような派手な音がした。
ドタンバタンと何かがぶつかるような音がして、扉が勢いよく開く。
「アリシア、大丈夫か?!」
フォルネウス様は私を見るなり、慌てて駆け寄ってこられた。
「はい、私は大丈夫ですよ。ご心配おかけしました」
「無事でよかった! 腹が減ったであろう?」
フォルネウス様はジャケットを脱ぐと、何故か襟元のタイを緩め始めました。
「さぁ、遠慮なく食べてくれ」
両手を広げこちらに近づいてくるフォルネウス様を見て、私は恥ずかしくて視線をさまよわせた後に、慌てて外した。
私の心情を汲み取ってくれたらしいメルムは、主であるフォルネウス様を見て軽くため息をつくと、にっこりと笑顔を向けて口を開く。
「若様、デリカシーなさすぎです。上着を全て脱ぐ必要はないでしょう」
きっとフォルネウス様は、私が食事をしやすいように邪魔な洋服を取り払って下ったのだろう。そんな優しさの結果、惜しげもなくそのよく鍛えられた上半身がさらけ出されていた。
「あ、……いや、これは、すまない!」
指摘されて初めてフォルネウス様は己の失態に気付かれたようで、慌ててシャツを羽織って下さった。
「若様、くれぐれも姫様に無理はさせないでくださいませね。それでは、邪魔者は失礼致します」
そう言い残して、メルムは部屋を出ていってしまった。残された私とフォルネウス様の間にはしばらく、何とも言いがたい絶妙な空気が漂っていた。
食事が終わって、フォルネウス様は私を部屋まで送り届けてくださった。生活に不便はないか、欲しいものはないかと、色々気にかけてもらえてありがたかったけど、胸の奥につかえた不安が気になって仕方なかった私は、帰り際に意を決して尋ねてみた。
「あの、フォルネウス様。シオン様は……」
本当は、聞くのが怖かった。けれど、治療が効いていなかったら申し訳ない。がっかりさせてしまっただろうなと、不安で押し潰されそうだった。
「シオンの怪我は綺麗に治った。昨日から訓練にも復帰している。本当に奇跡のようだと、皆がアリシアを誉めていたよ」
「治せたんですね……本当によかった!」
思わずほっと胸を撫で下ろす。
「部下を救ってくれて本当に感謝する。だが、アリシア。君の身に何かあってからでは遅い。お願いだから、あまり無理をしてくれるな……」
長い睫毛の奥で、フォルネウス様のアメジストを思わせる美しい紫色の瞳は、潤んだように光沢を持っていた。
その瞳から今にも雫がこぼれ落ちそうな気がして、私は無意識のうちに手を伸ばしていた。その手はフォルネウス様の顔に触れて、指先は優しく頬を撫でていた。
「ご心配をおかけして、本当にすみませんでした。でもご安心下さい。私はここに居ます。フォルネウス様のおかげで、私はちゃんと生きてます。いつも気にかけて下さって、本当にありがとうございます」
それは昔、まだ幼い頃、寂しくて泣いていた私の不安を和らげるために、お姉ちゃんがよくしてくれた行為だった。
『アリシア、貴方が居てくれたから私は今、こうしてここに居られるの。生きていられるの。傍に居てくれて、ありがとう』
独りじゃない。自分には、こうやって優しく支えてくれる姉が出来た。こうしてもらえるとそれを実感できて、私の涙はすぐに止んだし、不安も吹き飛んだ。
だからこそ、私にとっては本当に無意識だったのだ。今にも泣き出しそうな顔をしたフォルネウス様の不安を拭ってあげたくて、手を伸ばしてしまったのは。
だけど少しだけ冷静になって、思わず我に返る。自分は今、何て不敬な事をしてしまっているのだと。
「す、すみません! 私ったら……っ!」
慌てて引っ込めようとした手は、上から被せるように重ねられたフォルネウス様の手によって遮られる。
「そうだな。こうして君の温もりを感じられるのが、本当に奇跡のようだ」
フォルネウス様はそう言って、瞳を閉じた。手の温もりを、忘れないよう刻み付けるかのように。
食事のおかげで、腰や肩を抱かれたりなど、多少の触れ合いには慣れてきていたけど、こうしてまるで恋人のように手を握られる事は今までなかった。
自分から蒔いた種であるのに、無性に恥ずかしくなって、私の顔は今、きっと林檎のように真っ赤になっているに違いない。
「す、すまない! その、痛くはなかったか?!」
「はい、だ、大丈夫です!」
「そうか、それならよかった。で、では、失礼する!」
「はい、ありがとうございました!」
フォルネウス様が見えなくなってからも、私は中々静まらない心臓の鼓動を抑えるのに必死だった。
それはまだ、私が人間だった頃の夢。
昼から雨が降るから今日は止めておきなさいと言われていたにも関わらず、早めに行って帰ってくれば大丈夫だと、私は採取用の篭を背負って裏山に飛び出した。
木苺を摘むまではよかったけど、案の定帰る途中で雨が振り出して濡れながら帰った。
その日の晩、体調を崩した私は高熱に苛まれ、お姉ちゃんが一晩中、付き添って看病をしてくれた。
熱にうなされ頭がボーッとして身体が重だるい中、お姉ちゃんが額に乗せてくれる濡れタオルがとても気持ちよかったこと。
食欲がない私でも栄養がしっかりとれるようにと、特製ミックスジュースを作ってくれたこと。正直あまり美味しくはなかったけど、「良薬は口に苦いのよ」と言われ、鼻を摘まんでイッキ飲みしたこと。
その後に、よく頑張ったねと頭を撫でてくれるその手が、とても優しかったこと。
夢の中のお姉ちゃんはいつも、とても優しかった。ずっと傍に居られると思っていた。けれど――
「私達、結婚することにしたの」
あの日、フレディお兄ちゃんと共に並ぶお姉ちゃんを見て、その言葉を聞いて、酷い嫉妬を覚えた。あの時は羨ましくて仕方なかった。けれど抱いた感情は、それだけではなかったはずだ。
母の帰りが遅くて寂しい時、ずっと一緒に居てくれたお姉ちゃんが、大好きだったお姉ちゃんが遠くに行ってしまう、自分からお姉ちゃんを奪っていくフレディお兄ちゃんに対しても、少なからず嫉妬の気持ちを抱いていた。
ああ、そっか。そうなんだ。私はただ、寂しかったんだ……
大好きな二人が急に遠くへいってしまう気がして、おいてけぼりになったのが寂しかったんだと、今になって分かった。
吸血鬼としての知識やマナー、歴史などを学んで約八ヶ月。新しい生活に慣れてきたからこそ、私はその思いに気付けたのだろう。
「アリシア。お願いだ、どうか目を覚ましてくれ」
「姫様が居ないと、メルムは寂しくて仕方ないのです……っ!」
今の私にはこうして、親身になって支えてくれる人達が居る。独りじゃないという心の安寧が、私を大きく前へと突き動かした。
机の下でつねって赤くなった自身の手をゆっくりと撫でた後、二人に真正面から向き合って笑顔で口を開く。
「お姉ちゃん、フレディお兄ちゃん、結婚おめでとう!」
二人の幸せを、誰よりも一番願っていますと心に込めて。
◇
「んっ……ここは……」
目を開けると見慣れない天井が視界に入る。身体を起こすとベッドが軋み、スプリング音が室内に響いた。
「姫様! よかった、お目覚めになられて本当によかったです……っ!」
控えの椅子から勢いよく立ち上がったメルムがそう言って、感極まったように泣いている。そんな彼女の目は赤く、その下にはうっすらとくまが見えた。
「おはよう、メルム。心配かけてごめんね。もしかして、ずっと付いていてくれたの?」
「当たり前じゃないですか! 無茶しすぎです、本当に……っ!」
「ごめんね。でも、ありがとう」
自分の事を心配してくれる人が居る事が、とても嬉しかった。「姫様……っ!」と泣いてすがり付いてくるメルムをなだめていると、奥の部屋から何かが落っこちるような派手な音がした。
ドタンバタンと何かがぶつかるような音がして、扉が勢いよく開く。
「アリシア、大丈夫か?!」
フォルネウス様は私を見るなり、慌てて駆け寄ってこられた。
「はい、私は大丈夫ですよ。ご心配おかけしました」
「無事でよかった! 腹が減ったであろう?」
フォルネウス様はジャケットを脱ぐと、何故か襟元のタイを緩め始めました。
「さぁ、遠慮なく食べてくれ」
