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誘拐宅 side 五月
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絶対に怒られると思った。
誘拐した方の運ちゃんも、それに乗っている私も。
ダメ元で誘拐依頼の開放時間までここにいると言ったら、まさかの宮川くんを送り込まれることになった。
「み、宮川って恐いんか?」
怯えたように、でかい図体を小さくしながらそう聞いてくる運ちゃんに
「運ちゃんほど恐くないよ」
と笑いかえす。
「宮川くんも怒ってるかもしれないから、誠心誠意込めて謝らないとだね。」
…怒ってるかもしれないとは思った。
だったら運ちゃんが少しでもいい人だとわかるようにしようと思い、楽しく玄関で向かい入れた。…はずだ。
リビングに迎え入れ、3人して正座でテーブルを囲む。
出だしが失敗したせいか、無言で時が過ぎ、運ちゃんが焦り始める。
「あの…」
やっとのこと宮川くんが口を開くと、続きは聞かない勢いで
「はいっ!お茶ですね!お待ちくださいっ…!!」
と慌てて運ちゃんが部屋を出て行く。
口を開きかけた宮川くんも、ポカンとして彼の背中を目で追い言葉を失う。
…この状況で2人にしないでよ運ちゃんっ…!
静かなリビングに、遠くから聞こえる運ちゃんの足音と時計の針の音が響く。
小さく溜息をついた宮川くんの吐息に、緊張しながら体を固める。
「…大丈夫そうで安心しました」
ボソッと、目を合わせないままそう言った彼。
心配させてしまったんだという気持ちと、なんかわからない嬉しさがあって「ごめんなさい。ありがとう」と返す。
「変なこと、されてないんですよね。」
確かめるように一応聞いてくる彼に、「何もなかった」と返す。
「運ちゃん、ああ見えて優しい人だし。面白い人でしょう?だから楽しい一晩だったよ。だから大丈夫_...」
そう言い切る前に、突然隣にいた彼が私の頭に手を回した。
_ぐいっ
…と力強く彼の方に頭を押され、反抗もできないまま
唇に熱を感じた。
誘拐した方の運ちゃんも、それに乗っている私も。
ダメ元で誘拐依頼の開放時間までここにいると言ったら、まさかの宮川くんを送り込まれることになった。
「み、宮川って恐いんか?」
怯えたように、でかい図体を小さくしながらそう聞いてくる運ちゃんに
「運ちゃんほど恐くないよ」
と笑いかえす。
「宮川くんも怒ってるかもしれないから、誠心誠意込めて謝らないとだね。」
…怒ってるかもしれないとは思った。
だったら運ちゃんが少しでもいい人だとわかるようにしようと思い、楽しく玄関で向かい入れた。…はずだ。
リビングに迎え入れ、3人して正座でテーブルを囲む。
出だしが失敗したせいか、無言で時が過ぎ、運ちゃんが焦り始める。
「あの…」
やっとのこと宮川くんが口を開くと、続きは聞かない勢いで
「はいっ!お茶ですね!お待ちくださいっ…!!」
と慌てて運ちゃんが部屋を出て行く。
口を開きかけた宮川くんも、ポカンとして彼の背中を目で追い言葉を失う。
…この状況で2人にしないでよ運ちゃんっ…!
静かなリビングに、遠くから聞こえる運ちゃんの足音と時計の針の音が響く。
小さく溜息をついた宮川くんの吐息に、緊張しながら体を固める。
「…大丈夫そうで安心しました」
ボソッと、目を合わせないままそう言った彼。
心配させてしまったんだという気持ちと、なんかわからない嬉しさがあって「ごめんなさい。ありがとう」と返す。
「変なこと、されてないんですよね。」
確かめるように一応聞いてくる彼に、「何もなかった」と返す。
「運ちゃん、ああ見えて優しい人だし。面白い人でしょう?だから楽しい一晩だったよ。だから大丈夫_...」
そう言い切る前に、突然隣にいた彼が私の頭に手を回した。
_ぐいっ
…と力強く彼の方に頭を押され、反抗もできないまま
唇に熱を感じた。
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