30 / 48
30 攫われたエミリア
しおりを挟む
エミリア視点です。
残酷な表現があります。苦手な方はご注意下さい。
――*――
私は、父の執務室で眠くなってしまい、ソファで眠っていた筈だった。
しかし、目が覚めた時には、私は何故か見知らぬ部屋のベッドに寝かされていた。
「ん……ここは……?」
この部屋には来た事がないのだが、王城の中でも非常に豪華な造りの部屋である。
貴賓室……だろうか。
いや、それよりも豪華だ……国王陛下の謁見室とも遜色ないレベルの、贅沢な調度が揃っている。
寝かされていたベッドもふかふかで質が良いが、状況が良く分からない。
ベッドから降りようと身を起こしたその時、私は気がついた。
――手足に、枷が嵌められている。
私は、さあっと血の気が引いた。
手足の枷は、それぞれベッドの基部に鎖で繋がれていて、自力では外せそうにない。
あまりの衝撃に、涙も出てこなかった。
「何? 何が起きたの……?」
幸い着衣に乱れはないようだし、枷で繋がれている手首や足首も、動かさなければ痛くない。
私は頭をフル回転させ、状況を整理した。
窓から見える景色から鑑みて、ここは王城の一室に間違いない。
非常に豪華な造りの部屋であるが、貴賓室でもなく、テーブルの上に本が開きっぱなしになっていたり、書きかけのメモが置いてあったりと、僅かに生活感がある。
私が更に視線を動かすと、そこには――
「押し花のしおり、私が焼いたクッキーの包み紙とメッセージカード、刺繍入りのハンカチ……私が城で配った物ばかりだわ。刺繍のイニシャルは……F・R……?」
豪華な部屋……王族?
F・R……
――フリードリヒ・レインフォード……?
私が部屋の主に思い至ると同時に、出入り口の扉が開く。
そこに立っていたのはまさしく、フリードリヒ殿下その人だった。
「こんにちは、エミリア嬢」
フリードリヒ殿下はラインハルト殿下の三学年下……もう十五歳になっただろうか。
ラインハルト殿下と良く似た顔立ちだが、まだ幼さも残っている。
一番目を引く違いは、髪の色だ。
フリードリヒ殿下の髪は銀髪ではなく、王妃様と同じ紺色の髪である。
目の色は、ラインハルト殿下の美しい銀色よりもくすんだ濃い色……銀色というより鈍色に近い。
「フリードリヒ殿下……これは一体どういう事でしょうか」
「ふふ……枷で繋がれた貴女も美しいね」
「……! 御冗談はおやめ下さい。幾らフリードリヒ殿下でも、やって良い事と悪い事が」
「五月蝿い!!」
パチン!
そう叫んで私の話を遮ったフリードリヒ殿下は、私の方に歩み寄って、思い切り平手打ちをした。
その顔は苦しそうに歪み、その瞳には昏い狂気を湛えている。
どうしたのだろう……いつもはささやかな贈り物にも喜んでくれる穏やかなお人なのに、今日のフリードリヒ殿下は到底正気とは思えない。
その痛みと恐怖に私の身体は震え、涙が溢れて来てしまう。
「ああ……泣いている姿も美しい」
フリードリヒ殿下は私を平手打ちしたその手で、今度は涙を拭い、指についた涙をぺろりと舐めとった。
ぞぞぞ、と背筋に悪寒が走る。
いやだ、気持ち悪い……何を考えているの……?
「エミリア嬢。僕はね、ずっと、ずうーっと貴女を見ていたんだ。貴女が登城した時は毎回、遠くから見てた。貴女が贈ってくれた物は全て大切に取ってある。僕、それで満足だったんだ。兄上は優秀で、僕なんかどれだけ頑張っても足元にも及ばないから、兄上から貴女を奪おうなんて考えもしなかった」
フリードリヒ殿下は狂気の笑みを湛えながら、語り出す。
「僕の周りには、僕が欲しい言葉をくれる人しか要らなかった。だって、頑張ったって兄上は超えられないし、頑張ったって王にはなれない。頑張ったって誰も褒めてくれないから、それならせめて、毎日気分良く過ごしたかった」
そこでフリードリヒ殿下は一息つくと、私のおとがいに手をかける。
嫌だ……やめて……!
「ふふ、いいね、嫌がる表情すら美しい。安心して、まだ奪わないよ。まずは僕の話を最後まで聞いて」
フリードリヒ殿下は私から一度手を話すと、何かの演劇を朗読するかのように、室内を歩き回りながら饒舌に話し始めた。
「僕はね、兄上が羨ましかった訳じゃない。むしろ尊敬してる。僕は出来損ないだからね、優秀な兄上を誇りに思っているんだよ。……僕、ある人に言われたんだ。王様になりたくないのかって。僕は答えた。なりたくない、兄上の方が相応しいって。そうしたら、その人、何て言ったと思う? ……貴方は兄上に騙されている、本当の王の器は貴方だ、生まれた順番が少し遅かっただけで王になる機会を失うなんて馬鹿げていると思わないか。王になってこの古臭い制度を変えてみないか、貴方こそが革命を起こすのだ、と」
……クーデターを起こそうと……いや、今現在起きている所なのかも知れない。
ラインハルト殿下や陛下はご無事だろうか……!
「その人はこうも言った。兄上がいなくなれば、愛しのエミリア嬢を、貴方の側室として迎える事ができる。兄上のお下がりだから正室には出来ないが、ずっと閉じ込めて愛でる事ができる。僕にとっては何よりも魅力的な提案だったよ」
フリードリヒ殿下……もとい、フリードリヒは、徐に足を止め、護身用のナイフを取り出した。
「ああ、そう言えば……さっきデビュタントの中に、貴女が一昨年着ていたドレスを身に付けている令嬢がいたよ。貴女が貸してあげたの? その令嬢も中々魅力的だったなぁ……ドレスのお陰かも知れないなあ。夜になったらその令嬢とも遊ぼうかと思ってるんだけど……どうかな」
「だ、だめ……! 私の友達に、手を出さないで……!」
あまりの恐怖に、喉がひりついて、声が掠れている。
……私がドレスを貸した事でプリシラがフリードリヒの目に留まってしまったのだとしたら……
ここで止めないと、プリシラが、酷い目に遭ってしまう……!
「お願い……何でもするから……私の友達にも、ラインハルト殿下にも、手を出さないで……!」
「なんでも……?」
フリードリヒは、ナイフを手にしたまま一歩ずつ、ゆっくり近づいてくる。
顔には狂気を貼り付けて、瞳は昏く澱んで何も映っていない。
「じゃあ……僕の物になってくれる……?」
「……!」
ぺしん。
私は、自分に伸ばされた手をつい払い除けてしまった。
フリードリヒの顔に怒りが浮かぶ。
「自分の立場がまだ分かっていないようだね……? 貴女は、大人しく僕の物になれば良いんだ! 反抗は許さないっ!!」
バチーン!!
最後の一言は、大声で叫ぶ様に言い放って、フリードリヒは私を再び、先程よりも強く平手打ちした。
「さあ、楽しもうね、エミリア……」
フリードリヒは、狂気の笑みを湛え、私を囲い込む様にベッドに押し倒した。
手に持ったナイフが、私の胸元に近づく。
その刃先が私のドレスに掛かり、ピリピリと音を立て始めたその時……
「やめろぉぉぉ!!!」
剣を片手に、全身血塗れになっているラインハルト殿下が、室内に飛び込んで来たのだった。
フリードリヒの顔から表情が抜け落ちる。
フリードリヒはゆっくりと私から退き、ゆらりと立ち上がった。
「兄上……なんておぞましい。何人斬ってきたの。それとも自分の血? とてもじゃないけど、ご令嬢に見せられる姿じゃないよ」
ラインハルト殿下は左手に提げた剣を持ち上げ、その切っ先をフリードリヒに向けた。
「……エミリアから離れろ」
「……嫌だと言ったら?」
フリードリヒはひたり、と私の首筋にナイフを当てた。
冷たい金属が、薄く肌を滑る。
つう……と一筋、血が流れるのが分かった。
「剣を棄てろよ、兄上」
「くっ……!」
ラインハルト殿下は悔しそうに、手に持っている剣を床に落とした。
フリードリヒは私からナイフを離し、ラインハルト殿下の方へゆっくりと歩を進める。
ラインハルト殿下は丸腰で、抵抗する素振りも見せない。
「さよなら、兄上」
フリードリヒが、ナイフを大きく振りかぶって――
――私の意識は、そこで途切れたのであった。
残酷な表現があります。苦手な方はご注意下さい。
――*――
私は、父の執務室で眠くなってしまい、ソファで眠っていた筈だった。
しかし、目が覚めた時には、私は何故か見知らぬ部屋のベッドに寝かされていた。
「ん……ここは……?」
この部屋には来た事がないのだが、王城の中でも非常に豪華な造りの部屋である。
貴賓室……だろうか。
いや、それよりも豪華だ……国王陛下の謁見室とも遜色ないレベルの、贅沢な調度が揃っている。
寝かされていたベッドもふかふかで質が良いが、状況が良く分からない。
ベッドから降りようと身を起こしたその時、私は気がついた。
――手足に、枷が嵌められている。
私は、さあっと血の気が引いた。
手足の枷は、それぞれベッドの基部に鎖で繋がれていて、自力では外せそうにない。
あまりの衝撃に、涙も出てこなかった。
「何? 何が起きたの……?」
幸い着衣に乱れはないようだし、枷で繋がれている手首や足首も、動かさなければ痛くない。
私は頭をフル回転させ、状況を整理した。
窓から見える景色から鑑みて、ここは王城の一室に間違いない。
非常に豪華な造りの部屋であるが、貴賓室でもなく、テーブルの上に本が開きっぱなしになっていたり、書きかけのメモが置いてあったりと、僅かに生活感がある。
私が更に視線を動かすと、そこには――
「押し花のしおり、私が焼いたクッキーの包み紙とメッセージカード、刺繍入りのハンカチ……私が城で配った物ばかりだわ。刺繍のイニシャルは……F・R……?」
豪華な部屋……王族?
F・R……
――フリードリヒ・レインフォード……?
私が部屋の主に思い至ると同時に、出入り口の扉が開く。
そこに立っていたのはまさしく、フリードリヒ殿下その人だった。
「こんにちは、エミリア嬢」
フリードリヒ殿下はラインハルト殿下の三学年下……もう十五歳になっただろうか。
ラインハルト殿下と良く似た顔立ちだが、まだ幼さも残っている。
一番目を引く違いは、髪の色だ。
フリードリヒ殿下の髪は銀髪ではなく、王妃様と同じ紺色の髪である。
目の色は、ラインハルト殿下の美しい銀色よりもくすんだ濃い色……銀色というより鈍色に近い。
「フリードリヒ殿下……これは一体どういう事でしょうか」
「ふふ……枷で繋がれた貴女も美しいね」
「……! 御冗談はおやめ下さい。幾らフリードリヒ殿下でも、やって良い事と悪い事が」
「五月蝿い!!」
パチン!
そう叫んで私の話を遮ったフリードリヒ殿下は、私の方に歩み寄って、思い切り平手打ちをした。
その顔は苦しそうに歪み、その瞳には昏い狂気を湛えている。
どうしたのだろう……いつもはささやかな贈り物にも喜んでくれる穏やかなお人なのに、今日のフリードリヒ殿下は到底正気とは思えない。
その痛みと恐怖に私の身体は震え、涙が溢れて来てしまう。
「ああ……泣いている姿も美しい」
フリードリヒ殿下は私を平手打ちしたその手で、今度は涙を拭い、指についた涙をぺろりと舐めとった。
ぞぞぞ、と背筋に悪寒が走る。
いやだ、気持ち悪い……何を考えているの……?
