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閑話 ~日常や裏話など~

月読と九郎の甘い性活

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 熱い肌は触れあって、指がからみあう。

「九郎、キスしたい」

 九郎の後頭部へ手をまわすと硬い毛の感触がした。そのまま引き寄せて唇をかさね、ついばんで口付けを交わす。

粘膜ねんまくをなぞって舌がまじわり、こそばゆさから気持ちよさへと変わった。侵入した舌を甘噛あまがみして吸えば、九郎の腕が月読の腰を引きよせる。

「ん……」
 軽く啄ばんで唇をはなした。熱のこもった黒い双眸そうぼうが月読を見つめる。

 九郎を後ろへ押し倒し、腰の上へまたがった。Tシャツをたくし上げた月読は、鍛えられた肌へ唇を落としはじめた。
胸筋の中央から腹筋のくぼみにかけて舌をわせ、へそを見つけてキスをする。下腹部まで舌でたどって顔を上げると九郎は両肘をついて上半身を起こし、こちらの動きを観察していた。



 ズボンのボタンを外して、黒いボクサーパンツを引き下ろす。

少し躊躇ためらってから、九郎のものを口へふくむと石鹸せっけんの匂いが残っている。血液量の増えた海綿体かいめんたいが太く起ちあがり、手の中でドクンドクンと脈打つ。勃起した物の裏を舌で往復して先っぽをくわえた。先走りがしたたり、舌の奥へ男の味が残る。

九郎はその様子を眺めながら、月読の髪をいて撫でた。

他の男の味も知っているなんて九郎が知れば、お仕置しおきされるのだろうか。月読は此方こちらを見つめる鋭い視線にゾクリとする。恐怖とは別の感覚が背筋をつたう。



 身体を起こそうとする九郎を押しとどめた。

「お前はそこで見てろ」

 いつぞや風呂場でらされた仕返しをする。九郎のいきり立つものをにぎり、月読は腰を浮かして自身の秘められた場所へ指をしいれた。シャワーのさい、慣らされた部分はすでにほぐれている。

反った亀頭を導いて腰を落とす。ぬぷと先端が侵入すると、受け入れた部分からゾクゾクしたしびれが腰まで這い上がる。

「……う……ぁっ……」

 月読は腰が浮きそうになるのを抑え、ゆっくり下ろしてゆく。
粘膜がこすれ全身はふるえて、乱れた浴衣が肩からずり落ちた。恥ずかしい姿をさらし、吐息といき噛殺かみころせないあえぎ声が混ざる。

根元まで少しずつ腰を下ろし、足を広げてまたがる形になった。硬い肉棒が最奥までつらぬき、内壁を圧迫された月読は身を震わせたまま動けなくなった。

「……あぁ……ふっ……」

 呼吸する振動さえも内側を刺激してうずき、背骨が溶け落ちそうな快感がひろがる。くわえこんだ肉棒がますます膨張ぼうちょうしたように感じた。

「っ……あきら」
 九郎の額には汗が浮かび、流れ落ちている。

声にうながされ、ゆるゆる腰を動かす。硬く反った九郎のものは、月読の動きに従わず中で暴れて内壁を圧迫する。腰が浮いて根元がズルリと抜けたけれど、膨張した肉棒は途中で引っかかり内側へ存在をとどめた。

「はっ……」

 下肢から湧きあがる快感に、月読のおとがいけぞった。

しびれを切らした九郎に体勢をひっくり返された。足を持ち上げられ、半分抜けていた男根だんこんを深く突きされる。

「うっ――――あぁっ!! 」

 月読のそそり立った物から白い液が飛び散った。

「先にイクなんて、はしたない・・・・・身体だ」

 おおいかぶさった男が低い声でささやく、散々さんざん焦らされた九郎の下腹部はすじ張り筋肉が盛り上がっている。

亀頭きとうを残し引きぬかれた肉のくいが、ズッと音を立てて一気に突き入れられる。

「あぅっ! 」

 イってえた月読の陰茎が、再び鎌首かまくびを持ち上げる。激しくさいなまれることを覚えた身体は、九郎のめを待ち望んでいた。

うっすら口の端を上げた九郎が、硬さを取り戻した月読の陰茎を手のひらで包み腰を動かしはじめた。ギリギリまで肉杭が引き抜かれて、深々と突き上げられる。最奥を何度も突かれ、月読のふぐりは張って痙攣けいれんした。



