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mittyan13

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38 俺の屍を越えてゆけ

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 栄枯衰退は世の必然。登った先にあるものは、ただ延々と続く下り坂のみか。「落ちるだけ落ちたら、あとはまた登るだけさ」と人は言うが、登った先にあるものが明るい未来なのか、それは誰にもわからない。
 折り込みのチラシの中に『官公庁からの払い下げノートパソコンを格安でお譲りします!』というのが入っていた。
 これ自体は定期的に入るやつなので、特に物珍しさはない。目を引いたのはそこにあった一文である。
 『Windows10のサポートは2025年10月14日に終了となります』
 …あれ?うちのデスクトップって、Windowsいくつだっけ?確認したら10だった。全然気にもしてなかったな…と、改めて自宅のパソコンを開いていなかったことに気づかされました。
 仕事では使っているのですよ、ちゃんと。でもね、職場と自宅のやつは別だし、個人情報の管理とかあるわけだからデータを送って自宅で作業なんかしないし、当たり前だけど持ち出して何かすることもないし。もっぱら支給されている端末(スマホ)の使用がほとんどで、事務所で作業をするにあたって共有のパソコンを使ってるぐらい。
 個人的にはスマホと家族共有のタブレットを使っているが、パソコンの使用はかなり限定的になっている。ちょっと前まで地域の役をやっていたので、そこで使う文書編集をやっていたが、それ以降は子供の運動会の写真とかを印刷した記憶があるぐらい。
 実はカミさんと結婚した際に自宅でどれぐらいパソコンを活用しているのか?真面目に考えたことがあった。
『写真データの管理や印刷』
『音楽データの管理や編集』
『文章データの管理や編集』
『年賀状の作成と印刷』
 10年以上前のことである。この時点でパソコン最大のウリであった『ネットの活用』が除外されている。実際、当時から簡単な検索はタブレットで事足りていたし、ガラケーからスマホに変えていた頃でもあった。
 その時に『今後家庭でパソコンは必要なのか?』と問答したか、『写真や文書データ、音楽データの管理用のツールとしてはまだまだ使えるので、とりあえず必要最小限の機能で十分』という結論だった。スマホを含めた端末が便利になっても、大容量のハードディスクを活用したデータ管理は必要なはず。また文書編集や写真の編集、年賀状等の作成はパソコンを活用したほうが楽。
 …当時の結論は、半分も当たっていなかったのだろうか?
 この10年以上でスマホのアプリは飛躍的に向上し、活用の幅が格段に広がった。もはや単なる端末ではなくなってしまったと言っても過言ではないだろう。正直な話、ないと生きていけない人が全人類の数割ぐらいいるんじゃないだろうか?と本気で思える。
 パソコンは…なくなることはないと思うが、どんどん活躍の場がなくなってきているのかなぁ…
 各種データの管理はクラウドを活用するとか、SDカードを活用するとかしたほうが楽なのだろう。写真や文章の編集もそれに対応したアプリがあるし、年賀状も自宅で作るよりもWEBで画像データと文章を選択して依頼をかけて印刷までしたほうが安価だったりする。最近は「なぜスマホでできることがパソコンでできぬ…」と半ギレになることも多々あるぐらい、圧倒的にスマホと同衾している時間のほうが多い。
 逆にパソコンが勝てる要素はなんだろう?キーボードによる文章の入力速度か?画像や音楽データをずっと手元に保管しておきたい時はやっぱりハードディスクが必要?SDカードに分割したほうが楽か…?ゲーミングPCとしては活用の幅がまだまだあるだろうが、それとてかなり限定的な使用方法になるな…少なくとも『一家に一台』という決め手になる要素にはなり得ない。
 現状家庭でのパソコンの立場は『スマホに駆逐されることはないが、活用がかなり限定的になってきている』というのが正直なところか…一般的な『高性能2号機に乗り換え』というイベントとはまた違う物悲しさを感じるのは自分だけだろうか…?
 結局『今後パソコンは維持すべきか?』ということに関しては、一時保留となった。なんだかんだ言ってパソコンを経由した作業が全くないわけではないし、OSのサービス終了に関しても「来年考えるか!」でいいかな?と…今年の年賀状に関しては『何人かは出すかもしれないが、手短にLINEで済ませる』といういかにも令和的な流れになる予定。あっ!『データをCDに焼きたい』という時はパソコンじゃないと駄目だね!そうなるとノートパソコンじゃなくてデスクトップのほうじゃねぇの?と、なんか考えがふらふらしてるな…やっぱり年明けまで持ち越しだな…
 今回の表題はゲームの名前より。そのまんまだが、それ以外思いつかなかった…幾多のパソコンの屍の上に、ものすごく小型化されたスマホがボツンと置かれている図。パソコンの屍からCPUを取り出し、精製してスマホに使うレアメタルとして活用する…現実も表題の通りか…
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