夜空に星が流れるとき

浅黄幻影

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埋もれた財宝

埋もれた財宝(2)

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 この話は父と母には当然話したけれど、学校で友達にも話した。もし証拠がなければ誰も信じなかっただろうけど、ぼくは一枚、金貨を手にしていたのでみんなが信じた。
「ほんとうに埋まっているのがわかったのか?」
「他にも何か埋まっていたりしないかな。すごいものが見つかるかも」
 そういうわけで、ぼくと数人は学校の後で町を回って埋まっているものがないか探して歩いた。
 道の端っこでは、ずっと前に落とした銅貨をたくさん見つけてみんなで大はしゃぎをしたし、別のところではリスが埋めたらしいクルミを見つけて、これにはがっかりもした。
 最後に道路工事をしていたところを通ったとき、友達が
「まさかここに埋まってたりなんてしないだろうね」
 と、冗談を言った。けれど、ぼくにはまさにその場所に何かが見えていた。
「埋まってるみたい。何か……大きな壺とか甲冑が見える」
 友達たちは一気に盛り上がり、工事をしていたおじさんに事情を話して掘り返すように頼み込んだ。おじさんは気のいい人で、「じゃあ、少しだけならいいよ」と、ザクザクと掘ってみせた。
 わずかに数分、経つか経たぬかというときだった。おじさんのツルハシが何かにガンッと当たった。これにはおじさんも驚いた様子だった。
「まさか……」
 と疑うおじさんだったけれど、慎重に音がしたところから掘り返してみると、本当に甲冑が出てきた。
「おいおい……こりゃあ、なんだってんだ」
 工事に来ていた大人たちが集められた。それから町役場の人が来て調べたり、その指示で工事が中断されたりして大慌ての一大事となってしまった。
「いやあ、工事は一旦中止になってしまったよ。きみたち、本当に埋まっているものがわかるんだね」
 おじさんは笑っていたけれど、本当は仕事が打ち切りになって困ってしまったよ、とも漏らしていた。
 見つかった甲冑は五〇〇年ほど前のこの地の合戦でのもので、周囲からは甲冑の他にも剣や槍、馬の骨、もちろん人の骨も出てきたと聞いた。
 大人たちはこの歴史的発見を大変よろこび、次いで、ぼくはいいお宝探知機として利用されることになってしまった。
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