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いやらし天狗
秘密の天狗祭り
しおりを挟む身体に塗られたゼリーが風で冷やされ肌寒い、扉を開けて入ってきた気配に海斗は目をさました。変わらず仰向けに縛られた体勢だが、脱がされた白い浴衣はキチンと着せられている。
気配は真横へ移動する。それは昼間に意気投合した青年の白石だった。
「しらいしさ……たすけてっ」
口に入れられた棒はなくなっていた。見知った顔に安心して声を出したけど、麻酔をかけたように痺れてうまく動かせない。
しかし、白石の口から信じられない言葉が吐き出された。
「今年は僕が選ばれた年だったんだ! よそからノコノコとやって来て……この泥棒ネコっ!! 」
「え……? 」
鼻高神社の境内で出会った柔和な青年はどこへ行ったのだろう、海斗を冷酷に見下ろす白石の顔があった。突然ぶつけられた悪意にショックをうける。
「どうして……」
「僕はもう時間がないんだっ……マエ様にはやく抱かれないと……なのにお前のせいで! 」
白石の手が伸びて、服の上から海斗の乳首をねじった。さんざん男たちに弄られた部分はつねられた瞬間、痛みと快感の両方が混ざりあう。
「いたっ……くうぅ……」
「ふんっ! 媚びた声だして、あさましい身体っ!! こんなのがいいなんて信じられない」
さらに乳首を強くつまみ上げられ海斗は呻いた。反論しようにも、ろれつが回らない。
「美鶴くん、やめなさい! 今年選ばれたのは彼なのです。マエ様への捧げものを傷つけることは許されない行為ですよ」
「っ……巴那河さん……」
いつのまにか宮司の巴那河が背後に立っていた。諭すように声をかけられた白石は唇を噛んで顔を下へ向けていたが、扉を乱暴に開けて走り去った。
「やれやれ彼にも困ったものです」
「な……んで? 」
巴那河は白石に乱された浴衣を直している。海斗はしびれる口を懸命に動かして尋ねた。白石の豹変や監禁してまで捧げものにする理由が知りたかった。
「あなたは『マエ様に選ばれた』、それだけです。しかし我々にとって、それが一番大事なのですよ」
笑顔で話す巴那河の瞳が無機質に見えて、その奥にある不条理をふくむ異様さにただただ戦慄する。
宮司が手を叩くと、男たちがゾロゾロ集まり拘束を解かれた。両脇を抱えられて牢の外へ出たら、台座の上に太い柱の立つ神輿のような物が置かれていた。
「はなせよっ」
叫びもむなしく海斗は男たちに持ち上げられ足を広げられる。神輿のそばにいる助平の顔が目に入り、イヤな予感がした。
太い柱の根元に天狗面が置いてある。その大きな鼻の上に降ろされようとしていた。
「やめろっやめろぉっ」
「これ、入らんではないか。お前たち、もっとしっかり押さえるのじゃ」
「んほほ! 私におまかせあれ」
フクベが海斗の腰をつかみ下へおろす。けんめいに身体を揺らして抵抗するが、お面の鼻が尻へ触れた。いやらしい笑みを浮かべた助平は、海斗の尻たぶをつかみ鼻の先を窄まりへ合わせる。
つぷっ。
天狗面の鼻の先が海斗の窄まりへ収まった。
「あうっ」
男たちによって身体が下ろされ、面の鼻が窄まりへ深く刺さる。そのまま太い柱に腕を縛り付けられ台座へ固定され、海斗は天狗面の鼻が尻へ刺さり動けなくなった。
「……っ」
「ひひひ、天狗様のありがたい鼻はどうじゃ? ここもこんなに膨らんで、はやく出したくて堪らんのじゃろう? 」
満面の笑みを浮かべた助平が縛られた陰嚢を撫で、海斗の口から嬌声とも呻き声とも言えない声がもれる。となりで興奮したフクベが鼻をふくらませて荒く呼吸していた。
