140 / 154
終章 虹
第137話 「群青の森」
しおりを挟む
「群青の、森……?」
見渡す限り、目の覚めるような群青色。
『大海樹』の影響だろうか、この付近は深い青だが、遠くへ行くほど青は薄くなっていく。
空からはいく筋も木漏れ日が差し込んでいて、群青の地面を細く淡く照らしている。
蛍だろうか、妖精だろうか、辺りにはふわりふわりと白い光が浮かび、明滅を繰り返す。
「――来たか」
横から声がかかり、私たちは一斉にそちらを向く。
群青の中から現れ出たのは、銀色の髪を背中で結い、金色の瞳を持つすらりとした青年――アルバート王子だった。
「ここがエルフの森の最深部。母上、セオドア、フェン――そして巫女たち、無事で何よりだ」
にこりともせず、アルバートは冷たい瞳で私たちを一瞥する。
「~♪ ~~♪」
ハルモニアが、何か伝えようとして歌を口ずさむと、アルバートは目を細めてそちらを向いた。
フェンがすぐさま通訳をする。
「『アル、エルフの皆さんを説得してくれてありがとう。皆さんはどこか別の場所にいるの?』ってさ」
「ええ、母上。エルフたちは、人に姿を見せたくないようです。私と母上だけになったら、出て来てくれると思います」
フェンはハルモニアに妖精語で、私たちには人の言葉で、通訳を続ける。
「『なら、皆さんとはここでお別れね。パステルさん、ティエラちゃん、楽しかったわ。セオくん、元気でね。それからフェン――』って、おい、ハル。俺は聖王国には戻らねえぞ。これからもハルと一緒にいてやる。ハルが嫌だって言ってもな」
フェンが吠えると、ハルモニアは驚いたように目を丸くし、すぐさま破顔してフェンに抱きついた。
長い毛に覆われた尻尾が、ぶんぶんと左右に揺れる。
「アル兄様……」
「……セオドア。感情が戻ったと、メーア嬢から聞いた。お前もそんな表情が出来たんだな」
セオは眉を下げて、少し寂しそうな表情をしていた。
アルバートの方こそ、あまり表情が読めないが……口角が少しだけ上がっているような気がする。
「アル兄様。今までありがとうございました」
その言葉に、アルバートは、何も言わず首を横に振ったのだった。
「『じゃあ、わたしは早速、大海樹に力を注ぐわ。少し大変そうね』――だとさ」
「あ、あの、ハルモニア様。私にもお手伝いさせていただけませんか? 魔力は数日すれば回復しますし、お世話になったお礼も出来ていませんから」
「『それはすごく助かるけれど――いいの?』」
「はい、もちろんです。セオ、『天空樹』には、すぐには行かないわよね?」
「うん。帝都なら安全だから、魔力が戻るまで数日休んでも大丈夫だと思う」
セオが頷いてくれたのを見て、私はハルモニアの隣に立つ。
「『ありがとう、パステルさん。そうしたら、精霊の樹に手をかざして、耳を傾けて、精霊の奏でる旋律を聴くの――』」
「旋律?」
耳を澄ましても、私には木の葉の擦れる音以外、何も聴こえない。
目を閉じて音に集中しようとするが、やはり旋律のようなものは聴こえない――そのかわりに、瞼の裏に色とりどりの光が混ざり合って流れていく。
「魔力の流れ……虹?」
私の視ているのは『虹』のような魔力の川だが、ハルモニアにとっては、『旋律』として聴こえるのだろう。
もう目を開けても、流れゆく色は消え去ることはない。
「『ほら、そこ、不協和音――ここの音をね、魔力でちょちょいっと直してあげるの。こっちも、ほら。半音低いでしょう』」
ハルモニアはそう言って、見えない弦をはじくように指先を優しく動かし、魔力を流していく。
彼女の指摘した場所には、確かに、色の澱みがあった。
白と青が上手く混ざらず、マーブル状になっているのだ。
ハルモニアが魔力を流すと、その部分が徐々に溶け合っていき、均一な水色が出来上がった。
大海樹の上の方から、次々と色が押し寄せてくる。
マーブル状の色の澱みには、白や黒が溶けずに混ざり込んでいて、魔力を流すことでしっかりと溶け合い、様々な明度の光となって樹に吸い込まれていく。
逆に、溶け合ってはいけない色同士がくっついて、茶色や黄土色などに濁っている部分もある。
そういった場所に魔力を当てると、黄色や赤、青に分離して美しい色を取り戻していくのだった。
「だんだんわかってきました」
「『その調子。でも、さすがに、量が多いわね。全て奏で終わるまで、あとどれぐらいかかるかしら』」
「虹のねえね、旋律のねえね。あたいも、手伝う。それなら、早く終わる」
突然、私たちの間にティエラが割り込む。
「ティエラ? ティエラは巫女じゃないでしょ?」
私は制止したが、ティエラは無言で澱みに手をかざした。
ティエラは、拍子抜けするほどすんなりと、澱みを直していく。
「――え? うそ」
「うぇ、鼻、おかしくなりそう」
