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いやらし天狗 ~穂波編~
ちいさな怪物
しおりを挟むうっとりした喜びに浸され、長い時間意識を失っていた。はだけられた胸元を触られ、穂波はピクリと身じろぐ。
浴衣は乱れ、足をひろげた姿で半裸をさらしている。黒天狗に触れられた部分は情炎がくすぶり、体内へのこる余韻で吐息をもらす。
横むきに寝がえりをうった時、乳首の先を濡れた舌がなめた。
「あっ! 」
ビクッと身体を震わせた穂波は暗闇の周囲をうかがう。恍惚としていたせいで気づかなかった。黒天狗とはちがう気配、それも複数いた。
不気味な笑いとしゃがれた声がだんだん大きくなる。
「んま~い蜜じゃあ。たんまりあるぞぉ」
「ほほほ、尖った胸先からも出ておるわい」
ふたたび乳首の先をペロリと舐められる感触がして、穂波はあわてて上半身を起こした。信じられないことに小さな生き物に囲まれていた。おしなべて天狗のように顔は赤く、子供くらいの身長で頭は大きい。しかし顔は成熟した男性や老人を彷彿とさせる。
天狗のお面にも見える顔は、一様に笑みを浮かべて取り巻いていた。
「ばっ、ばけものっ! 」
叫んで立ち上がろうとしたら、足やうでに抱きつかれて引き倒された。小さいのに穂波の力でも跳ねのけられず、仰向けに押さえられる。
「やめろっ、なにをする気だっ!? 」
「ほほほ、おぬしはマエ様に選ばれたニエよ」
「そんでニエはワシらへ捧げられるんじゃあ」
猫なで声で大きな顔が近づき、天狗に似た長い鼻でぐりぐりと穂波をつつく。快楽の余韻がのこる身体を刺激され、声を上げたら小さな天狗たちは口の端をあげた。
「いやらしい身体じゃ! あちこちビンビンに起っておるのう」
「なっ、やめっ――くうぅっ! 」
天狗の口が胸の尖りを吸いこんだ。すかさずもう片方の乳首にも飛びかかられ、両側から引っぱり合って吸われる。
ツンとした気持ちよさが乳首の先端へ集まり、穂波が上半身を捩ると代わるがわる突起をなぶられた。チロチロ舌先で舐められ、蜜があふれると吸引される。唇をしめていても嬌声は鼻からぬけた。
「あうっ、んぁっ……ふぅ」
「ほほほ、男茎からも溢れておるぞ」
膝をひらかれ露わになった下半身へ天狗が群がり、穂波のペニスを奪いあう。
気持ちよくなってきて、蜜の量が増えて泉のように湧いた。全身をふるわせながらイヤイヤと捩れば、小さな天狗たちはますます興奮して奇怪な笑い声をあげる。
尻の中へ異物が侵入した。
「うああっ」
先が筆のように軟らかい異物が内側を撫でまわす。尻の谷間へ顔を埋めた天狗が懸命に鼻をうごかし、穂波はたまらず呻いた。
「ひひっ、たんまりマエ様に可愛がられたようじゃな。あったかくて、やわらかいのぉ~」
「ワシも、ワシの鼻も咥えるのじゃあ! 」
鼻が入れ替わってボコボコした感触が内奥を刺激する。口の中にも天狗の鼻が侵入して、舌のつけ根をもてあそんだ。
「そーれ、たくさん咥えてたっぷり蜜を出すのじゃ」
「んむむっ、ぷはっ――やっ――ああんっ!」
感じるところを探り当てられ声が甘い喘ぎへ変化すると、天狗たちは競って穂波を鼻で犯した。反った鼻で前立腺を擦られたり、いびつな形の鼻で奥を突かれる。突かれるたび、穂波はピュウと蜜を噴いて天狗たちは大はしゃぎする。
「くひひひっ」
「――ああっ! いやっいやっ!! 」
尻の穴へ鼻が何本も挿しこまれ、限界まで広げられて穂波は激しく首を振った。蜜まみれになった身体を舐められ、気を失うまでイキ続けた。
***************
「おおスゲー……」
「へへっ、色男が台無しだなぁ」
半分覚醒した穂波の耳へ誰かの声がとどき、暗かったお堂へ月あかりが差して青い影ができた。ほどなくして提灯の眩しさに目を閉じる。
次に目覚めた時は、湿った熱気に包まれていた。全裸の男に挟まれて、同じくらい高い体温を感じる。後ろの男へもたれ掛かった体勢で、大きくひらかれた両足の間に助平の顔があった。
「……っ!? 」
「ひひっ、お目覚めのようじゃの」
ニタリと笑った助平は穂波のペニスを咥え、先っぽを吸って刺激する。小さな怪物に散々もてあそばれた部分は敏感になり背筋がふるえた。
「……やめて……ください……あ……」
怠くて力がはいらない、グッタリと脱力した穂波はつぶやいた。それでも情欲は尾を引き、身体の奥を蝕む。
後ろの男に乳首を摘まれ両側から引っ張られた。
「……はっ……うぅっ」
「山川くんのいやらしい乳首が、吸って欲しそうに尖ってるよぉ」
後ろの男は筋蔵だった。ニヤついた顔を胸元へよせて、大きな舌で器用に突起をなぶり唾液が糸をひく。筋蔵は唇をよせて痕がつくほど乳首を強く吸った。
「うあっ」
「ははは、我慢できずに痕を付けてしまったよ。あとでもっと可愛がってあげるからねぇ」
「こりゃ筋蔵、痕をつけるなんて! 」
「うらやましいなら、助平さんも付けたらどうです? 」
ゴクリと喉を鳴らした助平は、穂波の尻を割りひらき隠された場所を見つけた。卑しい笑みを浮かべ、シワくちゃの唇を近づけてキスをする。窄まりを少しだけ強く吸い、痕が残るまで何度もくりかえした。
「うう……や……はぁん……」
「ひひひ、うっすら付いたぞい」
口をにんまりさせた助平はふたたび顔をうずめて、粘着質に窄まりへ吸いつく。穂波は2人の悪戯に身もだえていたが、眠気がひどくて意識を手放した。
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※作者Twitter【https://twitter.com/tiyo_arimura_】
※マシュマロ【https://bit.ly/3QSv9o7】
※掲載箇所【エブリスタ/アルファポリス/ムーンライトノベルズ/BLove/fujossy/pixiv/pictBLand】
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