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38 エミリア、情報収集する
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エミリア視点です。
――*――
私は今、プリシラが殿下に突撃してきた隙に一年生の教室へ行き、プリシラの同居人を目撃したという令嬢に話を聞いている所である。
噂の出所はすぐに判明した。
噂を流した本人がとてもお喋り好きで、一年生の教室に行った時もその話をしていたからだ。
ちなみに、この情報収集は殿下のご指示だ。
――それにしても殿下は、何を考えているのだろう。
プリシラに罠を仕掛けるから情報が必要だと言ってはいたが、私達全員が幸せになる為に仕掛ける罠だ、詳しい事はまだ秘密、とはぐらかされてしまった。
私は出来る限り威圧感が無いように柔らかく微笑んで、その令嬢を呼び出した。
三年生が一年生を呼び出すなんて嫌がられるかと思ったのだが、意に反して、その令嬢は事の顛末を喜んで話してくれたのだった。
「ええ、ええ、レストランでは非常に親密そうに顔を近づけて話しておりましたわ。小声でしたから何を話しているかは聞き取れませんでしたが、時折男性の方が頬を赤く染めておいででした」
「そうなのね……その男性はどのような方だったの?」
「茶髪で緑色の瞳、そばかすのある男性ですわ。スーツを着てはいましたが、あの男性は貴族ではありませんわね。非常に緊張している様子でしたし、食事マナーもエスコートもぎこちなかったですもの。お二人が帰って行った方向も、貴族街ではなく職人街でしたわ」
「よ、よく見ていらしたのね」
「ええ、ええ、私は目が良いのですわ。帰る時間も偶然重なった物ですから、つい興味本位で追ってしまいましたわ」
「そ、そう……。お話しして下さって、ありがとう」
「とんでもないですわ。何度でもお話しさせて頂きますから、何かありましたら是非またお声をお掛け下さいまし」
……この令嬢は要注意である。
貴族は総じて噂話が好きだし好奇心も旺盛だが、何というか彼女は飛び抜けている感じがする……あまり関わりたくないタイプだ。
まあ、もう卒業するし関わることも無いだろうが。
私が教室に戻ると、プリシラはもう居なくなっていた。
殿下は少し不機嫌そうな顔をしていたが、私が声を掛けるとすぐさまいつもの美しい笑顔に戻ったのだった。
「お帰り、エミリア。やはり君がいると教室が明るくなっていいね」
「まあ、殿下ったら大袈裟なんですから。私、二十分ぐらいしか席を外しておりませんわよ」
「全くです。こんな短時間で不機嫌になられたら、たまったもんじゃありませんよ。エミリア様、知ってます? エミリア様が休養していた時なんてずーっと空気が澱んでて大変だったんですよ」
「まあ、そうですの?」
「あの頃はアレクとプリシラ嬢以外は誰も私に話しかけてこようとしなかったな。何故だ」
「さて何故でしょうねぇ。じゃあエミリア様も戻られた事ですし、俺はコーヒー買いに行ってきますよ」
「あらアレク、大丈夫よ。戻りがけに買って来たわ」
「あっ……そうですか、ありがとうございます……」
「エミリアありがとう。私の天使は本当に気が利くね」
殿下は嬉しそうにコーヒーを二つ受け取り、にこにこしながら一つをアレクに手渡した。
アレクは申し訳なさそうに肩を落として、恐る恐るコーヒーを受け取った。
殿下はブラックで、私はミルクだけ入れる。
甘いコーヒーが好きなアレクは、残ったミルク二つと砂糖を三つ入れるのが常だ。
私は、ランチタイムのこのゆったりした時間が好きである。
「それで、プリシラの件ですけれど……」
私は先程の令嬢に聞いた話を、殿下とアレクに話した。
だが、それだけではなく、更に私は付け加える。
「前にも話したかと思うのですが、物語では、プリシラと同居しているのは彼女の幼馴染です。平民で、年齢もプリシラに近い筈ですわ。お互いの誕生日をお祝いしたりして、幼馴染として仲良くしているように描かれていました。ですが、噂を流した令嬢の情報と物語の情報を照らし合わせてみて、恐らく……幼馴染の彼の方は、プリシラに片想いをしていると思います」
「……成る程……」
「ですが身分の壁があります……その幼馴染はもう一歩、踏み出したくとも踏み出せないでいるのかも知れないですわね」
スワロー男爵は貧乏だ。
プリシラは殿下と結ばれなくても、家の為に裕福な貴族家の男性と結婚しなくてはならない筈だ。
それを幼馴染の彼も理解しているだろう。
「……分かった、ありがとうエミリア。後はやはり本人に接触してみるしかないか……」
「今日の放課後からプリシラ嬢を尾行します。しっかり情報を集めてみせますよ」
「頼んだぞ、アレク」
「はっ」
「殿下、私は何かすること、ございますか?」
「そうだな……少し、男爵領の経営状態を調べてみようと思うのだが、エミリアも手伝ってくれるかい?」
「ええ、勿論ですわ」
何をお考えなのかは分からないが、殿下は生き生きとして楽しそうだ。
まるで悪戯を考えている子供のよう。
私も段々、殿下の計画が楽しみになって来たのだった。
********
私は放課後、殿下と一緒に王太子執務室で調べ物をしていた。
無論、殿下には公務もあるので、それを手伝ってからだ。
そこそこ時間がかかったので、もう外はすっかり暗くなっている。
それでも、王太子妃教育のお陰で私には手伝える事もそれなりにあったので、殿下は公務が半分の時間で片付いたと喜んでいた。
……普段、学園から帰ってから殿下はどれだけ沢山の公務をこなしているのだろうか。
私は殿下の体調が心配になってしまったのだが、殿下は心配してくれてありがとう、大丈夫だ、と銀色の目を細めて美しく微笑んだのだった。
早く卒業して、毎日お側でお手伝い出来るようになれば良いのですが、と私が言うと、殿下は頬を赤く染め、それは反則だ……! と蹲ってしまった。
……どうしてだろうか。
かくして、今はスワロー男爵領の経営状態を調べている所である。
「スワロー男爵領は依然厳しい経営状態のようだな」
「ええ、ですがここ。昨年、一昨年の同時期と比較して、少しだけ収入が増加していますわね」
「どうやら新規事業を始めたようだな。気になるのは隣の子爵領では同じ時期に逆に支出が増大している点だ。まあ、赤字ではないし、今月上がってきた報告では一気に収入が増加している」
「うーん……数字だけでは分かりませんわね……」
「そうだな。男爵領、子爵領方面から来た行商人や旅人に話を聞いてみるか」
コンコンコン。
その時、執務室にノックの音が響いた。
殿下が招き入れると、失礼します、と言いながら入ってきたのは予想外の人物だった。
「ん? アレク、尾行はどうした」
アレクは今日の放課後からプリシラを尾行していた筈である。
それが数時間で戻ってくるとは、何かトラブルでもあったのだろうか。
「プリシラの自宅の場所と、同居人が判明しました。俺の知っている人物でしたし、エミリア様の仰った人相とも一致しましたので、戻って参りました」
「なに? アレクの知人だったのか?」
「知人といいますか……素性は分かっています。ほら、これ」
そう言ってアレクは、ホリデーの時に私達にプレゼントしてくれた物と同じ、赤い革製のブレスレットを取り出した。
「彼は、職人街にある革工房『ラバーラバー』の若手職人です。ホリデーの際に、俺とモニカ様が話をしています」
「まあ! このブレスレットに名入れをしてくれた職人さんね! 私、大切に持ち歩いているのよ、ほら」
そう言って私は、鞄の中から青いブレスレットを取り出した。
ブレスレットにはエミリアという名前と、店名『ラバーラバー』の刻印が入っている。
殿下も白いブレスレットを貰っていた筈だが、私達の持つブレスレットを見て何だか微妙な表情をしていた。
「それで、このブレスレットに名入れをして貰っている時に、不躾ではありますが彼のプライベートの話を聞いていたのです。彼は二年前に王都に来て職人になったそうなのですが、昨年の夏に幼馴染が王都の学校に通う事になって同居していると言っていました。自分はその幼馴染の事が好きなのだが、幼馴染には他に好きな男がいるようだと……まさかそれがプリシラ嬢の事だとは思いもしませんでしたが」
「エミリアの予想通り、彼の片想いか」
「そうですわね……」
「どうします? 彼は俺のことを覚えているかも知れませんし、俺なら接触も簡単ですが」
「……そうだな。だが、私も一緒に行く。直接話したい」
そうと決まれば早速職人街に行かなくては、と殿下とアレクは次の休日に出かけられるよう、準備を始めた。
本当は私も付いて行きたかったが、今回は二人で行くらしい。
代わりに、休日に出掛ける分公務のスケジュールを前倒しする事になるので、私はそのお手伝いをする事にしたのだった。
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私は今、プリシラが殿下に突撃してきた隙に一年生の教室へ行き、プリシラの同居人を目撃したという令嬢に話を聞いている所である。
噂の出所はすぐに判明した。
噂を流した本人がとてもお喋り好きで、一年生の教室に行った時もその話をしていたからだ。
ちなみに、この情報収集は殿下のご指示だ。
――それにしても殿下は、何を考えているのだろう。
プリシラに罠を仕掛けるから情報が必要だと言ってはいたが、私達全員が幸せになる為に仕掛ける罠だ、詳しい事はまだ秘密、とはぐらかされてしまった。
私は出来る限り威圧感が無いように柔らかく微笑んで、その令嬢を呼び出した。
三年生が一年生を呼び出すなんて嫌がられるかと思ったのだが、意に反して、その令嬢は事の顛末を喜んで話してくれたのだった。
「ええ、ええ、レストランでは非常に親密そうに顔を近づけて話しておりましたわ。小声でしたから何を話しているかは聞き取れませんでしたが、時折男性の方が頬を赤く染めておいででした」
「そうなのね……その男性はどのような方だったの?」
「茶髪で緑色の瞳、そばかすのある男性ですわ。スーツを着てはいましたが、あの男性は貴族ではありませんわね。非常に緊張している様子でしたし、食事マナーもエスコートもぎこちなかったですもの。お二人が帰って行った方向も、貴族街ではなく職人街でしたわ」
「よ、よく見ていらしたのね」
「ええ、ええ、私は目が良いのですわ。帰る時間も偶然重なった物ですから、つい興味本位で追ってしまいましたわ」
「そ、そう……。お話しして下さって、ありがとう」
「とんでもないですわ。何度でもお話しさせて頂きますから、何かありましたら是非またお声をお掛け下さいまし」
……この令嬢は要注意である。
貴族は総じて噂話が好きだし好奇心も旺盛だが、何というか彼女は飛び抜けている感じがする……あまり関わりたくないタイプだ。
まあ、もう卒業するし関わることも無いだろうが。
私が教室に戻ると、プリシラはもう居なくなっていた。
殿下は少し不機嫌そうな顔をしていたが、私が声を掛けるとすぐさまいつもの美しい笑顔に戻ったのだった。
「お帰り、エミリア。やはり君がいると教室が明るくなっていいね」
「まあ、殿下ったら大袈裟なんですから。私、二十分ぐらいしか席を外しておりませんわよ」
「全くです。こんな短時間で不機嫌になられたら、たまったもんじゃありませんよ。エミリア様、知ってます? エミリア様が休養していた時なんてずーっと空気が澱んでて大変だったんですよ」
「まあ、そうですの?」
「あの頃はアレクとプリシラ嬢以外は誰も私に話しかけてこようとしなかったな。何故だ」
「さて何故でしょうねぇ。じゃあエミリア様も戻られた事ですし、俺はコーヒー買いに行ってきますよ」
「あらアレク、大丈夫よ。戻りがけに買って来たわ」
「あっ……そうですか、ありがとうございます……」
「エミリアありがとう。私の天使は本当に気が利くね」
殿下は嬉しそうにコーヒーを二つ受け取り、にこにこしながら一つをアレクに手渡した。
アレクは申し訳なさそうに肩を落として、恐る恐るコーヒーを受け取った。
殿下はブラックで、私はミルクだけ入れる。
甘いコーヒーが好きなアレクは、残ったミルク二つと砂糖を三つ入れるのが常だ。
私は、ランチタイムのこのゆったりした時間が好きである。
「それで、プリシラの件ですけれど……」
私は先程の令嬢に聞いた話を、殿下とアレクに話した。
だが、それだけではなく、更に私は付け加える。
「前にも話したかと思うのですが、物語では、プリシラと同居しているのは彼女の幼馴染です。平民で、年齢もプリシラに近い筈ですわ。お互いの誕生日をお祝いしたりして、幼馴染として仲良くしているように描かれていました。ですが、噂を流した令嬢の情報と物語の情報を照らし合わせてみて、恐らく……幼馴染の彼の方は、プリシラに片想いをしていると思います」
「……成る程……」
「ですが身分の壁があります……その幼馴染はもう一歩、踏み出したくとも踏み出せないでいるのかも知れないですわね」
スワロー男爵は貧乏だ。
プリシラは殿下と結ばれなくても、家の為に裕福な貴族家の男性と結婚しなくてはならない筈だ。
それを幼馴染の彼も理解しているだろう。
「……分かった、ありがとうエミリア。後はやはり本人に接触してみるしかないか……」
「今日の放課後からプリシラ嬢を尾行します。しっかり情報を集めてみせますよ」
「頼んだぞ、アレク」
「はっ」
「殿下、私は何かすること、ございますか?」
「そうだな……少し、男爵領の経営状態を調べてみようと思うのだが、エミリアも手伝ってくれるかい?」
「ええ、勿論ですわ」
何をお考えなのかは分からないが、殿下は生き生きとして楽しそうだ。
まるで悪戯を考えている子供のよう。
私も段々、殿下の計画が楽しみになって来たのだった。
********
私は放課後、殿下と一緒に王太子執務室で調べ物をしていた。
無論、殿下には公務もあるので、それを手伝ってからだ。
そこそこ時間がかかったので、もう外はすっかり暗くなっている。
それでも、王太子妃教育のお陰で私には手伝える事もそれなりにあったので、殿下は公務が半分の時間で片付いたと喜んでいた。
……普段、学園から帰ってから殿下はどれだけ沢山の公務をこなしているのだろうか。
私は殿下の体調が心配になってしまったのだが、殿下は心配してくれてありがとう、大丈夫だ、と銀色の目を細めて美しく微笑んだのだった。
早く卒業して、毎日お側でお手伝い出来るようになれば良いのですが、と私が言うと、殿下は頬を赤く染め、それは反則だ……! と蹲ってしまった。
……どうしてだろうか。
かくして、今はスワロー男爵領の経営状態を調べている所である。
「スワロー男爵領は依然厳しい経営状態のようだな」
「ええ、ですがここ。昨年、一昨年の同時期と比較して、少しだけ収入が増加していますわね」
「どうやら新規事業を始めたようだな。気になるのは隣の子爵領では同じ時期に逆に支出が増大している点だ。まあ、赤字ではないし、今月上がってきた報告では一気に収入が増加している」
「うーん……数字だけでは分かりませんわね……」
「そうだな。男爵領、子爵領方面から来た行商人や旅人に話を聞いてみるか」
コンコンコン。
その時、執務室にノックの音が響いた。
殿下が招き入れると、失礼します、と言いながら入ってきたのは予想外の人物だった。
「ん? アレク、尾行はどうした」
アレクは今日の放課後からプリシラを尾行していた筈である。
それが数時間で戻ってくるとは、何かトラブルでもあったのだろうか。
「プリシラの自宅の場所と、同居人が判明しました。俺の知っている人物でしたし、エミリア様の仰った人相とも一致しましたので、戻って参りました」
「なに? アレクの知人だったのか?」
「知人といいますか……素性は分かっています。ほら、これ」
そう言ってアレクは、ホリデーの時に私達にプレゼントしてくれた物と同じ、赤い革製のブレスレットを取り出した。
「彼は、職人街にある革工房『ラバーラバー』の若手職人です。ホリデーの際に、俺とモニカ様が話をしています」
「まあ! このブレスレットに名入れをしてくれた職人さんね! 私、大切に持ち歩いているのよ、ほら」
そう言って私は、鞄の中から青いブレスレットを取り出した。
ブレスレットにはエミリアという名前と、店名『ラバーラバー』の刻印が入っている。
殿下も白いブレスレットを貰っていた筈だが、私達の持つブレスレットを見て何だか微妙な表情をしていた。
「それで、このブレスレットに名入れをして貰っている時に、不躾ではありますが彼のプライベートの話を聞いていたのです。彼は二年前に王都に来て職人になったそうなのですが、昨年の夏に幼馴染が王都の学校に通う事になって同居していると言っていました。自分はその幼馴染の事が好きなのだが、幼馴染には他に好きな男がいるようだと……まさかそれがプリシラ嬢の事だとは思いもしませんでしたが」
「エミリアの予想通り、彼の片想いか」
「そうですわね……」
「どうします? 彼は俺のことを覚えているかも知れませんし、俺なら接触も簡単ですが」
「……そうだな。だが、私も一緒に行く。直接話したい」
そうと決まれば早速職人街に行かなくては、と殿下とアレクは次の休日に出かけられるよう、準備を始めた。
本当は私も付いて行きたかったが、今回は二人で行くらしい。
代わりに、休日に出掛ける分公務のスケジュールを前倒しする事になるので、私はそのお手伝いをする事にしたのだった。
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