「さあ出立の時間です」
巴那河の声と共に男たちは神輿をかついだ。人がいなくなって静まりかえった境内に男たちの詠い声がひびく。
「はうっ、あぁっ……」
微妙にゆれる振動が身体の奥へつたわり、海斗は小さな悲鳴を上げた。
天狗面をかぶった爺が神輿をかつぐ者の邪魔をした。ときどき台座は大きく揺れてまわりに集まった男たちが歓声を上げる。海斗のあえぎ声は男たちの掛け声にかき消された。
夜の山道を提灯を持った宮司が先導し、暗い谷へつづく道を下りて行く。
神輿をかつぐ男たちは階段を下りはじめて、天狗面の鼻が上下に動き海斗は身もだえた。男たちはわざとよろめいて大きく動き、海斗が嬌声をあげたら拍手が起こる。
陰々とした夜の谷は寂しく、さっきまで歓声を上げていた人々も沈黙して粛々と歩みを進めていた。
暗闇のなかに建物の影が見えた。見覚えのある寺は海斗が迷って入った谷の古寺だ。神輿の台座は寺へ運ばれ、海斗ごと部屋の真ん中へ置かれる。
「くうっ」
尻に収まっていた天狗面の鼻は一気に引き抜かれた。出発する時はいやらしい笑みを浮かべていた助平も無表情で作業している。
まるで何かを怖れているように村人たちは素早く行動して、柱に縛られた海斗を残し堂の扉を閉めた。
「……まっ……て」
男たちがいなくなる安心感もあったけれど、不気味なお堂に鳥肌が立ち、声をしぼりだす。無情にも村人たちは消えて海斗はたった1人残された。
どれほど時間が経ったのかわからない、恐怖にふるえていると後ろに気配がした。息をのんだ次の瞬間、黒い入道のごとき影が目の前に立った。
『マエ様』が仁王立ちしている。初めて会った日と変わらず、暗闇の中でも姿はハッキリ見える。
「マエさま……」
本当なら恐怖で縮み上がるはずなのに、なぜか懐かしい安心感と出会えた喜びが湧きあがった。
「ほほう、蜜をたっぷり溜めこんで参ったようだな。ワシが確かめてくれようぞ」
天狗の大きな手は海斗の浴衣の帯をほどいた。ハラリと帯が落ちて抵抗できないまま、足を広げられる。
マエ様は股間をのぞきこみ、パンパンに膨らんだ陰嚢を揉んだ。
「ああんっ」
「ククク、どれワシの秘術で極上の蜜がたっぷり出るようにしてやろう」
揉まれた部分が温かくなって、悦楽に包まれる。塞がれている尿道のすきまからトロトロと液体があふれ出した。
「あ……ああ……」
「菊坐もひらいて物欲しそうにしておるな。ワシのタネを存分に仕込んでやろう」
尻を割られて窄まりへ天狗の指が触れた。さっきまで天狗面の鼻が刺さっていた部分は、わずかに開き呼吸をするたびヒクリヒクリと動く。
バサリと着物の裾をめくる音がして、マエ様の男根があらわれた。暗がりでも天を仰ぎそそり立つ男根は、鼻と同じく先端がいびつなコブ状になっている。瘤は近づき海斗の入り口を大きく広げて侵入した。
「あああっ!! 」
「ワシの祝福をたっぷり受け取り、豊熟な身となるがよい」
いびつで太く熱いものが海斗の内を激しく突いた。瘤の先端がゴリゴリと奥をこすって突きあげる。
「うくぅっ! あひぃっ――――あぁっ! 」
「そうれ、ワシの鼻も味わえっ」
「ンン――――ッ!! 」
黒天狗の立派な鼻を咥えさせられ、上の口も下の口も塞がれた海斗の身体は抽挿にあわせて揺さぶられる。与えられる快楽に、気が付いたら海斗も自ら腰を振っていた。
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