バカ犬躾けて仇となる

雑田

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 俺は最近、絶倫すぎるバカ犬をどう躾ければいいか悩んでいた。

毎日毎日、発情期の犬みたいに盛っては馬のちんこみたいなデカブツを俺の尻に突っ込み続けぐちゃぐちゃに犯してくる。
毎回シーツはどろどろになるし、無茶な体勢で壁や床にまで飛んだ精液はこびりついて掃除が大変だし、なにより体が痛い。
それでも奴は抑えているらしく、全然足りないもっとしたいなどとほざいてくる始末だ。
お前のちんこにリミッターはないのか?
なんやかんやで流される俺も俺だが……いや、流されているわけではないが奴がゴリラ並みの力で俺の抵抗をねじ伏せてくるので、もはや知らぬ間にセックスに突入しているのだ。
しかも、そのうえ絶倫ときた。
まったく、犬なら犬らしくちんこも腕力ももう少し可愛げのあるものであってほしい。
俺はもう自分の尻の将来が心配で仕方ない。
おい大丈夫か、俺の尻。
 
そんな不安もあり、ついさっきまで無体を強いられていた俺はとうとう奴に禁止令を出すことにした。

「彰人、俺はしばらくお前とセックスしない」
「えっ」
「最低でも明日から2週間はしない。自分でシコるのはいいけど、俺に手出したらそっからまた1週間お触り禁止な」
「ちょ、ちょっと持ってください、2週間もセックス禁止…? いきなりなんでですか!」
「なんでも何も、今の俺の状態を見たら分かるだろ…」
「俺とのセックスに不満があったってことですか? わかりました、治樹さんが加減しろって言うから抑えてましたけど今からまた、」
「だぁーから!それが原因なんだっつの!毎回毎回、アホみたいにそのデカブツ突っ込まれる俺の身にもなってみろ。そのうち痔になって俺の尻はもう何も生み出せなくなるぞ!!」
「俺との子どもを…?」
「ちげーわバカ!」

話している途中からまんまとこいつのペースに乗せられて話が脱線していく。
いつもこんな感じでうやむやに流されるので、結局俺が諦めていつもと同じようにバカスカ犯されているのだ。
だが、今回ばかりは折れるわけにはいかない。
ここらでひとつこいつの勢いを止めておかなければ、俺の尻の休息はいっこうに訪れないだろう。
ダメな犬にしかと言い聞かせるように、まっすぐと彰人の目を見て言った。

「いいか、彰人。明日から2週間だ。明日から2週間、セックス禁止だからな」
「治樹さん…」

くぅん…と今にも鳴きそうな目で何かを訴えてくる彰人に一瞬たじろぎながら必死に耐える。
俺より図体でかいくせに、なんでこんな仔犬みたいな可愛げがあるんだ。

「……わかった。じゃあ2週間我慢できたら、代わりにお前の言うこと1個だけ聞いてやる」
「なんでもって、本当になんでもですか?」
「ああ。ただし俺が聞ける範囲のことでな」

じゃないとこいつも納得しないだろうし、何よりこれで耐性がついて我慢を覚えてくれれば俺も願ったり叶ったりだ。俺の尻には平穏が訪れることだろう。

「わかりました…」

渋々といった感じで彰人が頷く。
悲しげにハの字に下がる眉に一抹の罪悪感を感じるが、これも今後の(尻の存続の)ためだ。分かってくれ。

これで話はおわったとばかりに、ふぅ、と息をつく。
酷使した身体ではベットから立ち上がってシャワーを浴びにいく気力もなく、横たわったままゆっくりと瞼が閉じていく。
左側に人肌より少し熱い温もりを感じたので、彰人も一緒に寝るつもりなのだろう。

無事に約束を守ってくれたら、たまには自分から誘って積極的にサービスでもしてやるか。


そう呑気に思いながら眠りについたこの時の俺こそが本当のバカだったのかもしれないと気付いたのは、約束の2週間が経ってからだった。


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