両手を広げこちらに近づいてくるフォルネウス様を見て、私は恥ずかしくて視線をさまよわせた後に、慌てて外した。
私の心情を汲み取ってくれたらしいメルムは、主であるフォルネウス様を見て軽くため息をつくと、にっこりと笑顔を向けて口を開く。
「若様、デリカシーなさすぎです。上着を全て脱ぐ必要はないでしょう」
きっとフォルネウス様は、私が食事をしやすいように邪魔な洋服を取り払って下ったのだろう。そんな優しさの結果、惜しげもなくそのよく鍛えられた上半身がさらけ出されていた。
「あ、……いや、これは、すまない!」
指摘されて初めてフォルネウス様は己の失態に気付かれたようで、慌ててシャツを羽織って下さった。
「若様、くれぐれも姫様に無理はさせないでくださいませね。それでは、邪魔者は失礼致します」
そう言い残して、メルムは部屋を出ていってしまった。残された私とフォルネウス様の間にはしばらく、何とも言いがたい絶妙な空気が漂っていた。
食事が終わって、フォルネウス様は私を部屋まで送り届けてくださった。生活に不便はないか、欲しいものはないかと、色々気にかけてもらえてありがたかったけど、胸の奥につかえた不安が気になって仕方なかった私は、帰り際に意を決して尋ねてみた。
「あの、フォルネウス様。シオン様は……」
本当は、聞くのが怖かった。けれど、治療が効いていなかったら申し訳ない。がっかりさせてしまっただろうなと、不安で押し潰されそうだった。
「シオンの怪我は綺麗に治った。昨日から訓練にも復帰している。本当に奇跡のようだと、皆がアリシアを誉めていたよ」
「治せたんですね……本当によかった!」
思わずほっと胸を撫で下ろす。
「部下を救ってくれて本当に感謝する。だが、アリシア。君の身に何かあってからでは遅い。お願いだから、あまり無理をしてくれるな……」
長い睫毛の奥で、フォルネウス様のアメジストを思わせる美しい紫色の瞳は、潤んだように光沢を持っていた。
その瞳から今にも雫がこぼれ落ちそうな気がして、私は無意識のうちに手を伸ばしていた。その手はフォルネウス様の顔に触れて、指先は優しく頬を撫でていた。
「ご心配をおかけして、本当にすみませんでした。でもご安心下さい。私はここに居ます。フォルネウス様のおかげで、私はちゃんと生きてます。いつも気にかけて下さって、本当にありがとうございます」
それは昔、まだ幼い頃、寂しくて泣いていた私の不安を和らげるために、お姉ちゃんがよくしてくれた行為だった。
『アリシア、貴方が居てくれたから私は今、こうしてここに居られるの。生きていられるの。傍に居てくれて、ありがとう』
独りじゃない。自分には、こうやって優しく支えてくれる姉が出来た。こうしてもらえるとそれを実感できて、私の涙はすぐに止んだし、不安も吹き飛んだ。
だからこそ、私にとっては本当に無意識だったのだ。今にも泣き出しそうな顔をしたフォルネウス様の不安を拭ってあげたくて、手を伸ばしてしまったのは。
だけど少しだけ冷静になって、思わず我に返る。自分は今、何て不敬な事をしてしまっているのだと。
「す、すみません! 私ったら……っ!」
慌てて引っ込めようとした手は、上から被せるように重ねられたフォルネウス様の手によって遮られる。
「そうだな。こうして君の温もりを感じられるのが、本当に奇跡のようだ」
フォルネウス様はそう言って、瞳を閉じた。手の温もりを、忘れないよう刻み付けるかのように。
食事のおかげで、腰や肩を抱かれたりなど、多少の触れ合いには慣れてきていたけど、こうしてまるで恋人のように手を握られる事は今までなかった。
自分から蒔いた種であるのに、無性に恥ずかしくなって、私の顔は今、きっと林檎のように真っ赤になっているに違いない。
「す、すまない! その、痛くはなかったか?!」
「はい、だ、大丈夫です!」
「そうか、それならよかった。で、では、失礼する!」
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