134 / 146
沙希3
しおりを挟む朝、駒井さんの携帯でアラームが鳴り目がさめる。
タイマーのストーブで暖かくなった部屋に、カーテンの隙間から薄っすらと青い光が差し込む。
「ん…」と声に出しながらもぞもぞとアラームを止めようとする駒井さんに、ちゃんととなりに居てくれてるんだと安心しながら温もりを感じる。
「沙織ちゃん…朝だよ」
まだ眠いままの駒井さんの声で名前を呼ばれる。
「んー…」
と私も眠いまま返事をして寝返りをうつ。
10cmぐらい先に駒井さんの顔があって自然とにやける。
駒井さんは寝顔がとてもかわいい。
普段はかっこいいのに寝顔、寝起き顔の無防備さはもう子供のようだ。
「あと20分ごろごろしよ」
たどたどしく目を閉じたままそう言う駒井さんは、布団の中で私の手を握ってほっと息をついた。
…寝起きのこの時間は、幸せな二人だけの時間…
_ドドドドッ…
突然、階段をものすごい勢いで上る足音が聞こえた。
こんな朝早くからすごい音をたてる誰かに少しだけイラッとする。
駒井さんも「うっせぇな…」と寝起きで口調の荒いままそう呟いた。
_ガチャッ
部屋のドアが開いて廊下から涼しい風が頬を流れる。
「春憂、ご飯だよ」
…もう何度か耳にした沙希さんの声が駒井さんの名を呼んだ。
ドアを開けたのみならず、ベットの方まで近寄ってくる。
「春憂」
もう一度呼ばれたその名前に「んー…行くから出てって」と駒井さんも答えた。
「そんなこと言って起きないでしょ。」
そう言って彼女は布団をひっぺがした。
いくらストーブをつけてるとは言え、突然身体にかかる重さが消え閉じ込めて居た暖かい空気が逃げていき身体がぶるっと震えた。
「え…」
彼女と目があって、彼女は固まる。
…駒井さんは突然剥がされた布団に機嫌が悪そうに小さく身体をまるめた。
____________________________
作者から
本日2/28でウェブコンテンツ大賞 恋愛部門が終了します!
今日で最後です
まだ投票して居ない方で投票数が残っている方、よければ投票お願いします!
また1ヶ月間
毎日2回更新にお付き合いいただきありがとうございました!
お気に入りも80人ほど増え、誤字訂正コメントを頂く機会も増えました。
今日で大賞は終わりますが、今後とも作品・作者共々よろしくお願いします
2018/2/28
____________________________
タイマーのストーブで暖かくなった部屋に、カーテンの隙間から薄っすらと青い光が差し込む。
「ん…」と声に出しながらもぞもぞとアラームを止めようとする駒井さんに、ちゃんととなりに居てくれてるんだと安心しながら温もりを感じる。
「沙織ちゃん…朝だよ」
まだ眠いままの駒井さんの声で名前を呼ばれる。
「んー…」
と私も眠いまま返事をして寝返りをうつ。
10cmぐらい先に駒井さんの顔があって自然とにやける。
駒井さんは寝顔がとてもかわいい。
普段はかっこいいのに寝顔、寝起き顔の無防備さはもう子供のようだ。
「あと20分ごろごろしよ」
たどたどしく目を閉じたままそう言う駒井さんは、布団の中で私の手を握ってほっと息をついた。
…寝起きのこの時間は、幸せな二人だけの時間…
_ドドドドッ…
突然、階段をものすごい勢いで上る足音が聞こえた。
こんな朝早くからすごい音をたてる誰かに少しだけイラッとする。
駒井さんも「うっせぇな…」と寝起きで口調の荒いままそう呟いた。
_ガチャッ
部屋のドアが開いて廊下から涼しい風が頬を流れる。
「春憂、ご飯だよ」
…もう何度か耳にした沙希さんの声が駒井さんの名を呼んだ。
ドアを開けたのみならず、ベットの方まで近寄ってくる。
「春憂」
もう一度呼ばれたその名前に「んー…行くから出てって」と駒井さんも答えた。
「そんなこと言って起きないでしょ。」
そう言って彼女は布団をひっぺがした。
いくらストーブをつけてるとは言え、突然身体にかかる重さが消え閉じ込めて居た暖かい空気が逃げていき身体がぶるっと震えた。
「え…」
彼女と目があって、彼女は固まる。
…駒井さんは突然剥がされた布団に機嫌が悪そうに小さく身体をまるめた。
____________________________
作者から
本日2/28でウェブコンテンツ大賞 恋愛部門が終了します!
今日で最後です
まだ投票して居ない方で投票数が残っている方、よければ投票お願いします!
また1ヶ月間
毎日2回更新にお付き合いいただきありがとうございました!
お気に入りも80人ほど増え、誤字訂正コメントを頂く機会も増えました。
今日で大賞は終わりますが、今後とも作品・作者共々よろしくお願いします
2018/2/28
____________________________
0
お気に入りに追加
1,455
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お隣さんはヤのつくご職業
古亜
恋愛
佐伯梓は、日々平穏に過ごしてきたOL。
残業から帰り夜食のカップ麺を食べていたら、突然壁に穴が空いた。
元々薄い壁だと思ってたけど、まさか人が飛んでくるなんて……ん?そもそも人が飛んでくるっておかしくない?それにお隣さんの顔、初めて見ましたがだいぶ強面でいらっしゃいますね。
……え、ちゃんとしたもん食え?
ちょ、冷蔵庫漁らないでくださいっ!!
ちょっとアホな社畜OLがヤクザさんとご飯を食べるラブコメ
建築基準法と物理法則なんて知りません
登場人物や団体の名称や設定は作者が適当に生み出したものであり、現実に類似のものがあったとしても一切関係ありません。
2020/5/26 完結
お兄ちゃんはお医者さん!?
すず。
恋愛
持病持ちの高校1年生の女の子。
如月 陽菜(きさらぎ ひな)
病院が苦手。
如月 陽菜の主治医。25歳。
高橋 翔平(たかはし しょうへい)
内科医の医師。
※このお話に出てくるものは
現実とは何の関係もございません。
※治療法、病名など
ほぼ知識なしで書かせて頂きました。
お楽しみください♪♪
My Doctor
west forest
恋愛
#病気#医者#喘息#心臓病#高校生
病気系ですので、苦手な方は引き返してください。
初めて書くので読みにくい部分、誤字脱字等あると思いますが、ささやかな目で見ていただけると嬉しいです!
主人公:篠崎 奈々 (しのざき なな)
妹:篠崎 夏愛(しのざき なつめ)
医者:斎藤 拓海 (さいとう たくみ)
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
W-score
フロイライン
恋愛
男に負けじと人生を仕事に捧げてきた山本 香菜子は、ゆとり世代の代表格のような新入社員である新開 優斗とペアを組まされる。
優斗のあまりのだらしなさと考えの甘さに、閉口する香菜子だったが…
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる