静寂

あとがき

　最後までお読みいただき、ありがとうございます。
　少しばかり不思議な終わり方をしたこの物語について、いくらかお話ししたいと思います。
　どうぞ、お付き合いください。

　この物語は文藝マガジン文戯３号「音楽の力、言葉の力」という巻頭企画に掲載されたものです。
　私はレギュラーサイドで参加しましたが、コンペも行われました。その際、どちらか一方をもう一方に勝たせる、という趣旨のことが指定されました。
（正確には…（【作品募集の趣旨】■春号の巻頭特集は「音楽は言葉を超えない」と題しまして、音楽表現が文章表現に勝る派と文章表現が音楽表現に勝る派の対立を演出します。実際にどちらが優れているか結論を出せないと分かった上でのプロレスです。皆さんの作品を通してそれぞれの良さが浮き彫りになれば企画の成功となります）（転載））
　そこで「静寂」ではどうなっているかというと、少女達は音楽で行動を起こしますが、銃火に倒れます。一方、詩人は言葉の力で革命を起こす火種を作りました。少女達の音楽は詩人によって日の目を迎えられました。
　一方、作家として栄誉は一時的なもの、音楽隊の少女達は音楽の力を不滅のものなった……とも考えられます。
　企画ものの一遍ということもあり、このような終わり方になりました。
　音楽と言葉についての私の見解はつまり、こういうことです。

　音楽の力、言葉の力。みなさんはどちらが優れているように思いましたでしょうか。
　では、またいつかお会いしましょう。