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24 プリシラとエディ
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プリシラ視点です。
――*――
「エディ、エディー!」
私は、広場に出店している革工房に向かって走りながら、同居人の名を呼んだ。
名入れに使った道具を磨いていたエディは、のんびりと手を止めて返答した。
「おープリシラ、どうした? 俺が恋しくなった?」
「違うわよ! さっきの人たち!」
「へ?」
ピンと来ていない様子のエディに苛々しつつも、先程遠くからチラッと見えた後ろ姿を思い浮かべて、問いかける。
「背の高い男と金髪の女よ! 名入れしたんでしょう? もしかして、アレクとエミリアって彫らなかった!?」
「あー彫ったけど。知り合い?」
「知り合いよ! 気付いた時には広場を離れて、人に紛れちゃったわ。後ろからしか見えなかったけど、うん、名入れしたのがエディでラッキーだった。ついに付き合い出したんだわぁ」
ふふふ、と私は黒い笑みを浮かべる。
ついに証拠を一つ、手に入れた。
これで断罪の日にエディを証人として呼ぶ事ができる…!
「よく分からんけど訳あり? ……あーそういえば、人には言えない関係とか言ってたな。プリシラの知り合いなんだったら言わない方が良かったのか?」
「あはは、いいのよ、私は知ってるんだから。しかしあんた、お手柄よ! 他には何か言ってなかった?」
「うーん、特には」
「そっか。まあでも充分だわ。いい、エディ。あの二人の顔をよーく覚えておいて、次の夏まで絶対に忘れないでね!」
「んん? なんで?」
「なんでもよ! 私にとっては大事なことなの」
「ふーん。わかんねぇけど、わかったよ」
腑に落ちていなさそうなエディの顔を尻目に、私は心の中でガッツポーズを連発する。
ホリデーなのにこれからバイトで、先程までテンションが下がっていたが、思わぬ収穫に私は笑顔になった。
「そういえばプリシラさあ、欲しいもんとかある?」
「え? 急にどしたの?」
「いやぁ、ホリデーだし、何かないかなぁと思って」
「うーん、そうねぇ、欲しいもの……」
欲しいもの……ラインハルト。
そんな事思ってても、エディの前で口に出せる訳がない。
「欲しいもの……愛かなぁ」
私は明後日の方を向いてぼそりと言った。
街にはカップルが溢れているし、ここに来るまでにもうすっかり当てられてしまった。
「……俺ので良ければいくらでもやるぞ」
慰めているつもりだろうか、ちょっと真面目な風を装ってエディはそう答える。
私が欲しいのは友情とか同情とか幼馴染としての愛じゃないの、冗談も大概にしてほしい。
まあ私が心配させるような変なこと言ったから悪いのか。
「やーね、冗談よ! そうねぇ、新しいフライパンが欲しいわ。最近焦げ付くのよね」
「ホリデーのプレゼントにフライパンかよ! お前も大概情緒に欠けるな」
「えぇ!? 私に何を求めてんのよ! そんなロマンチックなプレゼントじゃお腹は膨れないのよ!」
「そういう奴だよな、プリシラは。まあその田舎くさいところが良いんだけどな」
「何よ、私が田舎者ならあんたも同じじゃない! 何なら隣の家だし!」
「まーな。てかお前、これからバイトじゃねーの? 時間大丈夫かよ?」
「あっ! しまった! ……じゃあエディ、また夜にね! ありがとー!」
「おう、バイト頑張れよー」
私は背中にエディの声を受けながら、走ってバイト先に向かうのだった。
********
その日の夜。
家に帰ってきたエディは、新しいフライパンを可愛くラッピングして、プレゼントしてくれたのだった。
フライパンが欲しかったのは事実なので、ラッピングはともかく、普通に嬉しかった。
私はエディにお礼を言うと、バイト帰りに買った靴下をエディに渡した。
ホリデーらしくもない地味なデザインだが、今エディが履いている物は穴が空きそうになっているから、丁度いいと思って買ったのだ。
エディは私からプレゼントがあるとは思っていなかったらしく、最初はクリクリの目をさらに丸くして驚いていたが、ニカッと笑って喜んでくれた。
こういう底抜けに明るいエディの笑顔を見ていると、なんだか気が抜けてほっとしてしまう。
私は自室に戻ると、引き出しからいつも夜になると眺めている物を取り出した。
『王太子妃プリシラの日記』。
表紙にそう書かれた分厚い日記も、もう半分近くまで差し掛かっている。
これまではシナリオ通りだ。
不本意だが補習もちゃんと受けたし、期末試験で赤点を回避することも出来た。
補習の日々は大変で、その辺の日付はマクレディ先生が途中で匙を投げそうになりながらも丁寧に教えてくれた事や、エミリアが厳しい事を言って虐めてくる事ばかり書かれている。
本当はエミリアが、私が落第しないようにわざと厳しくして、発破をかけている事には気付いていた。
最後に二人の教師から合格を貰った時には歓喜し、エミリアに礼まで言ってしまった。
エミリアは悪役令嬢ではあるが、貴族の中の貴族で、その心根も純粋で美しいのだ。
……プライドが許さないから、エミリアの良い所なんて日記には書かないが。
だが、一つ懸念がある。
これまできちんとシナリオ通りに進んでいるのは疑う余地がないのだが、エミリアが思っていたより良い人なのだ。
私がラインハルトの所に行くと悲しそうにその場から離れるだけだし、何なら泣いている姿も何度も見た。
これじゃあまるでエミリアがヒロインで、私が横恋慕する悪人ではないか。
それでもアレクは上手くエミリアを慰めて、エミリアに恋心を抱かせる事が出来たようだから……この先も何とかなるか。
次は、小説中盤にして最大のイベント、デビュタント・ボールである。
その日は色々な展開が目白押しだ。
まず、私は実家から届くと思っていたドレスが当日になっても届かず、制服で登城する事になる。
後々分かるが、実家は金策に失敗してドレスを購入出来ず、その旨を謝罪する手紙を送ってくれていたのだが、その手紙も誤配でプリシラの元に届かなかったのだ。
途方に暮れていたプリシラだが、城につくと女官がやって来て、どこかの部屋に通される。
そこにはラインハルトが用意してくれた純白のボールガウンがあって、プリシラは無事デビュタントとして着飾る事ができる。
次に、デビュタント・ボールの開始を待つプリシラは、誰かに呼び出されて空き室に行く。
だがそれはエミリアの策略で、プリシラは部屋に閉じ込められてしまう。
デビュタント・ボールでは王族とダンスをするチャンスがあるから、嫉妬に駆られているエミリアはそれを阻止しようとしたのだ。
最後に、通りがかった人に助けてもらってデビュタント・ボールには何とか間に合うが、ラインハルトはプリシラの姿を一目見たらダンスを待たずに出て行ってしまう。
ラインハルトがエミリアの悪行に気づいて問い詰めていたのだろうと小説のプリシラは分析していて、実際その後からエミリアとラインハルトの仲は険悪になる。
エミリアは当日の悪行が露見し、しばらく公爵邸で謹慎となるのだ。
ここでの懸念は、エミリアが予定通り動くかどうかだ。
デビュタント・ボールでは、騎士であるアレクはずっとラインハルトの側を離れないから、アレクの手は借りられない。
それに、思ったより人が良い上、予定より早くアレクと良い仲になってしまったエミリアが、そんな風に嫉妬に駆られるだろうか。
しかも補習の最終日に、デビュタント・ボールも頑張れ的な事を言っていた気がする。
「……まあ、考えても仕方ないか。なるようになるよね」
他人の考えなんて読めないし、もしかしたら実際は猫を被っているだけで、小説と同じくエミリアが物凄い悪女だという可能性もある。
私は考えるのをやめて、寝ることにした。
――その夜、私は夢を見た。
夢では、私はダンスをしていた。
けれど、顔を見上げると、相手は何故かラインハルトではなく、夜会服に身を包んだエディだった。
目が覚めると夢の内容は殆ど覚えていなかったが、翌朝エディの少し掠れた「おはよう」の声を聞いて、何故か少しどきりとしてしまったのだった。
――*――
「エディ、エディー!」
私は、広場に出店している革工房に向かって走りながら、同居人の名を呼んだ。
名入れに使った道具を磨いていたエディは、のんびりと手を止めて返答した。
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「へ?」
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「よく分からんけど訳あり? ……あーそういえば、人には言えない関係とか言ってたな。プリシラの知り合いなんだったら言わない方が良かったのか?」
「あはは、いいのよ、私は知ってるんだから。しかしあんた、お手柄よ! 他には何か言ってなかった?」
「うーん、特には」
「そっか。まあでも充分だわ。いい、エディ。あの二人の顔をよーく覚えておいて、次の夏まで絶対に忘れないでね!」
「んん? なんで?」
「なんでもよ! 私にとっては大事なことなの」
「ふーん。わかんねぇけど、わかったよ」
腑に落ちていなさそうなエディの顔を尻目に、私は心の中でガッツポーズを連発する。
ホリデーなのにこれからバイトで、先程までテンションが下がっていたが、思わぬ収穫に私は笑顔になった。
「そういえばプリシラさあ、欲しいもんとかある?」
「え? 急にどしたの?」
「いやぁ、ホリデーだし、何かないかなぁと思って」
「うーん、そうねぇ、欲しいもの……」
欲しいもの……ラインハルト。
そんな事思ってても、エディの前で口に出せる訳がない。
「欲しいもの……愛かなぁ」
私は明後日の方を向いてぼそりと言った。
街にはカップルが溢れているし、ここに来るまでにもうすっかり当てられてしまった。
「……俺ので良ければいくらでもやるぞ」
慰めているつもりだろうか、ちょっと真面目な風を装ってエディはそう答える。
私が欲しいのは友情とか同情とか幼馴染としての愛じゃないの、冗談も大概にしてほしい。
まあ私が心配させるような変なこと言ったから悪いのか。
「やーね、冗談よ! そうねぇ、新しいフライパンが欲しいわ。最近焦げ付くのよね」
「ホリデーのプレゼントにフライパンかよ! お前も大概情緒に欠けるな」
「えぇ!? 私に何を求めてんのよ! そんなロマンチックなプレゼントじゃお腹は膨れないのよ!」
「そういう奴だよな、プリシラは。まあその田舎くさいところが良いんだけどな」
「何よ、私が田舎者ならあんたも同じじゃない! 何なら隣の家だし!」
「まーな。てかお前、これからバイトじゃねーの? 時間大丈夫かよ?」
「あっ! しまった! ……じゃあエディ、また夜にね! ありがとー!」
「おう、バイト頑張れよー」
私は背中にエディの声を受けながら、走ってバイト先に向かうのだった。
********
その日の夜。
家に帰ってきたエディは、新しいフライパンを可愛くラッピングして、プレゼントしてくれたのだった。
フライパンが欲しかったのは事実なので、ラッピングはともかく、普通に嬉しかった。
私はエディにお礼を言うと、バイト帰りに買った靴下をエディに渡した。
ホリデーらしくもない地味なデザインだが、今エディが履いている物は穴が空きそうになっているから、丁度いいと思って買ったのだ。
エディは私からプレゼントがあるとは思っていなかったらしく、最初はクリクリの目をさらに丸くして驚いていたが、ニカッと笑って喜んでくれた。
こういう底抜けに明るいエディの笑顔を見ていると、なんだか気が抜けてほっとしてしまう。
私は自室に戻ると、引き出しからいつも夜になると眺めている物を取り出した。
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最後に二人の教師から合格を貰った時には歓喜し、エミリアに礼まで言ってしまった。
エミリアは悪役令嬢ではあるが、貴族の中の貴族で、その心根も純粋で美しいのだ。
……プライドが許さないから、エミリアの良い所なんて日記には書かないが。
だが、一つ懸念がある。
これまできちんとシナリオ通りに進んでいるのは疑う余地がないのだが、エミリアが思っていたより良い人なのだ。
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それでもアレクは上手くエミリアを慰めて、エミリアに恋心を抱かせる事が出来たようだから……この先も何とかなるか。
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その日は色々な展開が目白押しだ。
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だがそれはエミリアの策略で、プリシラは部屋に閉じ込められてしまう。
デビュタント・ボールでは王族とダンスをするチャンスがあるから、嫉妬に駆られているエミリアはそれを阻止しようとしたのだ。
最後に、通りがかった人に助けてもらってデビュタント・ボールには何とか間に合うが、ラインハルトはプリシラの姿を一目見たらダンスを待たずに出て行ってしまう。
ラインハルトがエミリアの悪行に気づいて問い詰めていたのだろうと小説のプリシラは分析していて、実際その後からエミリアとラインハルトの仲は険悪になる。
エミリアは当日の悪行が露見し、しばらく公爵邸で謹慎となるのだ。
ここでの懸念は、エミリアが予定通り動くかどうかだ。
デビュタント・ボールでは、騎士であるアレクはずっとラインハルトの側を離れないから、アレクの手は借りられない。
それに、思ったより人が良い上、予定より早くアレクと良い仲になってしまったエミリアが、そんな風に嫉妬に駆られるだろうか。
しかも補習の最終日に、デビュタント・ボールも頑張れ的な事を言っていた気がする。
「……まあ、考えても仕方ないか。なるようになるよね」
他人の考えなんて読めないし、もしかしたら実際は猫を被っているだけで、小説と同じくエミリアが物凄い悪女だという可能性もある。
私は考えるのをやめて、寝ることにした。
――その夜、私は夢を見た。
夢では、私はダンスをしていた。
けれど、顔を見上げると、相手は何故かラインハルトではなく、夜会服に身を包んだエディだった。
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