仮面を被る鬼陛下と結婚したら溺愛される

葉月 友梨奈

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第3章 結婚への道

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アレンとアリアの見合い結婚が薦められていた。

【ハルドイド家】
王室クランベル家から執事と騎士が来た。ハルドイド家のものは最初は何が起こったか分からなかったが、王室からのお客様だから断ることも蔑ろにもできない。
応接室に通した。
執事のライアンと騎士が3人いた。
ハルドイド家の両親と姉と妹も呼ばれた。メイドが高級菓子とお茶を出した。

「今日はどのようなご用でしょうか?」父親のデイジス=ハルドイド
クランベル家の執事のライアンは説明した。
「本日は突然の訪問をお許しください。本日はダイナス国王とアレン陛下からのお話があり訪問しました。」
「最初に言っておきます。この話は、アリア=ハルドイド嬢へと言うことで。」ライアン
「アリアに何か無礼でも」デイジス
「いえ、そうではなく、アレン陛下からのご指名で、アリア=ハルドイド嬢との御成婚ということです。」ライアン
「なぜアリアですか?うちには長女のジュリアもいます。順番からいうとジュリアが先では?それに申し訳ありませんが、王室からのご指名なのであれば、長女が先ではないですか?ジュリアはこの美貌と性格の良さは知れ渡っています。アリアは美貌もなく何の取り柄もありません。」デイジス
ライアンは思わずプツンと切れた。
アレンに許しを得ている。
「何ですか?王室からのご指名を断ると言うことですか?」ライアンは強めに言った。
「いえ、ただアリアではなくジュリアでと」デイジス
「申し訳ありません。アレン陛下が、どうしてもアリア嬢と結婚したいと言うことですから。」ライアンは両親とジュリアに言った。
「それとご両親はジュリア嬢がアリア嬢に目立たない場所に気づかれないように鞭で暴力をふるっていることはご存知でしたか?」ライアン
「えっ?いえ知りません」
「ジュリア、そうなのか?」デイジスはジュリアに聞いた。
「いえ、そんな事はしてません。実の妹ですよ。するわけないでしょう」ジュリアは平然と嘘をついた。
「ジュリア嬢、調べはついてますよ。それにパーティーや舞踏会で位の高い男性を誑かして何人もの人と関係を持っている。騙していますね?それがどんな罪になるか分かっていますか?」
「身辺整理をしていてください」ライアンはアリアの両親と姉のジュリア嬢に言った。
「ジュリア、どういう事だ!?お前はそんな事を!」デイジスはジュリアを怒った。
「私は、そんな事はしてない。皆さんが声をかけてくれるので、話はしました。酷いです。」ジュリアは泣き真似をした。
「演技をしなくてもいいですよ。これからは気をつけないと身辺に関わります。それとジュリア嬢、自分以外の人を上から目線で小馬鹿にしたり指図したりする事は辞めてもらいます。」ライアンはキッパリと言った。
「あと、ご両親もアリア嬢を見放していましたね。ジュリア嬢だけが娘だと思っていましたか?アリア嬢は1人で悩んで何も言わずに耐えてきた。誰もいないとこで泣いていた。それがどういう事か分かっていますか?」
「少しはアリア嬢の心の傷を考えてください。誰にも愛されずに味方がいないと思った、その傷です」
「人としてどうかと思いますよ」
「貴方がたには分からないでしょうね」
「貴方たちより、ここに支えている人たちの方が分かっている。優しさや思いやりもあると思います」ライアンは睨みつけて真剣に言った。

「アリア嬢、時間がありません。直ぐに用意をしてきてください。荷物は軽くでいいです。ここで待っています。」
ライアンはアリアに言った。
「今ですか?」アリアは驚いた。
「はい、国王と陛下から連れてくるように言われています。」ライアン

アリアは訳わからず、自分の部屋へ行き荷物をまとめに行った。
<30分後>
「お待たせいたしました」アリア
「では、行きましょうか」ライアンは立ち上がって振り返り言った。
「この事は決定事項です。もう変えられませんから。もし邪魔をしたら国王家に喧嘩を売ることになりますよ」ライアンは真剣に告知した。

アリアを連れて馬車に乗った。荷物は騎士が持った。

<馬車の中>
「申し訳ありません。アレン陛下がどうしてもと言いまして、無理を言いました。訳は着いてから聞いてください」ライアンは謝った。
「大丈夫ですよ。全ての事情は知っています。ご家庭でどういうことがあったか、どういう仕打ちをされたか。アレン陛下も国王も王妃さまも知っています。それでもアレン陛下が助けたいと、勿論それだけではないです。アレン陛下がアリア嬢をお慕いしているからです。」ライアンは優しく笑った。
アリアは驚いていた。
「クランベル家では、自分を隠さずに素直になってください。警戒しなくていいですよ。ハルドイド家にいた時みたいな、酷い事はしませんから」ライアンは頷いた。
「はい」アリア

<ハルドイド家>

「どういう事?なぜアリアなの?私の方がこの美貌と性格で知れ渡っているはず。悔しい!アリアのくせに!」
ジュリアはブチ切れていた。
「仕方ないだろ。王室からの陛下と国王と王妃からのご指名だから。諦めなさい。」デイジス
「嫌よ!絶対に認めない。アリアが幸せになるのは許せない」ジュリアは、やはり妨害しようと考えていた。
「ジュリア、お前はアリアに暴言暴力をふるったのか?それにパーティーや舞踏会で位の高い人と関係を持って、国王一家に調べられて、もう手遅れだ。情けない、どうなるのか頭が痛い。」デイジスは呆れていた。
「そんな、娘が困っているのに助けてくれないの?」ジュリア
「もう手遅れだよ。」デイジス
「お母さま」ジュリア
「仕方ないでしょう。貴方がした事です。自業自得ですよ」母親


<3時間後>
王家のあるクランベル家が住む宮廷に着いた。
メイドと騎士が迎えた。
荷物はメイドが部屋へ持っていった。

執事のライアンにある部屋へ連れていかれた。
「どうぞ」ライアン
「失礼致します。」アリア
部屋に入ったら、国王と王妃と陛下がいた。
「どうぞ、座ってください」ダイナス国王
「いえ、ここでいいです」アリアは遠慮した。
「いいから座って」カレン王妃は優しく微笑んだ。
「はい、では」アリアは座った。

アレン陛下は仮面の鬼陛下と噂されている。アリアは少し怖かった。
でも、その時初めて素顔を見た。
驚いた。そう街で助けてもらった人だったからだ。鬼どころか優しい顔付きでイケメンである。

「今回の結婚話はアレンからの提案でね。アリア嬢、君とどうしても結婚したいと言うから、私たちも承諾した」
「大丈夫ですよ。怖がらなくても何もしない。これまでは大変だったね。辛かったでしょう。今日からはアレンは次期国王でアリアは次期王妃だから、何でも自由にしていいから、何かあれば言ってくれ、娘になるのだからね。体の傷は後でメイドに手当てさせるよ。」ダイナス
「いえ、大丈夫」アリア
「遠慮はしない事、私たちは全て知っている。アリア妃の姉であるジュリア嬢から暴言と暴力行為のことも知っている。両親からも見放されていた。もうここではそれはないですよ。私は今日からアリア妃の母親でダイナス国王は父親ですから。アレン陛下はアリア妃の夫になります。何でも言ってください」カレン
「もう、ハルドイド家の事は忘れてください。ここがアリア妃の実家になるのです。」カレン

「アリア、これにサインをしてください」アレンは1枚の紙をアリアの前に置いた。ペンと渡された。
「これは?」アリア
「婚姻届です。私のサインはしてある」
アレンは優しく微笑んだ。
驚いたが後戻りはできない。ハルドイド家に帰るよりはマシだった。
アリアはサインをした。

「明日、私が出しておきます」アレン
「ん、王家には私が伝えてある」ダイナス国王
「はい、ありがとうございます」アレン。
「今日は疲れただろう。部屋でゆっくりするといいよ」ダイナス国王

「行こうか」アレンに案内された。
ダイナスとカレンに頭を下げて挨拶をして部屋を出た。

「いい人じゃないか。アレンが惚れただけある」ダイナス
「そうですね」カレンは微笑んだ。

ある部屋の前でアレンが止まり、部屋のドアを開けた。
「入って」アレン
アリアは入った。
女性らしい飾り付けで豪華だった。

「何か足りないものはメイドでもいいし、俺でもいいから言って揃えるから」アレン
「そんな」アリア
「座って」アレンはアリアをベッドに座らせて隣に座った。
「籍は明日入れるけど、夫婦なのだから、これからは遠慮はしないこと、それにハルドイド家でおきたことは全て調べているし知っている。」
「家族にどんなことをされたかも、姉のジュリア嬢からの仕打ちもね。痛かったし辛かっただろう。誰にも言えずに見方がいないと思っていたのだろう。よく我慢した。」
「これからは私たちがアリアを守るから。ハルドイド家には手出しはさせない。アリアは王室に守られることになる。勿論、俺も守るよ。俺が仕事でいない時はライアンか父上か母上でもいいから。もし手紙とかきたら教えてほしい。手紙の内容もね。たぶん何か仕掛けてくると思う。姉であるジュリア嬢がね。」
「ジュリア嬢がどういう性格か多数の男性と裏で何をしていたか。バレていないとでも思っているのか。噂は直ぐに広まる。美貌だけでは男性は射止めない。」アレンは言った。
アリアは少し緊張していた。

アレンはアリアを優しく抱きしめた。
「アリアの方が俺にとっては可愛いし綺麗だと思う。性格もまだこれから知るけど、皆んなに慕われているということはいいことだよ。見るだけで優しさや行動で思いやりがあるかが分かる」
「これからはハルドイド家のいうことは聞かなくていいよ。断っていいから、もし理由を聞かれたら[アリアは俺の妻になったから実家にも帰らないし戻らないと。また侮辱されたらハルドイド家とは縁を切ると言っていいから]迷惑とか思わないこと、いいね。」
「俺の前では弱みを見せていいから、他の人の前で見せれないなら、2人の時に素顔を見せて」
「もう一つ、俺は助けたい為だけにアリアと結婚したいと言ったんじゃないから、街の中で助けた時に一目惚れした。それが真実だよ。俺のことは信じていいから」
アリアは赤くなり何故か泣きそうになった。
アレンはアリアを覗いた。
「いいよ。泣きたいなら思いっきり泣いて。今までの分を吐き出せばいい」アレンは鬼どころか優しく思いやりがあった。その優しさに包まれた。
アリアは自然と涙が出ていた。
アレンは背中と頭を優しく撫でて抱きしめていた。
「辛かったね。これからは俺がアリアを幸せにする」アレンはギュッと抱きしめた。










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