ようこそ来訪者

mittyan13

文字の大きさ
上 下
17 / 40

17 強力若本

しおりを挟む
 人はいつになっても『自分以外の何か』になりたがる。
 先日我が家に『エボルドライバー』がやってきた。なんかこう書くと、ブラッドスターク辺りが「チャ~オ~」とか言って持ってきてくれたように感じるが、そんなことはない。信頼と安心のプレバンである。
 プレバン…思うところはたくさんある。しかしこちらの琴線をくすぐりながら、購買意欲を掻き立てる商いに関しては上手いと言わざるを得ない。「しゃーねーなぁ!」とか言いつつも、ついついついて行ってしまう悲しい性よ…自分にツンデレ属性があったのか?!と疑いたくもなる。
 こうして我が家にお迎えした『エボルドライバー』さん、…こう書くとドールをお迎えした時みたいになってない?と思ったのはさておき、今の変身ベルトにありがちの存在感を放っている。ようするに『よくしゃべってうるさい』のである。
 黙ったら死ぬんじゃないかとも思えるぐらいの語りだ。かつての『古舘伊知郎・トーキングブルース』を彷彿とさせるものがある。金尾哲夫ボイス全開で変身するわ、フィニッシュするわ、ブラックホール!と吠えまくるわ…アレクサとか空気清浄機だってもっと自重するぞ?と思ったのは俺だけだろうか?まあボトルを突っ込んで変身させまくってる俺が原因なんだけどさ…金尾哲夫ボイスにやられすぎたので、若本規夫ボイスのスクラッシュドライバーに癒しを求める大きいお友達です。
 今の変身ベルトって、正式名称は『なんちゃらドライバー』とされているが、いつからベルトじゃなくてドライバーになったんでしょうね?ライダー(rider)が操るの?ドライバー(driver)に操られるの?とちょっと疑問を感じるが、これに関しての公式の発表はない。まあ変身ベルトの英語表記を検索すると『Transform Belt』だから、ドライバーはやっぱり違う。
 昭和のライダーはそれぞれが使用するベルト自体には個別の名称があって、正確にはベルトではないのかもしれない。ただ一般的にはやっぱり『変身ベルト』という感覚が強い。
 平成の『ライダー大復刻』以降もしばらくはそんなイメージだ。アークルとかラウザーとか、バックルとかのベルト感を残した言い方もあった。ドライバーという表記はファイズが最初だが、そのあとの作品では『キバットベルト』とか『デンオウベルト』とか、堂々とベルトを名乗る潔さ。ドライバー表記が定着したのはディケイド以降になる。それから以降の『平成2期』は完全にドライバー表記。ダブルドライバーから始まって、令和になってもドライバー祭は継続中である。
 なぜドライバーなのか?に関しては諸説あったが、一番それっぽいのが『変身システムというプログラムを起動させるドライバだから』というもの。『操作』ではなく『走査』のほう。そう言われると一番しっくりくるのが『ビルド』かな?話の展開としても物理学を下敷きにしたものが多いし、仮面ライダーシステムっていう言葉も出てくる。
 個人的には『操作』も捨てがたいとは思う。ほとんどのドライバーに何らかの『暴走モード』が組み込まれてるし、仮面ライダーシステムという『暴力』に魅了されての闇堕ち展開も一部ではある。『ドライブ』だと文字通り意思を持った『ベルトさん』に操られてる?と思えてくる時もちらほら。
 あと『ドライバー』という言葉の認知度が高くなるにつれて、どんどん喋るようになってきている。っていうかうるさい…本当にアレクサとか空気清浄機を(以下略)。変身して、パワーアップして、フィニッシュを決めるという一連のくだりの中でどんだけだよ…と、文字通りてんこ盛り。近年はフォームチェンジも定番化したので、声優さん大忙しとはこの事。なんせ企画はあっても発売されなかったフォーム用の音声も内蔵されているあたり、「とりあえず収録しとこう」という制作サイドの念のため感がよく表れている。そんなのを子供が突っ込むと思っているのか?ていうか、確認するすべもないじゃん…
 ちなみに、大きいお友達が安心して遊べるよう、大人向けのベルト延長パーツも売られている。ただし一般の玩具店にはまずない。これも例のプレバン。…お前さぁ~と言いたくもなる。でも抗えない。大人の世界の洗礼か…
 今回の表題は声優・若本規夫氏の異名より。元機動隊員という独特の経歴を持ち、朝まで飲んだ後に平気で収録に来てバリバリと仕事をこなす姿から付けられたらしい。自分にとっては着音にしたい声優NO1である。故に仮面ライダーローグは自分にとってはオンリーワンのライダーだと言えよう。デンジャー!で起きたい…クロコダイルインローグで変身しときたい…という妙な気持ちになってくる。スクラッシュドライバーに癒しを求めてしまうことに対しても大目に見てもらいたいとも思う。そういう点では『小林克也ビルドドライバー』もなんとも捨てがたい。2回続けての声優ネタだが、後悔は一切ないよ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

機織姫

ワルシャワ
ホラー
栃木県日光市にある鬼怒沼にある伝説にこんな話がありました。そこで、とある美しい姫が現れてカタンコトンと音を鳴らす。声をかけるとその姫は一変し沼の中へ誘うという恐ろしい話。一人の少年もまた誘われそうになり、どうにか命からがら助かったというが。その話はもはや忘れ去られてしまうほど時を超えた現代で起きた怖いお話。はじまりはじまり

ニート息子の言霊録~信じるしかないじゃん、だって家族だもん~

かねい彪子
エッセイ・ノンフィクション
大学、専門学校、技能学生を辞めた21歳ニート息子。母子家庭で母と二人暮らしの先の見えないはずの毎日……でもニート息子には明るい未来が見えている!?ニートのポジティブな言葉を背に母は今日もご出勤。息子の言葉がいつか「言霊」になると信じて。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

怪奇現象継続中。母は家庭内ストーカー

たくひあい
エッセイ・ノンフィクション
数年前から私に貼りついて監視をしている母の情緒不安定さとか。 ある程度溜まったので小分けにして載せようと思いました。 【よく出てくる、気になるワード】 ヤマザキ/青山さん/狸の置物/8時にテレビを観る義務がある/ドラマ/ブルーレット置くだけ/生姜焼き

絵にしてみたい一日

ロム猫
エッセイ・ノンフィクション
 ロム猫一家が織りなす些細な日常。  ほっこりと、そしてちょっと可笑しい日々を綴ってみました。  ゆるい気持ちで読んで下さい。

最終死発電車

真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。 直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。 外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。 生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。 「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!

#彼女を探して・・・

杉 孝子
ホラー
 佳苗はある日、SNSで不気味なハッシュタグ『#彼女を探して』という投稿を偶然見かける。それは、特定の人物を探していると思われたが、少し不気味な雰囲気を醸し出していた。日が経つにつれて、そのタグの投稿が急増しSNS上では都市伝説の話も出始めていた。

処理中です...