187 / 234
【意味怖】タバコ休憩
しおりを挟む
深夜の喫茶店で一服しながら窓の外を見ていた。
暗闇に浮かび上がる人影が気になったが、気のせいだろう
そう思っていた。
だが、喫茶店を出ると、同じ人影が近づいてくる。
タバコの火でその顔が明らかになり、私は凍りついた。
それは、数年前に亡くなった親友の姿だった。
彼は微笑みながら言った
『タバコ休憩は一人じゃつまらんだろう』
「そ…そんなことないさ。しかしどうしたんだ」
『まぁまぁ』
そういうと元…親友は胸ポケットからお気に入りのタバコの箱を取りだした。
一本口に含むと、火を付けろよとばかりに俺のライターを指さす。
ギクリとしたが、恐る恐る彼のタバコに火をつける。
『ふぅ~、やっぱいいなタバコ休憩
しかし…量増えたんじゃないか?
部長みたいになるぞ』
「心配ありがとよ…。まぁ俺はタバコで死んだって後悔はねーけどな」
『俺もそう思っていたさ。だが、死んじまうとやっぱり…な
ところで部長の奥さんは元気か』
「元気だよ、見てないのか」
『実物は見ていない』
「…ん
お前なんで部長が結婚した事を知ってるんだ。
そして、部長が死んだ事も…?
結婚する前にお前は死んだろ」
『スゥー…フゥー
聞いたからさ、部長にな』
「なんだと?部長はタバコを吸ってるときに急に倒れて…
今はもうこの世にいないんだぞ。」
『写真も見せてもらったからな。綺麗になってたな、あいつ―
俺の…婚約者』
「まさか、全て知ってるのか」
『全て?はて…なんの事やら』
「全部部長の指示だったんだ!」
『どっちでもいいよ、部長もそう言ってたし
あ、お前もうタバコ無いじゃん。これ吸えよ
俺も予備用でもう一本残してあるんだ』
「嫌だ!いらない!もうタバコはやめる!」
必死で逃げようとしたが
無理やり口にタバコを含まされると
タバコとは一味違う苦さが口の中に広がり
意識を失い、その後二度と目覚めることは無かった。
『タバコで死んでも後悔しないんだろ?』
スゥゥゥゥ…フゥーーー…!
『やっぱ仕事の後のタバコ休憩はいいわぁ』
そういうと彼は煙と共に天に昇って行った。
暗闇に浮かび上がる人影が気になったが、気のせいだろう
そう思っていた。
だが、喫茶店を出ると、同じ人影が近づいてくる。
タバコの火でその顔が明らかになり、私は凍りついた。
それは、数年前に亡くなった親友の姿だった。
彼は微笑みながら言った
『タバコ休憩は一人じゃつまらんだろう』
「そ…そんなことないさ。しかしどうしたんだ」
『まぁまぁ』
そういうと元…親友は胸ポケットからお気に入りのタバコの箱を取りだした。
一本口に含むと、火を付けろよとばかりに俺のライターを指さす。
ギクリとしたが、恐る恐る彼のタバコに火をつける。
『ふぅ~、やっぱいいなタバコ休憩
しかし…量増えたんじゃないか?
部長みたいになるぞ』
「心配ありがとよ…。まぁ俺はタバコで死んだって後悔はねーけどな」
『俺もそう思っていたさ。だが、死んじまうとやっぱり…な
ところで部長の奥さんは元気か』
「元気だよ、見てないのか」
『実物は見ていない』
「…ん
お前なんで部長が結婚した事を知ってるんだ。
そして、部長が死んだ事も…?
結婚する前にお前は死んだろ」
『スゥー…フゥー
聞いたからさ、部長にな』
「なんだと?部長はタバコを吸ってるときに急に倒れて…
今はもうこの世にいないんだぞ。」
『写真も見せてもらったからな。綺麗になってたな、あいつ―
俺の…婚約者』
「まさか、全て知ってるのか」
『全て?はて…なんの事やら』
「全部部長の指示だったんだ!」
『どっちでもいいよ、部長もそう言ってたし
あ、お前もうタバコ無いじゃん。これ吸えよ
俺も予備用でもう一本残してあるんだ』
「嫌だ!いらない!もうタバコはやめる!」
必死で逃げようとしたが
無理やり口にタバコを含まされると
タバコとは一味違う苦さが口の中に広がり
意識を失い、その後二度と目覚めることは無かった。
『タバコで死んでも後悔しないんだろ?』
スゥゥゥゥ…フゥーーー…!
『やっぱ仕事の後のタバコ休憩はいいわぁ』
そういうと彼は煙と共に天に昇って行った。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説

【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。



【厳選】意味怖・呟怖
ねこぽて
ホラー
● 意味が分かると怖い話、ゾッとする話、Twitterに投稿した呟怖のまとめです。
※考察大歓迎です✨
※こちらの作品は全て、ねこぽてが創作したものになります。
視える棺―この世とあの世の狭間で起こる12の奇譚
中岡 始
ホラー
この短編集に登場するのは、「気づいてしまった者たち」 である。
誰もいないはずの部屋に届く手紙。
鏡の中で先に笑う「もうひとりの自分」。
数え間違えたはずの足音。
夜のバスで揺れる「灰色の手」。
撮ったはずのない「3枚目の写真」。
どの話にも共通するのは、「この世に残るべきでない存在」 の気配。
それは時に、死者の残した痕跡であり、時に、境界を越えてしまった者の行き場のない魂でもある。
だが、"それ"に気づいた者は、もう後戻りができない。
見てはいけないものを見た者は、見られる側に回るのだから。
そして、最終話「最期のページ」。
読み進めることで、読者は気づくことになる。
なぜ、この短編集のタイトルが『視える棺』なのか。
なぜ、彼らは"見えてしまった"のか。
そして、最後のページに書かれていたのは——
「そして、彼が振り返った瞬間——」
その瞬間、あなたは気づくだろう。
この物語の本当の意味に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる