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第091話 重り
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細工は流々仕上げを御覧じろという感じなのですが。
当日が近づかなければ準備も出来ないものもありまして。
長城に登るには、階段とスロープが存在しています。
一人で重いものを持っている場合は、階段でしっかり登る方が良いですし。
長いものを複数人で抱えている場合なんかは、スロープで登る方が適しています。
まとまって駆け上ったり、駆け下りたりする時もスロープの方が便利ですね。
で。
その階段や長城の空き空間には所狭しと、石弾が置かれて、使われるのを今か今かと待ちわびています。
石弾なんて呼んでいますが、別に投石機も無いので弾なんて大したサイズではありません。
ただ、精霊さんと一緒に作り上げたものなので。
数キロの石に、ハンドルを付けたものです。
形としては木魚に似ていて、ちょっとユーモラスなんですよ。
イメージとしては重量投げのように、飛ばしてもらおうかなと思ったのですが。
結構凶悪な飛距離が出まして。
上下差がある上に、力自慢が飛ばす訳で。
ただの投石とは思えない距離と……。
ごすっと鈍い音と共に、地面に半ば埋まる石弾。
引かれた円の内側に着地させた男性は、皆の称賛を受けている。
はい。
あのように、結構な威力になっておりまして。
当たりどころが悪いと、確実にデッドだなぁと。
後は、階段近くに作った竈の傍に薪を運んだり、秘密兵器を運んだりですね。
秘密兵器。
と言って、ただのポールなんですが。
ポールウェポンのポールです。
まぁ、木の棒ですね。
人間の数も決まっていますし、ある程度の範囲を担当するなら、いちいち向かって行って梯子を落とすより、棒で倒しちゃった方が早いですし。
振り回すもよし、上から投げつけるも良し。
位置エネルギーがありますからね。
尖らしてなくても、とんでもない威力になります。
まぁ、そんな感じで豪族さん達が訪問するという恐怖を紛らわせることにしています。
これだけ用意をしてて恐怖かといわれるとあれですが。
人間、誰かに悪意をもって狙われるというのは、それだけで嫌なものです。
日に日に士気が上がる村の人と正反対に、憔悴していましたが。
精霊さんが教えてくれた日から、八日後。
ようやく、その姿を現せてくれました。
人間の足で四日から五日の距離ですから。
まぁ、集団で進んだのならちょっと遅いくらいで妥当な日数でしょうか。
朝ごはん後という訳で、片付けがてら作業を行っていた皆さんを集結させていると。
つかつかと、結構な距離から一人でこちらに向かってくる者ありけりです。
これが噂に聞く、口合戦の始まりですか。
そんな感想を胸に携え、皆の視線に誘導されるように長城の上を目指します。
さて、戦争の始まりです。
当日が近づかなければ準備も出来ないものもありまして。
長城に登るには、階段とスロープが存在しています。
一人で重いものを持っている場合は、階段でしっかり登る方が良いですし。
長いものを複数人で抱えている場合なんかは、スロープで登る方が適しています。
まとまって駆け上ったり、駆け下りたりする時もスロープの方が便利ですね。
で。
その階段や長城の空き空間には所狭しと、石弾が置かれて、使われるのを今か今かと待ちわびています。
石弾なんて呼んでいますが、別に投石機も無いので弾なんて大したサイズではありません。
ただ、精霊さんと一緒に作り上げたものなので。
数キロの石に、ハンドルを付けたものです。
形としては木魚に似ていて、ちょっとユーモラスなんですよ。
イメージとしては重量投げのように、飛ばしてもらおうかなと思ったのですが。
結構凶悪な飛距離が出まして。
上下差がある上に、力自慢が飛ばす訳で。
ただの投石とは思えない距離と……。
ごすっと鈍い音と共に、地面に半ば埋まる石弾。
引かれた円の内側に着地させた男性は、皆の称賛を受けている。
はい。
あのように、結構な威力になっておりまして。
当たりどころが悪いと、確実にデッドだなぁと。
後は、階段近くに作った竈の傍に薪を運んだり、秘密兵器を運んだりですね。
秘密兵器。
と言って、ただのポールなんですが。
ポールウェポンのポールです。
まぁ、木の棒ですね。
人間の数も決まっていますし、ある程度の範囲を担当するなら、いちいち向かって行って梯子を落とすより、棒で倒しちゃった方が早いですし。
振り回すもよし、上から投げつけるも良し。
位置エネルギーがありますからね。
尖らしてなくても、とんでもない威力になります。
まぁ、そんな感じで豪族さん達が訪問するという恐怖を紛らわせることにしています。
これだけ用意をしてて恐怖かといわれるとあれですが。
人間、誰かに悪意をもって狙われるというのは、それだけで嫌なものです。
日に日に士気が上がる村の人と正反対に、憔悴していましたが。
精霊さんが教えてくれた日から、八日後。
ようやく、その姿を現せてくれました。
人間の足で四日から五日の距離ですから。
まぁ、集団で進んだのならちょっと遅いくらいで妥当な日数でしょうか。
朝ごはん後という訳で、片付けがてら作業を行っていた皆さんを集結させていると。
つかつかと、結構な距離から一人でこちらに向かってくる者ありけりです。
これが噂に聞く、口合戦の始まりですか。
そんな感想を胸に携え、皆の視線に誘導されるように長城の上を目指します。
さて、戦争の始まりです。
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