「エミリア嬢。僕はね、ずっと、ずうーっと貴女を見ていたんだ。貴女が登城した時は毎回、遠くから見てた。貴女が贈ってくれた物は全て大切に取ってある。僕、それで満足だったんだ。兄上は優秀で、僕なんかどれだけ頑張っても足元にも及ばないから、兄上から貴女を奪おうなんて考えもしなかった」
フリードリヒ殿下は狂気の笑みを湛えながら、語り出す。
「僕の周りには、僕が欲しい言葉をくれる人しか要らなかった。だって、頑張ったって兄上は超えられないし、頑張ったって王にはなれない。頑張ったって誰も褒めてくれないから、それならせめて、毎日気分良く過ごしたかった」
そこでフリードリヒ殿下は一息つくと、私のおとがいに手をかける。
嫌だ……やめて……!
「ふふ、いいね、嫌がる表情すら美しい。安心して、まだ奪わないよ。まずは僕の話を最後まで聞いて」
フリードリヒ殿下は私から一度手を話すと、何かの演劇を朗読するかのように、室内を歩き回りながら饒舌に話し始めた。
「僕はね、兄上が羨ましかった訳じゃない。むしろ尊敬してる。僕は出来損ないだからね、優秀な兄上を誇りに思っているんだよ。……僕、ある人に言われたんだ。王様になりたくないのかって。僕は答えた。なりたくない、兄上の方が相応しいって。そうしたら、その人、何て言ったと思う? ……貴方は兄上に騙されている、本当の王の器は貴方だ、生まれた順番が少し遅かっただけで王になる機会を失うなんて馬鹿げていると思わないか。王になってこの古臭い制度を変えてみないか、貴方こそが革命を起こすのだ、と」
……クーデターを起こそうと……いや、今現在起きている所なのかも知れない。
ラインハルト殿下や陛下はご無事だろうか……!
「その人はこうも言った。兄上がいなくなれば、愛しのエミリア嬢を、貴方の側室として迎える事ができる。兄上のお下がりだから正室には出来ないが、ずっと閉じ込めて愛でる事ができる。僕にとっては何よりも魅力的な提案だったよ」
フリードリヒ殿下……もとい、フリードリヒは、徐に足を止め、護身用のナイフを取り出した。
「ああ、そう言えば……さっきデビュタントの中に、貴女が一昨年着ていたドレスを身に付けている令嬢がいたよ。貴女が貸してあげたの? その令嬢も中々魅力的だったなぁ……ドレスのお陰かも知れないなあ。夜になったらその令嬢とも遊ぼうかと思ってるんだけど……どうかな」
「だ、だめ……! 私の友達に、手を出さないで……!」
あまりの恐怖に、喉がひりついて、声が掠れている。
……私がドレスを貸した事でプリシラがフリードリヒの目に留まってしまったのだとしたら……
ここで止めないと、プリシラが、酷い目に遭ってしまう……!
「お願い……何でもするから……私の友達にも、ラインハルト殿下にも、手を出さないで……!」
「なんでも……?」
フリードリヒは、ナイフを手にしたまま一歩ずつ、ゆっくり近づいてくる。
顔には狂気を貼り付けて、瞳は昏く澱んで何も映っていない。
「じゃあ……僕の物になってくれる……?」
「……!」
ぺしん。
私は、自分に伸ばされた手をつい払い除けてしまった。
フリードリヒの顔に怒りが浮かぶ。
「自分の立場がまだ分かっていないようだね……? 貴女は、大人しく僕の物になれば良いんだ! 反抗は許さないっ!!」
バチーン!!
