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第4章 ワースとインティス防衛戦
第22話 謎の少女と謎の執事
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村から煙が立ち上っている。悲鳴が聞こえてくる。
一番高い建物の屋根の上には一つの人影が見える。
逃げ惑う村人の流れに逆らい、その人影に向かう者がいた。
その者は、白く輝く一本の剣を右手に持っていた。長く白い髪は後ろで縛ってある。黒いスーツを着ていて、しかしスーツの上からでもわかるほどにいい体をしている。
彼の名は白檀。このフォーロップ王国の王城に務める執事だ。
「村を壊すのはその辺にしてもらえませんか」
白檀はゆっくりと屋根の上の影に近づきながらそう言った。
「国王に合わせて」
「それはできませぬ。そのような無粋なものを持つものを彼の方に合わせることは断じて許されませんのでっ」
白檀は言葉を言い切った瞬間地面を強く蹴ると、屋根の上の人影へと飛びかかった。
ガキィーーン!!
大きな金属音が村に響き渡る。
両者とも、武器を交えたまま一歩も引く様子はない。
「まさか、こんな少女がこれをやったと言うのか……」
白檀が目にしたのは、巨大な大鎌を持った紫の長い髪をした少女だった。
白檀は剣を円を描くようにして振るうことで大鎌を払い右から左へ斬りつけようとした。しかし少女の反応はそれを上回り、攻撃を受ける前に大鎌は白檀の左腹をめがけて振るわれた。
それを一旦屋根からバク転する形でかわしながら地面に降り距離を取る。
「これは出し惜しみをしている余裕はなさそうですね」
この1回の攻防で白檀は少女の力を見極め、本気の体制に入った。
白檀は剣を地面に刺すと、その件を中心に魔法陣が形成された。
次の瞬間、魔法陣からはそれぞれ違う色をした8本の剣が現れ、白檀の周りで浮き、止まった。
彼の持つ剣『魔剣ムードイヴム』は霊具の一つ。魔剣により作られる剣は8本で、作られた剣は持ち主の意のままに動く。
「っ! そうか。貴方が……」
少女は何かを理解したようなそぶりを見せると、屋根から飛び降り、そのまま白檀へと突っ込んだ。
巨大な爆発と共に、先ほどとは比べ物にならない爆音が鳴り響く。あたりは煙で包まれてしまった。
突っ込む勢いに任せ、大きく振り払われた大鎌は、白檀の持つ9本の剣全てでやっと抑えきれるほど威力があった。
「なんて威力じゃ。こんな少女のどこにこんな力が……いや、愚問か。お主も相当なエクロムを持つようじゃな」
「戦わないで。貴方が死んでしまう」
「何を今更!!」
そう言って白檀は大鎌を弾き返したが、少女の姿はもうどこにもなかった。
煙が引いていく。
村は、全壊していた。
「一体、なんだったのじゃ……」
(「戦わないで。貴方が死んでしまう」)
白檀の頭の中に、その言葉がリピートする。
まるで、殺し合いをしていた相手とは思えないほどに、本当に自分を心配しているような声だった。
そう、白檀は感じていた。
「さて、村の復興を始めなければな」
そう呟きながら、白檀は報告のため一度城へと戻った。
場所は変わり、モノボルゥ王国周辺。
カランコエ一行は、国民の生活を脅かす山賊や犯罪者を狩っていた。
そう。その名が国中で噂されるようになるくらいに。
一番高い建物の屋根の上には一つの人影が見える。
逃げ惑う村人の流れに逆らい、その人影に向かう者がいた。
その者は、白く輝く一本の剣を右手に持っていた。長く白い髪は後ろで縛ってある。黒いスーツを着ていて、しかしスーツの上からでもわかるほどにいい体をしている。
彼の名は白檀。このフォーロップ王国の王城に務める執事だ。
「村を壊すのはその辺にしてもらえませんか」
白檀はゆっくりと屋根の上の影に近づきながらそう言った。
「国王に合わせて」
「それはできませぬ。そのような無粋なものを持つものを彼の方に合わせることは断じて許されませんのでっ」
白檀は言葉を言い切った瞬間地面を強く蹴ると、屋根の上の人影へと飛びかかった。
ガキィーーン!!
大きな金属音が村に響き渡る。
両者とも、武器を交えたまま一歩も引く様子はない。
「まさか、こんな少女がこれをやったと言うのか……」
白檀が目にしたのは、巨大な大鎌を持った紫の長い髪をした少女だった。
白檀は剣を円を描くようにして振るうことで大鎌を払い右から左へ斬りつけようとした。しかし少女の反応はそれを上回り、攻撃を受ける前に大鎌は白檀の左腹をめがけて振るわれた。
それを一旦屋根からバク転する形でかわしながら地面に降り距離を取る。
「これは出し惜しみをしている余裕はなさそうですね」
この1回の攻防で白檀は少女の力を見極め、本気の体制に入った。
白檀は剣を地面に刺すと、その件を中心に魔法陣が形成された。
次の瞬間、魔法陣からはそれぞれ違う色をした8本の剣が現れ、白檀の周りで浮き、止まった。
彼の持つ剣『魔剣ムードイヴム』は霊具の一つ。魔剣により作られる剣は8本で、作られた剣は持ち主の意のままに動く。
「っ! そうか。貴方が……」
少女は何かを理解したようなそぶりを見せると、屋根から飛び降り、そのまま白檀へと突っ込んだ。
巨大な爆発と共に、先ほどとは比べ物にならない爆音が鳴り響く。あたりは煙で包まれてしまった。
突っ込む勢いに任せ、大きく振り払われた大鎌は、白檀の持つ9本の剣全てでやっと抑えきれるほど威力があった。
「なんて威力じゃ。こんな少女のどこにこんな力が……いや、愚問か。お主も相当なエクロムを持つようじゃな」
「戦わないで。貴方が死んでしまう」
「何を今更!!」
そう言って白檀は大鎌を弾き返したが、少女の姿はもうどこにもなかった。
煙が引いていく。
村は、全壊していた。
「一体、なんだったのじゃ……」
(「戦わないで。貴方が死んでしまう」)
白檀の頭の中に、その言葉がリピートする。
まるで、殺し合いをしていた相手とは思えないほどに、本当に自分を心配しているような声だった。
そう、白檀は感じていた。
「さて、村の復興を始めなければな」
そう呟きながら、白檀は報告のため一度城へと戻った。
場所は変わり、モノボルゥ王国周辺。
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