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【意味怖】花火師
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私はある時から花火師になりたいと思うようになった。
私にはとても好きな色があったから。
その色で夜空を満たしてみたいと思うようになった。
しかし、この色を夜空で再現しようとする人を私は知らなった。
きっとこの先もいないだろう。
自分で作るしかない。
私は、大好きな色を見られなくなる事が苦しかったが
断腸の思いで、今働いている職場を辞め、花火師になる道を選んだ。
そして数年後、資格も取得し、ようやく花火を作れるようになった。
何度か試しに作ってみた花火は予想通り、言葉では語れない程美しいものだった。
この色で、目に見える景色を全て埋め尽くしてみたい。
美しいものを見たいという欲望は止まることなく、私の技術を向上させていく。
材料は前の職場からこっそりと拝借し、丁寧に1球1球作りこんでいった。
花火の色は、この材料の状態によって色を変える。
この1球1球は、全てその時にしか見られない特別な花火に変わるのだ。
さあ、みなさん、御覧ください。
ようやく迎えた本番
祭りの終盤に、私の作った花火が夜空に舞う。
―美しい。
その場にいる人々はみんな夜空に見入っていた。
赤や黄色や青や緑や紫。
しかし、その美しき火の粉は消えることなく地上に舞い降り
空を見上げる人々を燃やし尽くし、さらに美しい色で地上を染め上げた。
私にはとても好きな色があったから。
その色で夜空を満たしてみたいと思うようになった。
しかし、この色を夜空で再現しようとする人を私は知らなった。
きっとこの先もいないだろう。
自分で作るしかない。
私は、大好きな色を見られなくなる事が苦しかったが
断腸の思いで、今働いている職場を辞め、花火師になる道を選んだ。
そして数年後、資格も取得し、ようやく花火を作れるようになった。
何度か試しに作ってみた花火は予想通り、言葉では語れない程美しいものだった。
この色で、目に見える景色を全て埋め尽くしてみたい。
美しいものを見たいという欲望は止まることなく、私の技術を向上させていく。
材料は前の職場からこっそりと拝借し、丁寧に1球1球作りこんでいった。
花火の色は、この材料の状態によって色を変える。
この1球1球は、全てその時にしか見られない特別な花火に変わるのだ。
さあ、みなさん、御覧ください。
ようやく迎えた本番
祭りの終盤に、私の作った花火が夜空に舞う。
―美しい。
その場にいる人々はみんな夜空に見入っていた。
赤や黄色や青や緑や紫。
しかし、その美しき火の粉は消えることなく地上に舞い降り
空を見上げる人々を燃やし尽くし、さらに美しい色で地上を染め上げた。
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