8 / 36
七話 満開の花は、一途の幸せ 後編
しおりを挟む
満開の花は、一途の幸せ、彼の重く、切ない想いをