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第八章 暗黒王子と学園生活
女子力を磨くのは大変です
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私が眠ると、必ずコハクが出てきて二人で幸せな時間を過ごしている夢を見る。
夢の終わりは優しくキスをされて目が覚めて、起きるとシロがニヤリと不敵に笑って私を見ているのだが、今日は違った。
シロはベットの片隅でスースーと寝息を立ててまだ寝ていたのだ。
授業中も昼休みも、彼は本当によく眠っていて、起きている時間より寝ている時間の方が長いんじゃないかと思えてくる。
具合が悪いのか尋ねても、特にそんな様子を見せないし、あまりしつこく聞くと、強制的に口を塞いでシャットアウトされる。
結局シロのペースにのまれてしまい、知りたい情報を得る事が出来ない。
寝ぼけ眼のシロを一旦家に帰らせた後、学校へ行く支度をしているとピコンとラインの通知音がなる。確認すると、シロから「先に学校行ってろ」とメッセージがきていた。
返事をすると、今度は変なスタンプが送られてきて、昨日の今日で早速スマホを活用している姿を想像すると思わず笑みがこぼれた。
それから準備を済ませて私は家を出た。一人で通学路を歩いていると、後ろからこちらへ走ってくる足音が近付いてきて声をかけられた。
「桜~おはよ。あれ、今日はコハッ君一緒やないん?」
「おはようカナちゃん。コハクは少し遅れるって……それより、もう走ったりして大丈夫なの?」
「ああ、もう足は痛みもないし全然楽勝やで」
「そうなんだ、よかった」
「なぁ、桜……」
カナちゃんが何か言いかけた時、「あ、桜! おはよー!」とこちらに気付いた美香が、小走りでこちらに駆け寄ってきた。
「おはよう、美香」
「西園寺君も、おはよう。ご一緒してもいいかしら?」
私とカナちゃんの間に割り込んできた美香は、牽制するようにそう問いかけた。
どうやら美香はカナちゃんを私から遠ざけようとしてくれているらしい。
「おはよ、桃井さん。もちろん、かまへんで」
カナちゃんは何か言いたそうな顔してたけど、すぐにいつもの営業スマイルに切り替えて了承していた。結局そのまま三人で話しながら学校へと向かった。
美香は教室に着くなり、私の机に重たそうな手提げ袋を置いた。中には、本がぎっしり詰まっている。
一般常識、雑学、女性としてのマナー本に、人の心を掴む話術、etc……一度も読んだ事がないそれらのジャンルの本を前に、思わず頬がピクピクと引きつる。
こ、これを全部コンテストまでに読まないといけないのか……
「学校で暇な時間はこれを読んで勉強あるのみ、放課後はうちの病院に連行するから。それと休みの日は実践練習行くから覚悟してね。楓さんにも協力要請したから、家ではメイクや髪のアレンジ、ファッションとかお洒落について学んでね」
覚悟してねとは言っていたが、まさかここまで徹底しているとは思わなかった。
ニッコリと有無を言わせぬ笑顔で話し続け美香の話を要約すると、プリンスコンテストは第四ステージまで勝ち抜いた人が優勝のようだ。
第一ステージは、三分以内で自己紹介と特技を披露。
第二ステージは、用意された衣装の中から時間内に服を選び出してファッションセンスを競うもの。
ここまでは毎年恒例のものだが、第三、第四ステージはシークレットで直前まで何をやるかは分からない。
過去行われた例として、早押し形式で答えるクイズ対決や、同じ曲で規定時間内で創作したダンスの完成度で競うもの、困っている外国人への接し方で英語力や対応力を競うものなど、様々なものが催されてきたらしい。
毎回内容が変わるため、あらゆる方面の能力を磨く必要があるようだ。
「桜は運動は出来るからそこは置いといて、知識、マナー、美的センス、立ち振舞いとか女子力を問われる部分を重点的に磨いていく必要があるわ。同時進行でお肌や髪の手入れとか、美容体操も毎日欠かさずしてもらうからね」
やる気満々の美香にお礼を言った所で、朝のHRの始まりを告げるチャイムが鳴った。
それから休み時間の度に私は美香に借りた雑学の本を読んで過ごした。
普段何気に疑問に思う事の真実が書いてあって、意外と読んでみると面白かった。
二限目が終わった頃、シロが眠たそうに登校してくる。授業中もかろうじて頭は上がっているが、途中でコクリ、コクリと大きく揺れているのが何度も目に入った。
昼休みには私の膝を枕にして眠り出すし、一日のうち何時間を睡眠に当てているのだろうか。
もしかして、妖怪だから夜行性なのだろうか?
