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第八章 暗黒王子と学園生活
もっと、教えてよ。貴方のことを
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昼休み、シロを起こして屋上に来ると、まだ眠いのかボーッとしている。
ご飯にも手をつけようとしない彼を心配し尋ねるが、「……ねみぃ」としか返答がこない。
「きちんと食べないと身体壊すよ」
「ん……じゃあ……それ、ちょうだい」
シロの視線は私のお弁当の玉子焼きを指している。どうぞとお弁当箱を差し出しすと、彼は指でそれをつまんだ後、何故か私の口に放り込んだ。
急に押し込まれて反論も出来ず仕方なく咀嚼すると、シロはニィと口角を上げて不敵に笑った。
やばい、何か企んでる……
身構える間もなく、シロは私の顎を持ち上げると、唇を重ねて口内の玉子焼きの欠片を舌で奪った。
モグモグと咀嚼して飲み込んだ彼は、妖艶な笑みを浮かべて一言。
「お前の唇って、いつも甘いな」
あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にして、口をパクパクしたまま固まった私に、
「喉乾いたろ?」
そう尋ねながらシロは、ペットボトルのお茶を口に含むと、肩を抱いてまた唇を重ねてきた。
口内に無理矢理お茶を流し込まれ、つーっと喉元を細い指で撫でられる。私がゴクンとお茶飲み込んだのを確認すると、彼は軽く舌を絡めてそっと離れた。
「混ざるとまじぃな」
眉をひそめてシロはぼそっと呟いた。
突然の事とはいえコハクの姿でそんな事されて抵抗すら出来なかった自分が悔しくて、半八つ当たりでシロを睨みつける。
「な、何でいきなりそういう事するの……ッ?!」
「そこに美味しそうなお前の唇があるから」
「そういう事じゃなくて!」
「言っておくが、そんな顔で睨んでも誘ってるようにしか見えないぞ」
悪びれた様子もなく、クククと喉の奥を鳴らして笑うシロに、私は身体ごと反対向いた。
そのまま何も話さず、黙々と残りのお弁当を平らげた。
やけに静かな後ろが気になりそっと振り向くと、シロは壁にもたれ掛かってまた寝ていた。
本当によく寝るなと、しばらくその美しい寝顔を眺めていると、病院でコハクが意識を取り戻していない時の事を思い出して胸が苦しくなった。
あの時より血色もよく、寝ているだけだと分かっていても、このまま目を覚まさなかったらどうしようと不安が募っていく。
そっとシロの胸元に耳をあてると、トクントクンとゆっくり脈打つ心臓の音に少しだけ不安が和らいだ。
その時、優しく背中に手を回されシロが起きたのかと思って上を見るが、瞼は閉じられ規則正しい寝息を立てている様子を見る限りそうではないようだ。
『コハク……』
もう少しだけ彼の温もりを感じていたくて、私はそのまま身体を預けていた。
目を閉じて彼の心音を聞いていると安心して心地良く感じ、いつの間にか睡魔に襲われそのまま眠ってしまった。
「おはよう、桜」
目覚めると、ふわっと花が舞ったような笑顔を浮かべたコハクが視界に映る。
目を覚ましてくれたと喜んだのも束の間、
「今、5限目の終わりを告げるチャイムが鳴ったぜ」と、途端にニヤリと不敵な笑みを浮かべたシロを見て騙された事に気付いた。
慌てて離れようとするとシロが腕の力を強めて動けなくなり、仕方なく力を抜くと、彼は私の頭を撫で始めた。
驚いたことに、その手つきが壊れ物を扱うように優しいことに気付く。ガサツで乱暴なイメージのシロだけど、抵抗しなければ意外と優しいのかもしれない。
「……シロ、いつから起きてたの?」
「昼休みが終わる前ぐらい」
「何で起こしてくれなかったの?」
「寝てる時は、お前……俺の腕の中でも幸せそうに笑うから。たまにはそんな顔見るのも悪くない」
その時、少しだけ目を細めてシロが優しく微笑んだのを見て、初めて彼の自然な笑顔を見れた気がした。
目を丸くした私をシロは怪訝そうに見てきたので、「シロの皮肉っぽくない自然な笑顔、初めて見た」と言って笑うと、彼は頬を赤くしてスッと顔を横に向けた。
意外と照れ屋な所はコハクと似ているかもしれない。
