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第4章 ワースとインティス防衛戦
第23話 轟く悪名
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「納得いかねぇよ! リーダー!」
「まぁ落ち着けって」
ご機嫌斜めな双子の弟マギクをクリスが抑える。
現在、山賊を退治し終えたメンバーたちは、基地に戻り休憩をしているところだ。
「だっておかしいじゃん! 俺たちこんなにみんなのために頑張ってるのに、なんで悪者扱いされなきゃいけないの!」
「全くだー! 見てろー。いつか俺たちに助けを懇願させてやるぅ」
ベシン!
「お前までイライラしてどーすんだよ」
マギクと一緒になって歯をギリギリさせているシダの頭を、クリスが一発叩いた。
「だってよー、ボスがよー……そうだ。言わなきゃいけないことがあった」
ガキのような口調から、いきなり風格あるリーダーの口調へと切り替わり、基地の中の空気が変わる。まぁ風格あるとは言っても、シダなのでそこまで決まっているわけではないのだが。
「ついにカランコエの名はモノボルゥ王国現国王オリバムにも届いた」
それは悪名としてと言うのは言わずとも皆理解はしていた。だが、それでも今までの成果が少しずつ現れていることに皆喜びよ表情を浮かべていた。
「けどあんにゃろ~俺たちのことを、あーほっとけそんな奴ら。ヒーロー気取りの偽物だ。なーんて言いやがった。グソォ~……」
もーみんな呆れた顔でシダを見ている。
「おっとすまん。それと、こうも言われた。これが本題だ。……4日後、モノボルゥ王国はワース侵略に出発する!」
「「「っっ!!」」」
メンバー全員、ついにこの時が来たかと言うような表情を浮かべていた。
「もちろんカランコエもこれに、秘密裏にだが同行する」
「「「「了解!!」」」」
「目的は、戦争に巻き込まれる一般人の救出。それと、仲間探しだ。一般人の救出を最優先に行動してくれ」
「あの、今回は僕の武器も使用してもいいですか?」
「あぁ、構わない。カランコエにとってはワースもモノボルゥも平等に攻撃してくる敵だ。その大斧で敵を蹴散らせ!」
「了解しました!」
初仕事の時は使えなかった大斧も、今回は使用許可が出た。まぁ山賊狩りとかで散々振り回していたからもー許可なんて要らなかったかもしれないが。
「私はいつも通りの役割でいいのよね?」
「あぁ構わない。いつものようにみんなをサポートしてくれ」
ローズは今まで戦闘経験がなかったので、山賊戦では主に少し離れた場所からの指示や、シダの作戦の中にある罠貼りなどを担当していた。
なかなかに視野も広く、かつ、的確な指示が飛んでくるので、特にヤグルとマギクはローズの指示有りと無しでは動きが段違いだ。やはり貴族育ちだけあって、頭のキレはいいらしい。それに、フレン爺の事件以来、ローズから感じられるエクロムの量が増えて要るようにも感じられた。
「俺たちは汚名返上だな! あの時のような失敗は避けたいな」
クリスの言うあの時とは、ベルガーとの一戦のことだ。あの時はアブズ第一部隊隊長に助けられ、初の霊具戦と言うことで、軽い処分で済んだものの、次はないとクリスもシダも覚悟していた。
「あぁ。もー二度とあんな思いはしたくねぇからな。……頑張ろうな! 相棒!!」
「だぁー ! もーいちいち絡んでくるなぁ!」
珍しく暗い表情を見せたシダだったが、やはり性に合わないと感じたのか、無理やりな笑顔でクリスに絡んだ。
「僕も頑張るよー! ファイヤー!」
マギクもやる気MAXの様子。
この後、戦の前の宴会を行い、一旦クリスとシダはモノボルゥ王国王城へと戻った。
残りのカランコエメンバーは、後からこっそりモノボルゥ王国軍を追いかけ、先頭の混乱に紛れて忍び込む予定だ。
2日後。
「これより、昨日行われた作戦会議の内容を伝える!!」
王城庭園。
敵がワースと言う、4大大国のうちの一つということもあり、モノボルゥ王国は第二部隊全兵士を出兵することに決定。
これから、作戦を伝えるところだ。
大きな戦いがすぐそこまで迫っていた。
「まぁ落ち着けって」
ご機嫌斜めな双子の弟マギクをクリスが抑える。
現在、山賊を退治し終えたメンバーたちは、基地に戻り休憩をしているところだ。
「だっておかしいじゃん! 俺たちこんなにみんなのために頑張ってるのに、なんで悪者扱いされなきゃいけないの!」
「全くだー! 見てろー。いつか俺たちに助けを懇願させてやるぅ」
ベシン!