ティエラは顔をしかめながら、次々と澱み――魔力溜まりを修復している。
まぐれではない。これは――
「ティエラ、あなた……」
「あたい、『調香の巫女』引き継いだ。言ってなかったか?」
「き、聞いてないよ」
ファブロ王国の王城にいた時に、ティエラはフローラから『調香』の力を引き継いでいたようだ。
「どういうことなの?」
「後で話す。今は、集中」
「そ、そうよね」
ティエラに指摘され、私は再び澱みの浄化に向き合ったのだった。
数十年分の澱みも、三人で処理すればなんとか数時間で目処がついてくる。
エルフの魔力が潤沢に流れていたから、それを織り込むことで自分自身から流れる魔力を抑えられたのも大きいかもしれない。
私たちは、ヘトヘトになりながらも、なんとか『大海樹』を健康な姿に戻すことが出来たのだった。
「ふぁぁ、疲れたぁ~」
私は行儀が悪いと思いながら、すっかり灰色になってしまった草の上に倒れ込む。
ハルモニアもフェンに寄りかかって休んでいるし、ティエラは私と同様に寝転んだかと思うと、早々に寝息を立てていた。
「お疲れ様。何も手伝えなくて、ごめん」
「ううん、これは私たちにしか出来ないことだから。ありがとう、セオ」
私は隣に座ったセオの手を借りて体を起こそうとしたが、途中まで身を起こしたところでセオの反対の手が背中に回り、そのままセオの胸に背中を預けるような体勢になった。
セオの両腕は私の体にしっかり巻きついていて、柔らかい髪が頬をくすぐる。
「ふふ、あったかい」
私が頬を擦り寄せると、セオは私を抱く腕の力を強くする。
「……『天空樹』は、これよりもっと大変なんでしょ? やっぱり僕、心配だ」
「セオ……」
『天空樹』の修復が今回以上に大変なのであれば、確かに魂も擦り切れてしまうかもしれない。
それでも私は、行かなくてはならないのだ。
私は、セオの腕に抱かれながら、この温度を忘れないように――深く深く心に刻み込んだのだった。
見渡す限り、目の覚めるような群青色。
『大海樹』の影響だろうか、この付近は深い青だが、遠くへ行くほど青は薄くなっていく。
空からはいく筋も木漏れ日が差し込んでいて、群青の地面を細く淡く照らしている。
蛍だろうか、妖精だろうか、辺りにはふわりふわりと白い光が浮かび、明滅を繰り返す。
「――来たか」
横から声がかかり、私たちは一斉にそちらを向く。
群青の中から現れ出たのは、銀色の髪を背中で結い、金色の瞳を持つすらりとした青年――アルバート王子だった。
「ここがエルフの森の最深部。母上、セオドア、フェン――そして巫女たち、無事で何よりだ」
にこりともせず、アルバートは冷たい瞳で私たちを一瞥する。
「~♪ ~~♪」
ハルモニアが、何か伝えようとして歌を口ずさむと、アルバートは目を細めてそちらを向いた。
フェンがすぐさま通訳をする。
「『アル、エルフの皆さんを説得してくれてありがとう。皆さんはどこか別の場所にいるの?』ってさ」
「ええ、母上。エルフたちは、人に姿を見せたくないようです。私と母上だけになったら、出て来てくれると思います」
フェンはハルモニアに妖精語で、私たちには人の言葉で、通訳を続ける。
「『なら、皆さんとはここでお別れね。パステルさん、ティエラちゃん、楽しかったわ。セオくん、元気でね。それからフェン――』って、おい、ハル。俺は聖王国には戻らねえぞ。これからもハルと一緒にいてやる。ハルが嫌だって言ってもな」
フェンが吠えると、ハルモニアは驚いたように目を丸くし、すぐさま破顔してフェンに抱きついた。
長い毛に覆われた尻尾が、ぶんぶんと左右に揺れる。
「アル兄様……」
「……セオドア。感情が戻ったと、メーア嬢から聞いた。お前もそんな表情が出来たんだな」
セオは眉を下げて、少し寂しそうな表情をしていた。
アルバートの方こそ、あまり表情が読めないが……口角が少しだけ上がっているような気がする。
「アル兄様。今までありがとうございました」
その言葉に、アルバートは、何も言わず首を横に振ったのだった。
「『じゃあ、わたしは早速、大海樹に力を注ぐわ。少し大変そうね』――だとさ」
「あ、あの、ハルモニア様。私にもお手伝いさせていただけませんか? 魔力は数日すれば回復しますし、お世話になったお礼も出来ていませんから」
「『それはすごく助かるけれど――いいの?』」
「はい、もちろんです。セオ、『天空樹』には、すぐには行かないわよね?」
「うん。帝都なら安全だから、魔力が戻るまで数日休んでも大丈夫だと思う」
セオが頷いてくれたのを見て、私はハルモニアの隣に立つ。
「『ありがとう、パステルさん。そうしたら、精霊の樹に手をかざして、耳を傾けて、精霊の奏でる旋律を聴くの――』」
「旋律?」
耳を澄ましても、私には木の葉の擦れる音以外、何も聴こえない。