「まだ駄目だ」

 白いみつを吐き出したい衝動にかられたところで、浴衣のおびが月読の陰茎へ巻きつけられた。根元と膨らみを締められて突きあげる快楽と痛みに苦悶くもんする。

「あぐっ、くろっ……嫌っ――――っあぁ!! 」

 九郎の苛む手はまず、弱い部分を押し上げられ凶暴なオスが抜き挿しを繰りかえす。月読は身をよじって逃げようとしたが、深々とつながった体から逃げることは出来ない。

縛られた帯の合間に張りつめた穂先ほさきが見えて、淫欲の液が散って布を濡らす。

「あっ――――くっ――――あああっっ!!! 」

 背は弓のようにしなり、内腿がふるえて肉杭を強く締めつける。熱いたぎりは最奥へ吐き出されて九郎がてた。

陰茎を縛っていた帯がほどかれ、白濁はくだくの泉は先からドクドクとあふれつづける。

「ぁ……みる……な」
 月読はだらしなくほうけた顔を手の甲で隠す。弛緩しかんした身体は、快楽の余韻よいんで震えていた。
「俺は見たい」
 九郎は顔を覆っていた月読の手をけ、互いに荒い呼吸をして汗ばんだ顔で見つめ合う。

柔らかくなった肉棒が引き抜かれて月読はうめいた。反応するように白い粘液が先端からあふれて、腹筋のくぼみを流れる。

埋めふさがれていた部分へヒンヤリした空気が触れて身をすくませると、九郎が抱きよせて腕の中におさまった。高い体温に包まれて、恍惚こうこつと安寧のなか月読は目を閉じる。



「お前のってさ……ひょっとして自分でコントロールしてたりする? 」

 月読は九郎の運んできた熱い茶をすする。身体は拭かれ浴衣も着直した。チラリと見える浴衣の帯だけが、色の違う物に取りかえられていた。

「いや、出来てないな。どうしてそう思う? 」
「んん……っと、かなり硬度があるし……ええと長持ちだろ」

 先ほどの行為を意識しないように端的に述べるけれども、何となく気恥ずかしい。月読も同じ器官を持っているが、あんなに硬くならない。

仙人せんにん聖者しょうじゃの中には、気だけではなく体内の血流までコントロール出来る者がいると聞いた事がある。九郎もそのたぐいではないかと疑ってみたが違うようだ。

「出来るようになって欲しいのか? 」

 耳元で低い声がひびき、背中に重い物がかる。手元の熱い茶が指にかかった。

「熱っ! 重いっ! いいや欲しくない、これ以上は私の身が持たん」

 重い大烏を退かせるため抵抗するが、どっしりとした漬け物石のごとく背中から離れない。九郎は残念そうに月読の耳元へ口付けてから、うなじへ唇を押しつけた。

諦めて九郎を背中に乗せたまま大人しく茶をすする。



「髪、伸びたな」

 後ろからやりたい放題の九郎は、柔らかい髪に顔を埋めてキスをしている。ゆるくうねったくせ毛は、耳をおおい隠すくらい伸びていた。

「頭の上だけ髪を残して、横も後ろもツルツルにったら寒いだろうか? 」

 月読は街で見かけた髪型を思い出し、頭頂部を残して剃ってみようかと九郎に相談する。

「その髪型は断固反対する」
 ふわ毛の楽しみがなくなると、顔を埋めてたわむれる九郎に反対されてしまった。



―――――――――――――――
お読み頂きありがとうございます。

エロだけです。第八章の「猿の里にて」の後ぐらいの話になります。
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