彼の行動形態が未だによく分からないため、勝手な憶測でしかないが。
***
放課後、私は美香に連れられて彼女の母が経営する桃井美容形成外科へと連れてこられた。
腕の傷を診てくれたのは美香のお母さんだった。
夏休みの課題を手伝ってもらった時に何度か面識があるが、病院で会うのは初めてだった。
「本当に、美香が迷惑をかけてすまなかったわね。こんなことでお詫びになるかは分からないけど、私達が責任を持ってサポートするわ」
そう言って美香のお母さんは優しく微笑んでくれた。
コンテストまでに傷跡を綺麗に消すことは無理だが、当日はカバーメイクで綺麗に誤魔化せるぐらいに、少しでも薄くする事を目標にして治療にあたることになった。
病院ではレーザー治療を施され、皮膚の組織再生を促す塗り薬やら飲み薬に、肌のターンオーバーを正常に保つドクターズコスメ、美香のお母さん御用達の美容サプリなど頂き、寝る前にやる美容体操まで教えてもらって、病院を後にした。
翌日の放課後、桃井家御用達の美容室に連れていかれ、痛んだ毛先を切ってもらい念入りにトリートメントされた。
そして髪の正しい洗い方と手入れ方を伝授され、帰り際に美容室イチオシのノンシリコンシャンプーやコンディショナー、トリートメントを持たされる。
そんなに高価なものを貰えないと美香に訴えるも、こんな事じゃ全然足りないぐらいよと逆にもっと力になりたいと懇願されて、結局受け取ってしまった。
「絶対に桜を優勝させるからね!」
と、躍起になっている美香の手厚いサポートのおかげで、一週間が経った今、前より肌はモチモチ、髪は艶々、傷跡も少しずつ目立たなくなってきた。
その間、学校では美香に借りた本で勉強に勤しみ、夜は姉にメイクの基礎や髪のアレンジ方法を習い、風呂上がりには念入りな肌と髪の手入れをし、寝る前には美容体操、コハクへの一日の報告と普段やらない事をしてヘロヘロになっていた。
休日には美香と姉にショッピングモールへ連れ出され、ファッションの勉強に駆り出される。今までサボってきた女子力磨きをググッと詰め込まれ、頭は正直、オーバーヒート寸前だった。
***
シロは相変わらず夜にやってきては、私のベットの片隅で睡眠をとる。
変わったのは、来る前にラインでお知らせが来るようになったぐらいだ。
カナちゃんとはタイミングが合わず、何度も「何があったんや」と聞かれる度に、誰かしらの邪魔が入り未だにコハクの事をきちんと説明出来ずにいた。
シロとカナちゃんは仲が折り合わないようで、最初のコハクとカナちゃん以上にお互いを敵視しているようだった。
三日前の朝、ツカツカと三歩前を歩いていくシロの後を置いていかれないように小走りで付いていってると、突然後ろから手首を掴まれた事があった。
「あんな思いやりの欠片もない奴の後、必死に追いかけんでもええんとちゃうか?」
振り返ると、カナちゃんが少し怒ったような顔でシロの背中を見ていた。
異変に気付いたシロは遥か前方を歩いていた所から、ツカツカと早足でこちらへ戻ってきて
「汚い手で俺の女に触ってんじゃねぇよ」
そう言って、カナちゃんの手を無理矢理引き剥がして私の腕を乱暴に引っ張って抱き寄せた。
「そないに乱暴したら桜が可哀想や。もっと大事に出来へんのんか?」
「お前に指図される謂れはねぇよ。行くぞ、桜。全く、気安く触られてんじゃねぇよ」
「あ、うん、ごめん……。カナちゃん、心配してくれたのにごめんね」
シロが暴走したら困るので、必然的に近くから離れられず、キツい態度でシロがカナちゃんに当たる度に、私は謝り続けてばかりだった。
電話ででも事情を説明すれば良かったのだろうが、忙しい毎日を送っていた私はそこまで、頭が回らなかった。
そのせいで、この事が後にとんでもない事態を引き起こす事になろうとは、その時の私は知るよしもなかった。
夢の終わりは優しくキスをされて目が覚めて、起きるとシロがニヤリと不敵に笑って私を見ているのだが、今日は違った。
シロはベットの片隅でスースーと寝息を立ててまだ寝ていたのだ。