その仕草が可愛く思えて、私がクスクス笑っていたら、「あまり調子に乗ると、どうなるか分かってるよな?」と物凄くダークな笑顔を浮かべたシロと目があって、ヤバイと感じた時にはもう遅かった。
シロは背筋をブラウス越しに下からすーっと細い指でなぞった後、ある位置で止めて器用にそこにあるホックを外した。
「あ……ッ」
強い締め付けを失った部分がブラウスを圧迫する様子を、シロは満足そうに眺めている。
「今のお前、相当エロいな。胸でかいくせに、わざと隠してるからそうなんだよ」
そう言って艶のある眼差しをこちらに向けて、ブラウスのボタンに手をかけてきた。
「圧迫されて可哀想だろ。楽にしてやるよ」
慌てて阻止するものの、彼は左手で私の両手を掴んで、空いた右手でなんなく第三ボタンまで開けた。
露になった胸元に顔を埋めたシロは、鎖骨に軽くキスを落とすと優しくなぞるようにスーっと舌を這わせていく。
「もう、お願いだから止めて!」
抵抗しても拘束された両手を動かす事も出来ずに、必死に懇願するもシロの動きは止まらず、所々に赤い痕を残していく。
先程の事を思い出し、 彼に抵抗すればする程行為がエスカレートすると気付いた私はそっと身体の力を抜いた。
案の定、シロは驚いたように顔をあげてこちらを見ている。
強く拒絶して彼を暴走させたくない、どう言えば傷付けずにうまくかわして中断させれるか……考えても分からない私は、正直な気持ちを伝えることにした。
「正直怖い、けど……シロがしたいなら、貴方もコハクの一部だから、出来るだけ受け入れたいって思ってる。でも、私はこういう事する前に……もっと貴方の事を知りたいよ」
「桜……」
「さっき、貴方の笑顔が見れて私は嬉しかった。照れてる顔見て可愛いなって思った。もっとシロのそんな自然な顔見せてよ。そうしたら……怖がらずに、受け入れられると思うから」
私の言葉にシロはクククと喉の奥で笑うと、両手を解放してくれた。
そして、シャツの裾からそっと両手を背中に回すとホックを元に戻す。
ブラウスのボタンを上までかけると立ち上がって「教室、戻るぞ」と、嬉しそうに笑って手を差し出してきた。
やはり、悪い人じゃない。話せばきちんと分かってくれるんだ。
その手を掴んだ時、少しだけシロと仲良くなれた気がして、素直に嬉しいと思えた。
ご飯にも手をつけようとしない彼を心配し尋ねるが、「……ねみぃ」としか返答がこない。
「きちんと食べないと身体壊すよ」
「ん……じゃあ……それ、ちょうだい」
シロの視線は私のお弁当の玉子焼きを指している。どうぞとお弁当箱を差し出しすと、彼は指でそれをつまんだ後、何故か私の口に放り込んだ。
急に押し込まれて反論も出来ず仕方なく咀嚼すると、シロはニィと口角を上げて不敵に笑った。
やばい、何か企んでる……
身構える間もなく、シロは私の顎を持ち上げると、唇を重ねて口内の玉子焼きの欠片を舌で奪った。
モグモグと咀嚼して飲み込んだ彼は、妖艶な笑みを浮かべて一言。
「お前の唇って、いつも甘いな」
あまりの恥ずかしさに顔を真っ赤にして、口をパクパクしたまま固まった私に、
「喉乾いたろ?」
そう尋ねながらシロは、ペットボトルのお茶を口に含むと、肩を抱いてまた唇を重ねてきた。
口内に無理矢理お茶を流し込まれ、つーっと喉元を細い指で撫でられる。私がゴクンとお茶飲み込んだのを確認すると、彼は軽く舌を絡めてそっと離れた。
「混ざるとまじぃな」
眉をひそめてシロはぼそっと呟いた。
突然の事とはいえコハクの姿でそんな事されて抵抗すら出来なかった自分が悔しくて、半八つ当たりでシロを睨みつける。
「な、何でいきなりそういう事するの……ッ?!」
「そこに美味しそうなお前の唇があるから」
「そういう事じゃなくて!」
「言っておくが、そんな顔で睨んでも誘ってるようにしか見えないぞ」
悪びれた様子もなく、クククと喉の奥を鳴らして笑うシロに、私は身体ごと反対向いた。
そのまま何も話さず、黙々と残りのお弁当を平らげた。
やけに静かな後ろが気になりそっと振り向くと、シロは壁にもたれ掛かってまた寝ていた。
本当によく寝るなと、しばらくその美しい寝顔を眺めていると、病院でコハクが意識を取り戻していない時の事を思い出して胸が苦しくなった。