「お前までイライラしてどーすんだよ」
マギクと一緒になって歯をギリギリさせているシダの頭を、クリスが一発叩いた。
「だってよー、ボスがよー……そうだ。言わなきゃいけないことがあった」
ガキのような口調から、いきなり風格あるリーダーの口調へと切り替わり、基地の中の空気が変わる。まぁ風格あるとは言っても、シダなのでそこまで決まっているわけではないのだが。
「ついにカランコエの名はモノボルゥ王国現国王オリバムにも届いた」
それは悪名としてと言うのは言わずとも皆理解はしていた。だが、それでも今までの成果が少しずつ現れていることに皆喜びよ表情を浮かべていた。
「けどあんにゃろ~俺たちのことを、あーほっとけそんな奴ら。ヒーロー気取りの偽物だ。なーんて言いやがった。グソォ~……」
もーみんな呆れた顔でシダを見ている。
「おっとすまん。それと、こうも言われた。これが本題だ。……4日後、モノボルゥ王国はワース侵略に出発する!」
「「「っっ!!」」」
メンバー全員、ついにこの時が来たかと言うような表情を浮かべていた。
「もちろんカランコエもこれに、秘密裏にだが同行する」
「「「「了解!!」」」」
「目的は、戦争に巻き込まれる一般人の救出。それと、仲間探しだ。一般人の救出を最優先に行動してくれ」
「あの、今回は僕の武器も使用してもいいですか?」
「あぁ、構わない。カランコエにとってはワースもモノボルゥも平等に攻撃してくる敵だ。その大斧で敵を蹴散らせ!」
「了解しました!」
初仕事の時は使えなかった大斧も、今回は使用許可が出た。まぁ山賊狩りとかで散々振り回していたからもー許可なんて要らなかったかもしれないが。
「私はいつも通りの役割でいいのよね?」
「あぁ構わない。いつものようにみんなをサポートしてくれ」
ローズは今まで戦闘経験がなかったので、山賊戦では主に少し離れた場所からの指示や、シダの作戦の中にある罠貼りなどを担当していた。
なかなかに視野も広く、かつ、的確な指示が飛んでくるので、特にヤグルとマギクはローズの指示有りと無しでは動きが段違いだ。やはり貴族育ちだけあって、頭のキレはいいらしい。それに、フレン爺の事件以来、ローズから感じられるエクロムの量が増えて要るようにも感じられた。
「俺たちは汚名返上だな! あの時のような失敗は避けたいな」
クリスの言うあの時とは、ベルガーとの一戦のことだ。あの時はアブズ第一部隊隊長に助けられ、初の霊具戦と言うことで、軽い処分で済んだものの、次はないとクリスもシダも覚悟していた。
「あぁ。もー二度とあんな思いはしたくねぇからな。……頑張ろうな! 相棒!!」
「だぁー ! もーいちいち絡んでくるなぁ!」
珍しく暗い表情を見せたシダだったが、やはり性に合わないと感じたのか、無理やりな笑顔でクリスに絡んだ。
「僕も頑張るよー! ファイヤー!」
マギクもやる気MAXの様子。
この後、戦の前の宴会を行い、一旦クリスとシダはモノボルゥ王国王城へと戻った。
残りのカランコエメンバーは、後からこっそりモノボルゥ王国軍を追いかけ、先頭の混乱に紛れて忍び込む予定だ。
2日後。
「これより、昨日行われた作戦会議の内容を伝える!!」
王城庭園。
敵がワースと言う、4大大国のうちの一つということもあり、モノボルゥ王国は第二部隊全兵士を出兵することに決定。
これから、作戦を伝えるところだ。
大きな戦いがすぐそこまで迫っていた。
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