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第040話 魔道具、売れました

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 一晩寝て、気付きました。

「放火させないって出来ますか?」

『ひあそびげんきん』

『ひつけとうぞく』

『かとーあらため!!』

 うん、これで安心。

 鬼平さんきっと喜ぶ。

 というか、認証意味無いじゃん。

 そこに思い至って、ベッドをゴロゴロ転がったのは良い思い出です。

 まぁ、機能追加が非常に楽なのが分かった事。

 しかも超アバウトでもOK。

 そして認証系は別の時に使えば良いやと思い至ったのは。

 転げまわるのに飽きて、リサさんが朝ご飯を持ってきてくれた辺りでした。

 という訳で。

 点火棒のサンプルを何本か作って、ダリーヌさんこんにちは。

『これはまた……。えらいのを作ったさね』

 絶句しているダリーヌさんに苦笑いのリサさん。

 話を聞くと、火を熾す魔道具というのは存在しているそうで。

 あぁ、二番煎じかと思ったのですが。

 物凄く大きいし、魔石も良いのが必要だそうで。

 しかも火球が飛び出る仕様なのです。

 それって、兵器じゃね?

 そんな感想を抱きましたが、こいつも領主へGoだそうです。

 放火には使えないときちんと伝えたので、軍関係には回さないと思います。

 火計に直接使えない点火棒。

 きっと孔明さんは哀しみますね。

 そんなイベントをこなしつつ、道づくりとヤクさんの世話、そして行商に勤しむ毎日。

 魔道具?

 点火棒の値段も決めていないので、製造には移りません。

 そろそろ冬の気配も濃厚になり、道づくりに関して馬車が欲しいなと思い始めた頃。

 ダリーヌさんからお呼び出しです。

 てくてくとリサさんと一緒に向かいました。

「あぁ、よく来たね。点火棒だったかい? あれが売れたよ」

 上機嫌のダリーヌさん。

 領主が屋敷で使ったところ、使用人大感激。

 そこから、使用人ネットワークを介してぱぁっと噂が広まって各地の部下クラスから突き上げを食らっているそうで。

 誰しも一度や二度は火打石に指を挟まれた経験がおありのようで。

 憎きあやつを駆逐してやるって勢いで、希望されているようです。

 それに、指揮棒サイズなので場所も取りませんし。

 大袈裟にならないところが、斬新でナウいとの事です。

 お値段は、日本においてカセットコンロを定価で買うくらいの感じが卸値で。

 あんまり高すぎても普及しないと思っていたので、良いかなと。

 冬のお小遣い稼ぎには丁度良いと思います。

 ダリーヌさんに快諾を伝え、一路村へ。

 ちょこちょこっと点火棒を作る作業がお仕事に加わりましたとさ。

 内職的に点火棒を作りながら、道の拡充に努めておりましたが。

 遂に、湖に達しました。

 精霊さん達も喜びの舞です。

 でもね、水平線が見えているのですよ。

 どんだけ広いねんと。

 詳しく精霊さんに話を聞いてみると。

 この森の広さの時点で、九州とかそういうレベルの大きさだそうで。

 この湖も、瀬戸内海くらいの広さらしい、ぞ?

 遥か先に見える山脈が雲を塞いでいるようで、そこでだばだば雨が降っていて。

 その伏流水が、地上に出てきて湖を構成しているようです。

 なので、水量も潤沢。

 雨もそんなに降らないので、氾濫の心配もほぼ無いと。

 ふむ。

 良地形。

 これは……。

「ここを本拠地(真)とする!!」

『きょうからあなた、しちょうです』

『めるとだうん』

『はりけーんくるのよ?』

 最近はシヴィライゼーションに浮気する日々ですが。

 とりあえず、湖を囲むように町を作っていって。

 船で線を結ぶ感じの国が出来そうです。

 ちょっと上がってきました。

 わくわく。
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