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第009話 世界樹
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クローネちゃんを肩に乗せて、草を刈っては、腰をとんとん。
草を刈っては、腰をとんとん。
何度か繰り返していると、覚えたのか。
クローネちゃんが降りて、とんとんのタイミングで腰を叩いてくれるようになった。
草を刈っては、クローネちゃんが腰をとんとん。
そんな感じで、草刈りを行っていると、小山が見えてきた。
ちょっとこんもりと盛られた土山の下には肉の類いが埋められていて、漁られないように盛られたそうで。
そこに登りながら、ぷちぷちと。
登頂に成功した山頂には小さな可愛らしい芽が一本。
双葉を燦々と降り注ぐ太陽に伸ばして、風に揺れるさまが神々しい。
なんだかこいつだけ毛色が違うなと。
他はにょきにょきと早送りなのに、この一本だけが佇んでいるのだ。
普通の植物と薬草の違いなのかななんて考えながら、土山の表層をごっそりと『一坪の世界』に送り込む。
というのも。
『一坪の世界』の中って、黒い霧状の渦が揺蕩う世界で上も下もよく分からないのですよ。
お前を大地と任ずる。
なんて、思いながら取り込んだ瞬間。
ぴょこんっと頭の中で文章が浮かぶ。
『世界に大地が構築されました。一坪の世界を拡張します』
おぉぉ!?
隠し要素?
なるほど……。
隠された条件をクリアしたら、世界が広がる仕様だと。
あんの創造神、全然説明とか無かったし。
唐突過ぎんよと思っていると、もう一個ぴょこん。
『魔力基点世界樹が誕生しました。世界に魔力が循環されます。一坪の世界を拡張します』
ん? 世界樹?
何それ。
そう思いながら、『一坪の世界』を見てみると、あの狭かった空間が六畳くらいに広がっている。
わーいと思いながら探してみると、いました。
先程の違和感があった芽が世界樹だそうです。
情報を紐解くと、世界樹さんは方々に種を飛ばしているそうなのですが、魔力が濃い場所じゃないと芽吹かないそうで。
そういう魔力が濃い場所ですくすく育って、太陽からの魔力を吸い込むようになると、自分も魔力を吐き出すそうなのです。
世界樹さんがいるから、この世界も魔力が均等に循環しているんだとか。
へぇ、凄い植物なんだね。
って、世界樹なんかいっと遅ればせながらのノリツッコミ。
そんな凄いのがこんな村の近くにいたとは。
まぁ、いろんなところに種を飛ばしているようなので、育ったのは偶然なのね。
育ってくれれば嬉しいなと思いつつ、広がった大地の分の土壌を収めて、草刈りに勤しむ事にした。
ぷちぷち。
草を刈っては、腰をとんとん。
何度か繰り返していると、覚えたのか。
クローネちゃんが降りて、とんとんのタイミングで腰を叩いてくれるようになった。
草を刈っては、クローネちゃんが腰をとんとん。
そんな感じで、草刈りを行っていると、小山が見えてきた。
ちょっとこんもりと盛られた土山の下には肉の類いが埋められていて、漁られないように盛られたそうで。
そこに登りながら、ぷちぷちと。
登頂に成功した山頂には小さな可愛らしい芽が一本。
双葉を燦々と降り注ぐ太陽に伸ばして、風に揺れるさまが神々しい。
なんだかこいつだけ毛色が違うなと。
他はにょきにょきと早送りなのに、この一本だけが佇んでいるのだ。
普通の植物と薬草の違いなのかななんて考えながら、土山の表層をごっそりと『一坪の世界』に送り込む。
というのも。
『一坪の世界』の中って、黒い霧状の渦が揺蕩う世界で上も下もよく分からないのですよ。
お前を大地と任ずる。
なんて、思いながら取り込んだ瞬間。
ぴょこんっと頭の中で文章が浮かぶ。
『世界に大地が構築されました。一坪の世界を拡張します』
おぉぉ!?
隠し要素?
なるほど……。
隠された条件をクリアしたら、世界が広がる仕様だと。
あんの創造神、全然説明とか無かったし。
唐突過ぎんよと思っていると、もう一個ぴょこん。
『魔力基点世界樹が誕生しました。世界に魔力が循環されます。一坪の世界を拡張します』
ん? 世界樹?
何それ。
そう思いながら、『一坪の世界』を見てみると、あの狭かった空間が六畳くらいに広がっている。
わーいと思いながら探してみると、いました。
先程の違和感があった芽が世界樹だそうです。
情報を紐解くと、世界樹さんは方々に種を飛ばしているそうなのですが、魔力が濃い場所じゃないと芽吹かないそうで。
そういう魔力が濃い場所ですくすく育って、太陽からの魔力を吸い込むようになると、自分も魔力を吐き出すそうなのです。
世界樹さんがいるから、この世界も魔力が均等に循環しているんだとか。
へぇ、凄い植物なんだね。
って、世界樹なんかいっと遅ればせながらのノリツッコミ。
そんな凄いのがこんな村の近くにいたとは。
まぁ、いろんなところに種を飛ばしているようなので、育ったのは偶然なのね。
育ってくれれば嬉しいなと思いつつ、広がった大地の分の土壌を収めて、草刈りに勤しむ事にした。
ぷちぷち。
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