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第7話 ネグラヌside ①
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俺の名前はネグラヌ•ポーカス。簡単に自己紹介してやろう。自分で言うのもなんだが、俺はエリートだ。冒険者になって、特に挫折することもなく着々と実績を積み重ねていった。さらに幸運なことに優秀な仲間とも出会い今まさにノリに乗っている。
「おいネグラヌの旦那、あれを見てみろ」
「どうしたウィル!? ──何?? あれはレイドクエストか」
【緊急!! レイドクエスト!!】
洞窟にてゴブリンの巣穴らしきものあり
※詳しい内容は受付けにてご説明いたします
俺達はここのところ難易度三つ星と四つ星を中心に依頼をこなしてきた。だがレイドクエストはまだ未挑戦。これをクリアしギルドに上手くアピールすることができたらギルド認定冒険者として認めてもらえる可能性が大いにある。
「お前ら、これはチャンスだぞ。今のうちにに使えそうな冒険者を集めて、さっさと依頼の申請を済ませてしまおう」
遂に俺の時代が始まるかもしれない。
ここで名前を売っていき、やがて大手ギルドから声が掛けられるかもしれない。はたまたこれを機に王直冒険者として名誉を与えられるかもしれない。
夢ばかりが膨らんできやがる。
──ざわざわざわっ……
他の冒険者達も気づき始めてギルド内がざわついてきやがったか。
「あの、何かあったんですか?」
──んん?
何だこの小娘は……あまり知らない顔だ。ちょうど良い。見た目からしてコイツらが俺達より格上冒険者ってことはないだろう。強すぎず、弱すぎず、俺達が依頼で目立つには程よいレベルの冒険者と手を組むことが望ましいからな。
「俺は団長のネグラヌ。紹介しよう、こっちはウィルとリエリーだ。ちなみにお前らの中にヒーラーはいるのか?」
「いえ、いてませんが──何かあったんですか?」
俺は簡潔に依頼内容を話す。
「エイトさん、これって私達も参加してもいいのでしょうか?」
いくら居ても困らないヒーラーではないか。
エイトヒーローズだかなんだか知らないが、人畜無害そうではある。既にリエリーも打ち解けているようだし、せめて実績が三つ星~四つ星なら最悪の場合、こいつらを頭数にいれても良さそうだ。
とにかく速やかにこの場にいる冒険者の情報を集めて依頼申請だ。他の奴らに先を越されるのが一番面倒だからな。
「おーい旦那! こっちに来てくれ、紹介したい奴らがいる」
ウィルがこちらに手招きをする。男が2人に女が1人の冒険者グループが側にいた。
さすがウィルだ。早速手頃そうなのを発見したな。
「こちらは凄腕冒険者で俺達の団長ネグラヌだ。お前達も自己紹介してくれ」
「分かった、僕が紹介しよう。このパーティーのリーダーをしているメンテンスだ。そして右からベッツにモニカ……」
──なるほど、おおよそのことは何となく分かった。
ギルドカードを見る限り実績的に難易度三つ星を中心に活動している、まだ経験の浅いチーム。
俺達より格下の分コントロールは効きやすい。さらに人数の上でもコイツらを加えれば丁度6人で申し分ない。
「よろしく頼む」
「こちらこそ」
俺達、リーダー同士がっちり握手を交わす。
「あのネグラヌさん! さっきの依頼、私達も一緒に同行できないでしょうか?」
こいつはさっきのエイトヒーローズの小娘。人数の上ではもう必要十分。もはやこんな奴らに興味すらないのだがギルドカードくらい目を通してやらないこともない。
「君はさっきの……分かった、ならギルドカードを見てから判断させてもらおうか」
何っ!?
「──っフ、実績は一つ星だけの雑魚か。足手まといは必要ない、俺達は他を当たる」
「なっ!? 失礼すぎますよ!」
「ならもっと実績を積んでおくんだな」
とんだ食わせ者だったな。奴らの狙いは俺達に便乗しての報酬が目当てだと考えて間違いない。
俺はエリートな上に抜け目もない。こういう些細な確認さえも怠らないのだ。
「フフッ……フハハハハ」
「大丈夫か? ネグラヌの旦那…」
その後すぐに依頼の受注を済ませて、俺達一行はドラル洞窟を目指した。
「ネグラヌさんよ、ポーションやその他のサポート道具を揃えなくても本当によかったのか?」
「灯りさえあれば問題ない。軽傷くらいならうちのリエリーのスキルで治せるし、ゴブリン程度なら俺一人でも瞬殺できる相手だ。返ってわざわざ荷物を増やしてやることもないだろう」
「それを聞いて安心した……俺達は幸運なことにかなりの実力者と手を組んでしまったらしい」
道中、会話を楽しみながら俺達はドラル洞窟に到着した。
ゴブリンを殲滅するだけで金貨8枚のおいしい仕事。確かに洞窟の中というのは少々厄介ではあるがやることは変わらない。
さっさと終わらせて早くうまい酒が飲みたいものだ。
「俺達ネグラヌ団が先駆けよう。お前達メンテンスパーティーは殿を頼む」
俺達、冒険者一行は洞窟の中へと侵入。
一歩、また一歩と中へ歩いて行った。
「おいネグラヌの旦那、あれを見てみろ」
「どうしたウィル!? ──何?? あれはレイドクエストか」
【緊急!! レイドクエスト!!】
洞窟にてゴブリンの巣穴らしきものあり
※詳しい内容は受付けにてご説明いたします
俺達はここのところ難易度三つ星と四つ星を中心に依頼をこなしてきた。だがレイドクエストはまだ未挑戦。これをクリアしギルドに上手くアピールすることができたらギルド認定冒険者として認めてもらえる可能性が大いにある。
「お前ら、これはチャンスだぞ。今のうちにに使えそうな冒険者を集めて、さっさと依頼の申請を済ませてしまおう」
遂に俺の時代が始まるかもしれない。
ここで名前を売っていき、やがて大手ギルドから声が掛けられるかもしれない。はたまたこれを機に王直冒険者として名誉を与えられるかもしれない。
夢ばかりが膨らんできやがる。
──ざわざわざわっ……
他の冒険者達も気づき始めてギルド内がざわついてきやがったか。
「あの、何かあったんですか?」
──んん?
何だこの小娘は……あまり知らない顔だ。ちょうど良い。見た目からしてコイツらが俺達より格上冒険者ってことはないだろう。強すぎず、弱すぎず、俺達が依頼で目立つには程よいレベルの冒険者と手を組むことが望ましいからな。
「俺は団長のネグラヌ。紹介しよう、こっちはウィルとリエリーだ。ちなみにお前らの中にヒーラーはいるのか?」
「いえ、いてませんが──何かあったんですか?」
俺は簡潔に依頼内容を話す。
「エイトさん、これって私達も参加してもいいのでしょうか?」
いくら居ても困らないヒーラーではないか。
エイトヒーローズだかなんだか知らないが、人畜無害そうではある。既にリエリーも打ち解けているようだし、せめて実績が三つ星~四つ星なら最悪の場合、こいつらを頭数にいれても良さそうだ。
とにかく速やかにこの場にいる冒険者の情報を集めて依頼申請だ。他の奴らに先を越されるのが一番面倒だからな。
「おーい旦那! こっちに来てくれ、紹介したい奴らがいる」
ウィルがこちらに手招きをする。男が2人に女が1人の冒険者グループが側にいた。
さすがウィルだ。早速手頃そうなのを発見したな。
「こちらは凄腕冒険者で俺達の団長ネグラヌだ。お前達も自己紹介してくれ」
「分かった、僕が紹介しよう。このパーティーのリーダーをしているメンテンスだ。そして右からベッツにモニカ……」
──なるほど、おおよそのことは何となく分かった。
ギルドカードを見る限り実績的に難易度三つ星を中心に活動している、まだ経験の浅いチーム。
俺達より格下の分コントロールは効きやすい。さらに人数の上でもコイツらを加えれば丁度6人で申し分ない。
「よろしく頼む」
「こちらこそ」
俺達、リーダー同士がっちり握手を交わす。
「あのネグラヌさん! さっきの依頼、私達も一緒に同行できないでしょうか?」
こいつはさっきのエイトヒーローズの小娘。人数の上ではもう必要十分。もはやこんな奴らに興味すらないのだがギルドカードくらい目を通してやらないこともない。
「君はさっきの……分かった、ならギルドカードを見てから判断させてもらおうか」
何っ!?
「──っフ、実績は一つ星だけの雑魚か。足手まといは必要ない、俺達は他を当たる」
「なっ!? 失礼すぎますよ!」
「ならもっと実績を積んでおくんだな」
とんだ食わせ者だったな。奴らの狙いは俺達に便乗しての報酬が目当てだと考えて間違いない。
俺はエリートな上に抜け目もない。こういう些細な確認さえも怠らないのだ。
「フフッ……フハハハハ」
「大丈夫か? ネグラヌの旦那…」
その後すぐに依頼の受注を済ませて、俺達一行はドラル洞窟を目指した。
「ネグラヌさんよ、ポーションやその他のサポート道具を揃えなくても本当によかったのか?」
「灯りさえあれば問題ない。軽傷くらいならうちのリエリーのスキルで治せるし、ゴブリン程度なら俺一人でも瞬殺できる相手だ。返ってわざわざ荷物を増やしてやることもないだろう」
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「俺達ネグラヌ団が先駆けよう。お前達メンテンスパーティーは殿を頼む」
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一歩、また一歩と中へ歩いて行った。
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