目を閉じて音に集中しようとするが、やはり旋律のようなものは聴こえない――そのかわりに、瞼の裏に色とりどりの光が混ざり合って流れていく。
「魔力の流れ……虹?」
私の視ているのは『虹』のような魔力の川だが、ハルモニアにとっては、『旋律』として聴こえるのだろう。
もう目を開けても、流れゆく色は消え去ることはない。
「『ほら、そこ、不協和音――ここの音をね、魔力でちょちょいっと直してあげるの。こっちも、ほら。半音低いでしょう』」
ハルモニアはそう言って、見えない弦をはじくように指先を優しく動かし、魔力を流していく。
彼女の指摘した場所には、確かに、色の澱みがあった。
白と青が上手く混ざらず、マーブル状になっているのだ。
ハルモニアが魔力を流すと、その部分が徐々に溶け合っていき、均一な水色が出来上がった。
大海樹の上の方から、次々と色が押し寄せてくる。
マーブル状の色の澱みには、白や黒が溶けずに混ざり込んでいて、魔力を流すことでしっかりと溶け合い、様々な明度の光となって樹に吸い込まれていく。
逆に、溶け合ってはいけない色同士がくっついて、茶色や黄土色などに濁っている部分もある。
そういった場所に魔力を当てると、黄色や赤、青に分離して美しい色を取り戻していくのだった。
「だんだんわかってきました」
「『その調子。でも、さすがに、量が多いわね。全て奏で終わるまで、あとどれぐらいかかるかしら』」
「虹のねえね、旋律のねえね。あたいも、手伝う。それなら、早く終わる」
突然、私たちの間にティエラが割り込む。
「ティエラ? ティエラは巫女じゃないでしょ?」
私は制止したが、ティエラは無言で澱みに手をかざした。
ティエラは、拍子抜けするほどすんなりと、澱みを直していく。
「――え? うそ」
「うぇ、鼻、おかしくなりそう」
ティエラは顔をしかめながら、次々と澱み――魔力溜まりを修復している。
まぐれではない。これは――
「ティエラ、あなた……」
「あたい、『調香の巫女』引き継いだ。言ってなかったか?」
「き、聞いてないよ」
ファブロ王国の王城にいた時に、ティエラはフローラから『調香』の力を引き継いでいたようだ。
「どういうことなの?」
「後で話す。今は、集中」
「そ、そうよね」
ティエラに指摘され、私は再び澱みの浄化に向き合ったのだった。
数十年分の澱みも、三人で処理すればなんとか数時間で目処がついてくる。
エルフの魔力が潤沢に流れていたから、それを織り込むことで自分自身から流れる魔力を抑えられたのも大きいかもしれない。
私たちは、ヘトヘトになりながらも、なんとか『大海樹』を健康な姿に戻すことが出来たのだった。
「ふぁぁ、疲れたぁ~」
私は行儀が悪いと思いながら、すっかり灰色になってしまった草の上に倒れ込む。
ハルモニアもフェンに寄りかかって休んでいるし、ティエラは私と同様に寝転んだかと思うと、早々に寝息を立てていた。
「お疲れ様。何も手伝えなくて、ごめん」
「ううん、これは私たちにしか出来ないことだから。ありがとう、セオ」
私は隣に座ったセオの手を借りて体を起こそうとしたが、途中まで身を起こしたところでセオの反対の手が背中に回り、そのままセオの胸に背中を預けるような体勢になった。
セオの両腕は私の体にしっかり巻きついていて、柔らかい髪が頬をくすぐる。
「ふふ、あったかい」
私が頬を擦り寄せると、セオは私を抱く腕の力を強くする。
「……『天空樹』は、これよりもっと大変なんでしょ? やっぱり僕、心配だ」
「セオ……」
『天空樹』の修復が今回以上に大変なのであれば、確かに魂も擦り切れてしまうかもしれない。
それでも私は、行かなくてはならないのだ。
私は、セオの腕に抱かれながら、この温度を忘れないように――深く深く心に刻み込んだのだった。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説

【完結】勘違いから始まる剣聖側仕えと没落貴族の成り上がりーー側仕えが強いことはそんなにおかしいことなのでしょうかーー
まさかの
ファンタジー
4/21 追記
後日談を少しだけ投稿予定です。新作に時間取られておりますので、5月から数話程度出します。
フェニルの後日談を少しだけお待ちくださいませ。
大罪を犯した親のせいで大変な人生を送る貴族レーシュ・モルドレッドは野心があった。
しかし、他の貴族から嫌われ、常に暗殺の危険に晒されていた。
そんな嫌われ貴族に、剣聖という特殊な加護を持つエステルが世話係である側仕えとしてやってきたのだった。
レーシュは快く出迎え、顔を見ないままでエステルへ愛をささやいた。
お互いの顔が初めて向かい合った時に、レーシュは目を揺らし、体を震わせながら、言葉を詰まらせた。
それは愛の──。
「だれだ……この田舎娘は──!?」
言葉ではなかった!?
本来は貴族しかなれない側仕えに、剣聖の加護を持つ最強の女がなってしまった!
いがみあう二人だが、お互いに長所を補い、権力と欲が絡み合う貴族社会を生き抜いていく。
誰も知らなかった。嫌われ貴族の側仕えがあまりにも特殊なことを。
エステルは今日も思う。
側仕えが強いことはそんなにおかしいことなのでしょうか。
小説家になろう、エブリスタ、アルファポリス、カクヨムで投稿しています。
【完結】旦那様、その真実の愛とお幸せに
おのまとぺ
恋愛
「真実の愛を見つけてしまった。申し訳ないが、君とは離縁したい」
結婚三年目の祝いの席で、遅れて現れた夫アントンが放った第一声。レミリアは驚きつつも笑顔を作って夫を見上げる。
「承知いたしました、旦那様。その恋全力で応援します」
「え?」
驚愕するアントンをそのままに、レミリアは宣言通りに片想いのサポートのような真似を始める。呆然とする者、訝しむ者に見守られ、迫りつつある別れの日を二人はどういった形で迎えるのか。
◇真実の愛に目覚めた夫を支える妻の話
◇元サヤではありません
◇全56話完結予定

プラス的 異世界の過ごし方
seo
ファンタジー
日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。
呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。
乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。
#不定期更新 #物語の進み具合のんびり
#カクヨムさんでも掲載しています

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
所詮、わたしは壁の花 〜なのに辺境伯様が溺愛してくるのは何故ですか?〜
しがわか
ファンタジー
刺繍を愛してやまないローゼリアは父から行き遅れと罵られていた。
高貴な相手に見初められるために、とむりやり夜会へ送り込まれる日々。
しかし父は知らないのだ。
ローゼリアが夜会で”壁の花”と罵られていることを。
そんなローゼリアが参加した辺境伯様の夜会はいつもと雰囲気が違っていた。
それもそのはず、それは辺境伯様の婚約者を決める集まりだったのだ。
けれど所詮”壁の花”の自分には関係がない、といつものように会場の隅で目立たないようにしているローゼリアは不意に手を握られる。
その相手はなんと辺境伯様で——。
なぜ、辺境伯様は自分を溺愛してくれるのか。
彼の過去を知り、やがてその理由を悟ることとなる。
それでも——いや、だからこそ辺境伯様の力になりたいと誓ったローゼリアには特別な力があった。
天啓<ギフト>として女神様から賜った『魔力を象るチカラ』は想像を創造できる万能な能力だった。
壁の花としての自重をやめたローゼリアは天啓を自在に操り、大好きな人達を守り導いていく。

北条氏政転生 関八州どころか東日本は全部俺の物 西は信長に任せて俺は歴史知識を利用して天下統一を手助けします。
ヒバリ
ファンタジー
1〜20までスカウトや内政ターン
20〜33まで戦タイム 安房攻め
34〜49戦後処理と内政
目標11/3日までに書き溜め
50〜61河東の戦い1
62〜70河東の戦い2
71〜80河東の戦い3
81〜85河東の戦い 後始末
86〜 川越夜戦
やばい、話の準備してるとどんどん内容が増えて予定通りにいかんのだがー?
時代物が好きなのでかきました。
史実改変物です。基本的な大きな歴史事件は史実通りに起こります。しかし、細かい戦や自分から仕掛ける戦はべつです。関東に詳しくなく細かい領地の石高や農業に関することはわからないのでご都合主義ですしある程度は史実とは違うことをするので全体的にご都合主義です。
北条氏親がいない世界線です。変更はこれだけです。あとは時代知識を使って漁夫の利を桶狭間でとったり、河東を強化して領内を強くして川越夜戦の援軍に駆けつけて関東統一にのりだします。史実通り豊後に来たポルトガル船を下田に呼んで史実より早めの鉄砲入手や、浪人になったり登用される前の有名武将をスカウトしたりします。ある程度は調べていますが細かい武将までは知りません。こういう武将がいてこんなことしましたよ!とか意見ください。私の好きなものを書きます。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる