おうちで♡

雑田

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おみせでこいびとえっち♡

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「うわっ、ゆきちゃんのそのカッコ懐かし~」
「ここでバイト初めてもう1年経つんだねぇ」
「でもたしかに前よりその服着こなせてる感じする~!」
「あ、ありがとうございます…」

ゆきを囲んで先輩たちがきゃっきゃと囃し立てる。
その要因となっているのは、自分が今着ている白が基調のパステルブルーのメイド服だった。


僕がじゃむらぶでバイトを始めて今日でちょうど1年。
バイト先の方針で、1周年経ったスタッフは研修期間に固定で着ていたコスチュームで旦那さまをお迎えするというイベントがあるのだ。
チラシやSNSにも掲載され、推してもらっている旦那さまには自らも宣伝しなくてはいけないので、少し照れくさいけどスタッフ恒例の催しともなれば避けることもできない。
といっても、ちょっとしたお誕生日会のようなもので新規客の獲得に繋がればそれなりに手当も貰えるようなので、先輩たちだけでなく今日ばかりは僕も少し張り切っているのだが。


「それにしても、今考えるとゆきちゃんがその服選んだの意外だよねぇ」
「それ思った!ゆきちゃんの性格からして、もうちょっとスタンダードなメイド服選びそうだよね~」
「そうそう、白黒で、もう少し丈が長いやつ」
「僕も最初はよく見かけたことのある普通のメイド服にしようと思ってたんですけど、もも先輩が…」

「ゆきちゃん地味だから制服くらい可愛いの着た方がいいよって俺が言ったんだよ、ね~?」

背後からぎゅっと腰に抱きつかれたことにびっくりして振り向くと、にまにまと意味ありげな笑みを浮かべたももが至近距離にいた。

「っ、ももっ、……せんぱい」
「さすが、ももってば新人にも容赦ない」
「ももちゃんならたしかに言いそう」
「派手ではないけど、ゆきちゃんだって可愛いもんね~」

すかさず後輩である僕のフォローをしてくれる先輩たちに、ももが少しむっとした表情で僕の腰を抱いている手に力を込めた。

「ゆきちゃんが可愛いのは知ってます~!ていうか俺が育てたんだから当たり前でしょ?この服だってお店の中で一番ゆきちゃんに似合う制服だと思って選んだんだから」
「はいはい、ももって本当ゆきちゃん大好きだよね~」
「お客さんに絡まれると、すぐにゆきちゃんのこと責めるくせにね~」
「最初の頃なんかそれでいちばん怖がられてたくせにね~」

「ね~」と、ももを揶揄うように楽しげに賛同する先輩たちと、追い払う素振りを見せながら威嚇するももを見て少しだけ緊張していた気持ちが和んだ。
そのあとすぐに、店長の呼びかけで先輩たちは仕上げの飾り付けのため控室から店内へと移動していった。
本当はももと僕も作業しなければいけないのだが、ひっつき虫が想像以上に離れないので置いていかれてしまった。

僕とももしか居なくなった控室で、ももは甘えるように僕の頬に顔を寄せた。

「今は俺といちばん仲良いもんね、ゆき」
「……うん」
「ゆきだってこの制服気に入ってるもんね」
「今だから分かるけど、これ完全にももの趣味だよね」
「んふふ、せいかーい」
「っ、ももっ」

未だ腰を緩く拘束していたももの手が、胸元や太ももの付け根など際どいところを撫でつける。

「覚えてるでしょ、ゆき。今日はゆきの1周年記念だって知ってたから、俺もあの時の服着てきたんだよ。……仕事中思い出しても興奮しちゃダメだからね?」
「もものばか…!」

実はちょっとだけ興奮してしまったのは秘密だ。



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