あの時より血色もよく、寝ているだけだと分かっていても、このまま目を覚まさなかったらどうしようと不安が募っていく。
そっとシロの胸元に耳をあてると、トクントクンとゆっくり脈打つ心臓の音に少しだけ不安が和らいだ。
その時、優しく背中に手を回されシロが起きたのかと思って上を見るが、瞼は閉じられ規則正しい寝息を立てている様子を見る限りそうではないようだ。
『コハク……』
もう少しだけ彼の温もりを感じていたくて、私はそのまま身体を預けていた。
目を閉じて彼の心音を聞いていると安心して心地良く感じ、いつの間にか睡魔に襲われそのまま眠ってしまった。
「おはよう、桜」
目覚めると、ふわっと花が舞ったような笑顔を浮かべたコハクが視界に映る。
目を覚ましてくれたと喜んだのも束の間、
「今、5限目の終わりを告げるチャイムが鳴ったぜ」と、途端にニヤリと不敵な笑みを浮かべたシロを見て騙された事に気付いた。
慌てて離れようとするとシロが腕の力を強めて動けなくなり、仕方なく力を抜くと、彼は私の頭を撫で始めた。
驚いたことに、その手つきが壊れ物を扱うように優しいことに気付く。ガサツで乱暴なイメージのシロだけど、抵抗しなければ意外と優しいのかもしれない。
「……シロ、いつから起きてたの?」
「昼休みが終わる前ぐらい」
「何で起こしてくれなかったの?」
「寝てる時は、お前……俺の腕の中でも幸せそうに笑うから。たまにはそんな顔見るのも悪くない」
その時、少しだけ目を細めてシロが優しく微笑んだのを見て、初めて彼の自然な笑顔を見れた気がした。
目を丸くした私をシロは怪訝そうに見てきたので、「シロの皮肉っぽくない自然な笑顔、初めて見た」と言って笑うと、彼は頬を赤くしてスッと顔を横に向けた。
意外と照れ屋な所はコハクと似ているかもしれない。
その仕草が可愛く思えて、私がクスクス笑っていたら、「あまり調子に乗ると、どうなるか分かってるよな?」と物凄くダークな笑顔を浮かべたシロと目があって、ヤバイと感じた時にはもう遅かった。
シロは背筋をブラウス越しに下からすーっと細い指でなぞった後、ある位置で止めて器用にそこにあるホックを外した。
「あ……ッ」
強い締め付けを失った部分がブラウスを圧迫する様子を、シロは満足そうに眺めている。
「今のお前、相当エロいな。胸でかいくせに、わざと隠してるからそうなんだよ」
そう言って艶のある眼差しをこちらに向けて、ブラウスのボタンに手をかけてきた。
「圧迫されて可哀想だろ。楽にしてやるよ」
慌てて阻止するものの、彼は左手で私の両手を掴んで、空いた右手でなんなく第三ボタンまで開けた。
露になった胸元に顔を埋めたシロは、鎖骨に軽くキスを落とすと優しくなぞるようにスーっと舌を這わせていく。
「もう、お願いだから止めて!」
抵抗しても拘束された両手を動かす事も出来ずに、必死に懇願するもシロの動きは止まらず、所々に赤い痕を残していく。
先程の事を思い出し、 彼に抵抗すればする程行為がエスカレートすると気付いた私はそっと身体の力を抜いた。
案の定、シロは驚いたように顔をあげてこちらを見ている。
強く拒絶して彼を暴走させたくない、どう言えば傷付けずにうまくかわして中断させれるか……考えても分からない私は、正直な気持ちを伝えることにした。
「正直怖い、けど……シロがしたいなら、貴方もコハクの一部だから、出来るだけ受け入れたいって思ってる。でも、私はこういう事する前に……もっと貴方の事を知りたいよ」
「桜……」
「さっき、貴方の笑顔が見れて私は嬉しかった。照れてる顔見て可愛いなって思った。もっとシロのそんな自然な顔見せてよ。そうしたら……怖がらずに、受け入れられると思うから」
私の言葉にシロはクククと喉の奥で笑うと、両手を解放してくれた。
そして、シャツの裾からそっと両手を背中に回すとホックを元に戻す。
ブラウスのボタンを上までかけると立ち上がって「教室、戻るぞ」と、嬉しそうに笑って手を差し出してきた。
やはり、悪い人じゃない。話せばきちんと分かってくれるんだ。
その手を掴んだ時、少しだけシロと仲良くなれた気がして、素直に嬉しいと思えた。
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