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第005話 犬のお巡りさんは異種族の面倒も見なくてはいけないので大変だYo!!
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風に圧され、ぽてんと尻から座り込んだ俺。
辺りを見回すと、天変地異もかくやの自然破壊の痕。
燃えていた立木達は、火球の影響を脱してもその勢いを衰えず、火勢を増している。
あぁ、森林火災になっちゃうと阿呆な事を思いながら、『一坪の世界』の中を眺めてみると……。
1.8メートルの立方体はみっちりとドラゴンさんで埋まっている訳で。
そもそもあの巨体が収納出来るのか、収納したらどうなるかの答えがここにある訳です。
あぁ、圧縮されるのね……。
もうね、肉も鱗も関係ない、ドラゴンの残骸とでもいうべき何かに変貌した赤黒い塊が黒い霧の中に浮かんでいる様は悪夢としか言いようがない。
宇宙的恐怖コズミック・ホラーな原初の気持ち悪さを感じながら、ドラゴンさんを排出したのですが。
圧縮しているものを唐突に外へ出した場合、どうなるでしょうか?
内圧に圧され、うぞうぞと蠢き、爆発的に膨らむ肉塊。
可燃物とか残ってたら嫌だなと思って、結構遠めに出してみたのですが。
壊れた水道管みたいな勢いで四方に撒き散らされた、血液と内容物と肉の断片。
もうね、キャ〇ーばりに叫びましたよ、頭から血肉を浴びて真っ赤になりながら。
頭の片隅では、圧力鍋に穴を開ける実験を思い出していましたとさ。
この世界に転生? してきて、数十分。
あまりに濃い時間の過ごし方と頭からひっかぶった生臭いものの影響で、orz状態でさめざめと泣いていると、気配を感じたので顔を上げてみる。
そこには、ちょっと引きつった表情の年頃の女の子とその後ろに隠れた幼女。
「あ……あの。大丈夫……ですか?」
その一言に、心の何かがぷつりと切れたのか、ぽてりっと意識を失って崩れ落ちましたとさ。
目覚めた先には木製の天井。
使い古された往年のネタみたいな事を考えつつ、首を振ると。
寝床の横には先程の女の子と幼女がこっくりこっくり舟をこいでまして。
開け放たれた突き出し窓の外は赤い光が差し込んでおり、夕暮れを感じさせる。
両手を眺めると、真っ赤な血潮に塗りこめられていた名残はほのかに残る血生臭さだけで。
それでも、その鉄錆のような臭いが先程までの時間を事実だと突き付けてくるのです。
うわぁ、俺、生き残ったぁ……。
心の中でわっしょいわっしょいと祭りを繰り広げながら、生を噛み締めていると、女の子が目を覚ます。
年のころは十六、七。
高校生くらいかなと思っていると、ぼけっとしていた瞳の焦点が合い、目を丸くすると、ぽろりと雫が落ちた。
すわ、何事!? っとびくりっと身を引きながら思っていると。
「良かった……。生きてた……」
そう告げながら、ぎゅうっと抱きしめられながら、わんわん泣かれる訳で。
そうしていると、同じように幼女も起き出して、わんわんわわん。
ねぇ、犬のおまわりさん。
どうしたら、よいでしょうか?
辺りを見回すと、天変地異もかくやの自然破壊の痕。
燃えていた立木達は、火球の影響を脱してもその勢いを衰えず、火勢を増している。
あぁ、森林火災になっちゃうと阿呆な事を思いながら、『一坪の世界』の中を眺めてみると……。
1.8メートルの立方体はみっちりとドラゴンさんで埋まっている訳で。
そもそもあの巨体が収納出来るのか、収納したらどうなるかの答えがここにある訳です。
あぁ、圧縮されるのね……。
もうね、肉も鱗も関係ない、ドラゴンの残骸とでもいうべき何かに変貌した赤黒い塊が黒い霧の中に浮かんでいる様は悪夢としか言いようがない。
宇宙的恐怖コズミック・ホラーな原初の気持ち悪さを感じながら、ドラゴンさんを排出したのですが。
圧縮しているものを唐突に外へ出した場合、どうなるでしょうか?
内圧に圧され、うぞうぞと蠢き、爆発的に膨らむ肉塊。
可燃物とか残ってたら嫌だなと思って、結構遠めに出してみたのですが。
壊れた水道管みたいな勢いで四方に撒き散らされた、血液と内容物と肉の断片。
もうね、キャ〇ーばりに叫びましたよ、頭から血肉を浴びて真っ赤になりながら。
頭の片隅では、圧力鍋に穴を開ける実験を思い出していましたとさ。
この世界に転生? してきて、数十分。
あまりに濃い時間の過ごし方と頭からひっかぶった生臭いものの影響で、orz状態でさめざめと泣いていると、気配を感じたので顔を上げてみる。
そこには、ちょっと引きつった表情の年頃の女の子とその後ろに隠れた幼女。
「あ……あの。大丈夫……ですか?」
その一言に、心の何かがぷつりと切れたのか、ぽてりっと意識を失って崩れ落ちましたとさ。
目覚めた先には木製の天井。
使い古された往年のネタみたいな事を考えつつ、首を振ると。
寝床の横には先程の女の子と幼女がこっくりこっくり舟をこいでまして。
開け放たれた突き出し窓の外は赤い光が差し込んでおり、夕暮れを感じさせる。
両手を眺めると、真っ赤な血潮に塗りこめられていた名残はほのかに残る血生臭さだけで。
それでも、その鉄錆のような臭いが先程までの時間を事実だと突き付けてくるのです。
うわぁ、俺、生き残ったぁ……。
心の中でわっしょいわっしょいと祭りを繰り広げながら、生を噛み締めていると、女の子が目を覚ます。
年のころは十六、七。
高校生くらいかなと思っていると、ぼけっとしていた瞳の焦点が合い、目を丸くすると、ぽろりと雫が落ちた。
すわ、何事!? っとびくりっと身を引きながら思っていると。
「良かった……。生きてた……」
そう告げながら、ぎゅうっと抱きしめられながら、わんわん泣かれる訳で。
そうしていると、同じように幼女も起き出して、わんわんわわん。
ねぇ、犬のおまわりさん。
どうしたら、よいでしょうか?
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