授業中も昼休みも、彼は本当によく眠っていて、起きている時間より寝ている時間の方が長いんじゃないかと思えてくる。
具合が悪いのか尋ねても、特にそんな様子を見せないし、あまりしつこく聞くと、強制的に口を塞いでシャットアウトされる。
結局シロのペースにのまれてしまい、知りたい情報を得る事が出来ない。
寝ぼけ眼のシロを一旦家に帰らせた後、学校へ行く支度をしているとピコンとラインの通知音がなる。確認すると、シロから「先に学校行ってろ」とメッセージがきていた。
返事をすると、今度は変なスタンプが送られてきて、昨日の今日で早速スマホを活用している姿を想像すると思わず笑みがこぼれた。
それから準備を済ませて私は家を出た。一人で通学路を歩いていると、後ろからこちらへ走ってくる足音が近付いてきて声をかけられた。
「桜~おはよ。あれ、今日はコハッ君一緒やないん?」
「おはようカナちゃん。コハクは少し遅れるって……それより、もう走ったりして大丈夫なの?」
「ああ、もう足は痛みもないし全然楽勝やで」
「そうなんだ、よかった」
「なぁ、桜……」
カナちゃんが何か言いかけた時、「あ、桜! おはよー!」とこちらに気付いた美香が、小走りでこちらに駆け寄ってきた。
「おはよう、美香」
「西園寺君も、おはよう。ご一緒してもいいかしら?」
私とカナちゃんの間に割り込んできた美香は、牽制するようにそう問いかけた。
どうやら美香はカナちゃんを私から遠ざけようとしてくれているらしい。
「おはよ、桃井さん。もちろん、かまへんで」
カナちゃんは何か言いたそうな顔してたけど、すぐにいつもの営業スマイルに切り替えて了承していた。結局そのまま三人で話しながら学校へと向かった。
美香は教室に着くなり、私の机に重たそうな手提げ袋を置いた。中には、本がぎっしり詰まっている。
一般常識、雑学、女性としてのマナー本に、人の心を掴む話術、etc……一度も読んだ事がないそれらのジャンルの本を前に、思わず頬がピクピクと引きつる。
こ、これを全部コンテストまでに読まないといけないのか……
「学校で暇な時間はこれを読んで勉強あるのみ、放課後はうちの病院に連行するから。それと休みの日は実践練習行くから覚悟してね。楓さんにも協力要請したから、家ではメイクや髪のアレンジ、ファッションとかお洒落について学んでね」
覚悟してねとは言っていたが、まさかここまで徹底しているとは思わなかった。
ニッコリと有無を言わせぬ笑顔で話し続け美香の話を要約すると、プリンスコンテストは第四ステージまで勝ち抜いた人が優勝のようだ。
第一ステージは、三分以内で自己紹介と特技を披露。
第二ステージは、用意された衣装の中から時間内に服を選び出してファッションセンスを競うもの。
ここまでは毎年恒例のものだが、第三、第四ステージはシークレットで直前まで何をやるかは分からない。
過去行われた例として、早押し形式で答えるクイズ対決や、同じ曲で規定時間内で創作したダンスの完成度で競うもの、困っている外国人への接し方で英語力や対応力を競うものなど、様々なものが催されてきたらしい。
毎回内容が変わるため、あらゆる方面の能力を磨く必要があるようだ。
「桜は運動は出来るからそこは置いといて、知識、マナー、美的センス、立ち振舞いとか女子力を問われる部分を重点的に磨いていく必要があるわ。同時進行でお肌や髪の手入れとか、美容体操も毎日欠かさずしてもらうからね」
やる気満々の美香にお礼を言った所で、朝のHRの始まりを告げるチャイムが鳴った。
それから休み時間の度に私は美香に借りた雑学の本を読んで過ごした。
普段何気に疑問に思う事の真実が書いてあって、意外と読んでみると面白かった。
二限目が終わった頃、シロが眠たそうに登校してくる。授業中もかろうじて頭は上がっているが、途中でコクリ、コクリと大きく揺れているのが何度も目に入った。
昼休みには私の膝を枕にして眠り出すし、一日のうち何時間を睡眠に当てているのだろうか。
もしかして、妖怪だから夜行性なのだろうか?
彼の行動形態が未だによく分からないため、勝手な憶測でしかないが。
***
放課後、私は美香に連れられて彼女の母が経営する桃井美容形成外科へと連れてこられた。
腕の傷を診てくれたのは美香のお母さんだった。
夏休みの課題を手伝ってもらった時に何度か面識があるが、病院で会うのは初めてだった。
「本当に、美香が迷惑をかけてすまなかったわね。こんなことでお詫びになるかは分からないけど、私達が責任を持ってサポートするわ」
そう言って美香のお母さんは優しく微笑んでくれた。
コンテストまでに傷跡を綺麗に消すことは無理だが、当日はカバーメイクで綺麗に誤魔化せるぐらいに、少しでも薄くする事を目標にして治療にあたることになった。
病院ではレーザー治療を施され、皮膚の組織再生を促す塗り薬やら飲み薬に、肌のターンオーバーを正常に保つドクターズコスメ、美香のお母さん御用達の美容サプリなど頂き、寝る前にやる美容体操まで教えてもらって、病院を後にした。
翌日の放課後、桃井家御用達の美容室に連れていかれ、痛んだ毛先を切ってもらい念入りにトリートメントされた。
そして髪の正しい洗い方と手入れ方を伝授され、帰り際に美容室イチオシのノンシリコンシャンプーやコンディショナー、トリートメントを持たされる。
そんなに高価なものを貰えないと美香に訴えるも、こんな事じゃ全然足りないぐらいよと逆にもっと力になりたいと懇願されて、結局受け取ってしまった。
「絶対に桜を優勝させるからね!」
と、躍起になっている美香の手厚いサポートのおかげで、一週間が経った今、前より肌はモチモチ、髪は艶々、傷跡も少しずつ目立たなくなってきた。
その間、学校では美香に借りた本で勉強に勤しみ、夜は姉にメイクの基礎や髪のアレンジ方法を習い、風呂上がりには念入りな肌と髪の手入れをし、寝る前には美容体操、コハクへの一日の報告と普段やらない事をしてヘロヘロになっていた。
休日には美香と姉にショッピングモールへ連れ出され、ファッションの勉強に駆り出される。今までサボってきた女子力磨きをググッと詰め込まれ、頭は正直、オーバーヒート寸前だった。
***
シロは相変わらず夜にやってきては、私のベットの片隅で睡眠をとる。
変わったのは、来る前にラインでお知らせが来るようになったぐらいだ。
カナちゃんとはタイミングが合わず、何度も「何があったんや」と聞かれる度に、誰かしらの邪魔が入り未だにコハクの事をきちんと説明出来ずにいた。
シロとカナちゃんは仲が折り合わないようで、最初のコハクとカナちゃん以上にお互いを敵視しているようだった。
三日前の朝、ツカツカと三歩前を歩いていくシロの後を置いていかれないように小走りで付いていってると、突然後ろから手首を掴まれた事があった。
「あんな思いやりの欠片もない奴の後、必死に追いかけんでもええんとちゃうか?」
振り返ると、カナちゃんが少し怒ったような顔でシロの背中を見ていた。
異変に気付いたシロは遥か前方を歩いていた所から、ツカツカと早足でこちらへ戻ってきて
「汚い手で俺の女に触ってんじゃねぇよ」
そう言って、カナちゃんの手を無理矢理引き剥がして私の腕を乱暴に引っ張って抱き寄せた。
「そないに乱暴したら桜が可哀想や。もっと大事に出来へんのんか?」
「お前に指図される謂れはねぇよ。行くぞ、桜。全く、気安く触られてんじゃねぇよ」
「あ、うん、ごめん……。カナちゃん、心配してくれたのにごめんね」
シロが暴走したら困るので、必然的に近くから離れられず、キツい態度でシロがカナちゃんに当たる度に、私は謝り続けてばかりだった。
電話ででも事情を説明すれば良かったのだろうが、忙しい毎日を送っていた私はそこまで、頭が回らなかった。
そのせいで、この事が後にとんでもない事態を引き起こす事になろうとは、その時の私は知るよしもなかった。
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