姫路と大熊

雑田

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寝室につくと、今にも襲ってきそうな大熊の身体をぼすっとベッドに押し倒してやる。
身長差のある体格差のため、立ったままだとしづらいキスも上から覆いかぶさってしまえば思う存分にできる。
誘うように大熊の首に腕を回すと、それに応えるように差し出してきた舌を吸い上げた。

「んっ…、いい子にしててね、大熊」
「ふ、はッ、わ、わかった、から」

早くしてくれ、と言葉では急かすのに、大熊は犬が待てをするように手を出してこない。
これが、散々搾り尽くされて学習した僕が大熊に提示したルールだった。

世のカップルの例に漏れず同棲を始めて浮かれ上がっていた僕達は、それはもう夜の方も大いに盛り上がっていた。
場合によっては昼も、なんなら朝から致していることもあった。が、日が経っても収まる気配のない性欲よりも先に、僕の体力の方が限界に達した。
大熊の体力や精力に比べたら僕のそれなんてかわいらしいものだった。
しかし、僕だって大熊の気持ちに応えたい。
考えあぐねた結果、出した答えは「僕が主導しはじめたら大熊は大人しくすること」だった。
たったこれだけのことだったが、このルールを決めてから僕達の性生活は安定していった。
最初は不満気な顔をしていた大熊も、潜在的にあった性的嗜好からすっかり僕に責められることの快感を覚えてしまい、今ではちょっとだけ変態チックになってしまったような気がするが。

僕もちょっとだけ性癖捻じ曲げられた気がするもんなぁ…とピュアだった頃の自分に思いを馳せつつ、スウェットの上から大熊の小さい乳首を見つけてカリカリと引っかく。

「あっ、ひめじっ、はぁ、ッ」
「大熊って、僕より乳首感じるんじゃない?」

人差し指が往復するたびに、いちいち反応してくれる大熊が可愛くて仕方がなくて、つい意地悪なことを言ってしまう。
気持ちよくてたまらないといった表情で眉間に皺を寄せながら喘ぐ大熊に、ないはずの子宮が疼くような感覚がした。
ふと足に湿ったものが当たったが、気付かないふりをして優しく足で撫でる。
何かを発しそうになった唇を塞ぐように食めば、ついに我慢できなくなったのか力強く腰を掴まれた。
まずい、焦らされた獣の耐性を見誤れば返り討ちにあってしまう…。
5回に1回はやり過ぎて襲い返され、いつも以上に蹂躙されることを知っている僕は大熊からさりげなく身体を離した。

「ごめんごめん。そんなに急がなくてもこっちも可愛がってあげるから、ね?」
「ん、姫路…もう…っ」

ちゅ、と宥めるようにキスをして、僕は下着を脱ぎ始めた。
人のことを言えないほど多量の先走りで濡れそぼった下着と股座を見せつけるようにすれば、大熊は鼻血でも出すんじゃないかというくらい興奮しきった顔で馬乗りになった僕の下肢を凝視していた。
先ほど汚された白いTシャツの裾が、隠れるか隠れないか絶妙な長さで赤い果実のような色をした僕のペニスをちらつかせる。
そのままベッドの横の引き出しからローションを取り出し、躊躇いなく大熊のスウェットの変色した部分に垂らした。

「なに、して、」
「僕の服だってぐちゃぐちゃにしたんだからいいでしょ。……これ、シミになったら履くたびにえっちな気分になっちゃうかもね」
「ッ…!」

ペニスの形を浮かび上がらせるようにわざと際をなぞれば、その体格に見合った大きなペニスがびくんっ、と分かりやすく跳ねた。
先ほどよりも更に色濃くなってぬるついたそこに、自分のペニスを沿わせてずりずりと擦る。
会陰から亀頭の先端にかけて、大熊のペニスの硬さを確かめるようになぞるとぞわりとした快感が下腹に響いた。
中まで伝うローションが気持ち悪いのか大熊が身動ぐたびに、ぬちゃ、と濡れた音がしてそれにすら興奮してしまう。
水音を重ねるように腰を前後に動かすと、つられて大熊の視線がそこに注がれるのが分かった。
まるで騎乗位のような体勢で擬似的にセックスしている自分達の姿を想像し、行為をコントロールされている大熊が必死に何かを堪えようとしているのを見るだけで快感が一層膨らんでいく。

「あっ、は、んぅ…っ、きもちいね、大熊…?」
「う、ぐっ、は、ぅあッ」

スウェットの裾を捲り上げると肉厚な胸筋が姿を現し、少しだけ下向きになっている乳首をぴんと弾く。
素直に喘ぐ大熊と比例するように腰の動きが大胆になっていく。
とめどなく滲む先走りを塗りつけるように擦ると、ぐちょ、ぐちゅっ、と腹の下からいやらしい音がした。



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