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5話
しおりを挟む「……シルヴァナ。何を笑っている」
情を交わした後のベッドの上。シルヴァナはレイバードの逞しい腕に抱かれながら問い掛けられ、小さな笑い声を漏らした。
「ふふっ。三年前に陛下に初めて抱かれた時のことを思い出したのです」
「なに?」
「結局、最後の最後に私が気絶してしまって、陛下に御迷惑をお掛けてしまったなと」
シルヴァナはレイバードの胸に頬を擦り寄せ、幸せそうに微笑む。たっぷりと愛し合った後の夫の肌の温もりが、シルヴァナは心を焦がすくらいに大好きだった。
「……今では何度身体を重ねても、可愛い反応をしてくれるだろう」
「それは、陛下があの日から毎晩のように私を愛してくれるからですよ」
髪を優しく撫でるレイバードの手を握り、シルヴァナはその指先を愛おしむように何度も口づける。淫らにも見えるその姿にレイバードは顔を顰めると、彼女の顎をぐっと持ち上げた。
「……本当に、お前は私を煽るのが上手くなったものだ」
「陛下…………んっ」
レイバードの唇は、柔らかなシルヴァナの唇を塞ぐ。リップ音を響かせるような甘い口づけから、唾液がくちゅくちゅと混ざるような水音を立てる深い口づけへと変わり、シルヴァナの身体の奥がじんわりと熱くなっていく。
「……陛下」
シルヴァナは自ら唇を離し、徐にレイバードの腰に跨がる。そして鼻先が触れるまで彼に顔を近付け、淡い吐息がこぼれる唇をゆっくりと開いた。
「……そろそろ、三人目も欲しいです。陛下」
艶やかな声で紡がれる問い掛けに、レイバードは瞳を細め、蕩けたような表情を浮かべる。
「先程も身体が果てるほど、愛し合っただろう」
「……抱いてくださらないのなら、私から襲うまでですよ?」
シルヴァナは愛嬌たっぷりの笑顔を浮かべ、レイバードの唇に自分の唇をぐっと押し付ける。離れては重ねて、何度も繰り返される口づけに、レイバードは痺れを切らしたように彼女の両肩を強く掴んだ。
「へい…………きゃっ!」
あっという間にシルヴァナの上にレイバードが覆い被さり、形勢逆転。シルヴァナは何度か睫毛を伏せた後、直ぐに柔らかな笑みをこぼした。
「……お慕いしております。陛下」
「知っている。私もお前を愛している」
二人の唇が近付き、再び重なる。唇を通して伝わる温もりと紡がれる愛に、シルヴァナは涙を流しながら、愛しいレイバードの背中に腕を回した。
(愛しています、陛下。これからも、ずっと)
シルヴァナは幸せな気持ちに心を震わせながら、その日もレイバードの狂おしいほどの愛を受け入れるのだった。
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さくっと読みやすく、とても素敵な作品ありがとうございました!
願わくば、番外編で陛下サイドの話も見てみたいです!
Jasmine777様、感想ありがとうございます!
此方の作品も読んで頂きありがとうございます✨
陛下サイドだと、ひたすらシルヴァナ溺愛になりそうですね(*ノωノ)
時間があれば書いてみたいな、なんて思う作者でございます!