最後の一言は、大声で叫ぶ様に言い放って、フリードリヒは私を再び、先程よりも強く平手打ちした。
「さあ、楽しもうね、エミリア……」
フリードリヒは、狂気の笑みを湛え、私を囲い込む様にベッドに押し倒した。
手に持ったナイフが、私の胸元に近づく。
その刃先が私のドレスに掛かり、ピリピリと音を立て始めたその時……
「やめろぉぉぉ!!!」
剣を片手に、全身血塗れになっているラインハルト殿下が、室内に飛び込んで来たのだった。
フリードリヒの顔から表情が抜け落ちる。
フリードリヒはゆっくりと私から退き、ゆらりと立ち上がった。
「兄上……なんておぞましい。何人斬ってきたの。それとも自分の血? とてもじゃないけど、ご令嬢に見せられる姿じゃないよ」
ラインハルト殿下は左手に提げた剣を持ち上げ、その切っ先をフリードリヒに向けた。
「……エミリアから離れろ」
「……嫌だと言ったら?」
フリードリヒはひたり、と私の首筋にナイフを当てた。
冷たい金属が、薄く肌を滑る。
つう……と一筋、血が流れるのが分かった。
「剣を棄てろよ、兄上」
「くっ……!」
ラインハルト殿下は悔しそうに、手に持っている剣を床に落とした。
フリードリヒは私からナイフを離し、ラインハルト殿下の方へゆっくりと歩を進める。
ラインハルト殿下は丸腰で、抵抗する素振りも見せない。
「さよなら、兄上」
フリードリヒが、ナイフを大きく振りかぶって――
――私の意識は、そこで途切れたのであった。
50
あなたにおすすめの小説
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした
果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。
そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、
あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。
じゃあ、気楽にいきますか。
*『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。
悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません
れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。
「…私、間違ってませんわね」
曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話
…だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている…
5/13
ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます
5/22
修正完了しました。明日から通常更新に戻ります
9/21
完結しました
また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います
殿下、毒殺はお断りいたします
石里 唯
恋愛
公爵令嬢エリザベスは、王太子エドワードから幼いころから熱烈に求婚され続けているが、頑なに断り続けている。
彼女には、前世、心から愛した相手と結ばれ、毒殺された記憶があり、今生の目標は、ただ穏やかな結婚と人生を全うすることなのだ。
容姿端麗、文武両道、加えて王太子という立場で国中の令嬢たちの憧れであるエドワードと結婚するなどとんでもない選択なのだ。
彼女の拒絶を全く意に介しない王太子、彼女を溺愛し生涯手元に置くと公言する兄を振り切って彼女は人生の目標を達成できるのだろうか。
「小説家になろう」サイトで完結済みです。大まかな流れに変更はありません。
「小説家になろう」サイトで番外編を投稿しています。
ワンチャンあるかな、って転生先で推しにアタックしてるのがこちらの令嬢です
山口三
恋愛
恋愛ゲームの世界に転生した主人公。中世異世界のアカデミーを中心に繰り広げられるゲームだが、大好きな推しを目の前にして、ついつい欲が出てしまう。「私が転生したキャラは主人公じゃなくて、たたのモブ悪役。どうせ攻略対象の相手にはフラれて婚約破棄されるんだから・・・」
ひょんな事からクラスメイトのアロイスと協力して、主人公は推し様と、アロイスはゲームの主人公である聖女様との相思相愛を目指すが・・・。
悪役令嬢に成り代わったのに、すでに詰みってどういうことですか!?
ぽんぽこ狸
恋愛
仕事帰りのある日、居眠り運転をしていたトラックにはねられて死んでしまった主人公。次に目を覚ますとなにやら暗くジメジメした場所で、自分に仕えているというヴィンスという男の子と二人きり。
彼から話を聞いているうちに、なぜかその話に既視感を覚えて、確認すると昔読んだことのある児童向けの小説『ララの魔法書!』の世界だった。
その中でも悪役令嬢である、クラリスにどうやら成り代わってしまったらしい。
混乱しつつも話をきていくとすでに原作はクラリスが幽閉されることによって終結しているようで愕然としているさなか、クラリスを見限り原作の主人公であるララとくっついた王子ローレンスが、訪ねてきて━━━━?!
原作のさらに奥深くで動いていた思惑、魔法玉(まほうぎょく)の謎、そして原作の男主人公だった完璧な王子様の本性。そのどれもに翻弄されながら、なんとか生きる一手を見出す、学園ファンタジー!
ローレンスの性格が割とやばめですが、それ以外にもダークな要素強めな主人公と恋愛?をする、キャラが二人ほど、登場します。世界観が殺伐としているので重い描写も多いです。読者さまが色々な意味でドキドキしてくれるような作品を目指して頑張りますので、よろしくお願いいたします。
完結しました!最後の一章分は遂行していた分がたまっていたのと、話が込み合っているので一気に二十万文字ぐらい上げました。きちんと納得できる結末にできたと思います。ありがとうございました。
悪役令嬢の居場所。
葉叶
恋愛
私だけの居場所。
他の誰かの代わりとかじゃなく
私だけの場所
私はそんな居場所が欲しい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※誤字脱字等あれば遠慮なく言ってください。
※感想はしっかりニヤニヤしながら読ませて頂いています。
※こんな話が見たいよ!等のリクエストも歓迎してます。
※完結しました!番外編執筆中です。
【完結】 悪役令嬢が死ぬまでにしたい10のこと
淡麗 マナ
恋愛
2022/04/07 小説ホットランキング女性向け1位に入ることができました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
第3回 一二三書房WEB小説大賞の最終選考作品です。(5,668作品のなかで45作品)
※コメント欄でネタバレしています。私のミスです。ネタバレしたくない方は読み終わったあとにコメントをご覧ください。
原因不明の病により、余命3ヶ月と診断された公爵令嬢のフェイト・アシュフォード。
よりによって今日は、王太子殿下とフェイトの婚約が発表されるパーティの日。
王太子殿下のことを考えれば、わたくしは身を引いたほうが良い。
どうやって婚約をお断りしようかと考えていると、王太子殿下の横には容姿端麗の女性が。逆に婚約破棄されて傷心するフェイト。
家に帰り、一冊の本をとりだす。それはフェイトが敬愛する、悪役令嬢とよばれた公爵令嬢ヴァイオレットが活躍する物語。そのなかに、【死ぬまでにしたい10のこと】を決める描写があり、フェイトはそれを真似してリストを作り、生きる指針とする。
1.余命のことは絶対にだれにも知られないこと。
2.悪役令嬢ヴァイオレットになりきる。あえて人から嫌われることで、自分が死んだ時の悲しみを減らす。(これは実行できなくて、後で変更することになる)
3.必ず病気の原因を突き止め、治療法を見つけだし、他の人が病気にならないようにする。
4.ノブレス・オブリージュ 公爵令嬢としての責務をいつもどおり果たす。
5.お父様と弟の問題を解決する。
それと、目に入れても痛くない、白蛇のイタムの新しい飼い主を探さねばなりませんし、恋……というものもしてみたいし、矛盾していますけれど、友達も欲しい。etc.
リストに従い、持ち前の執務能力、するどい観察眼を持って、人々の問題や悩みを解決していくフェイト。
ただし、悪役令嬢の振りをして、人から嫌われることは上手くいかない。逆に好かれてしまう! では、リストを変更しよう。わたくしの身代わりを立て、遠くに嫁いでもらうのはどうでしょう?
たとえ失敗しても10のリストを修正し、最善を尽くすフェイト。
これはフェイトが、余命3ヶ月で10のしたいことを実行する物語。皆を自らの死によって悲しませない為に足掻き、運命に立ち向かう、逆転劇。
【注意点】
恋愛要素は弱め。
設定はかなりゆるめに作っています。
1人か、2人、苛立つキャラクターが出てくると思いますが、爽快なざまぁはありません。
2章以降だいぶ殺伐として、不穏な感じになりますので、合わないと思ったら辞めることをお勧めします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる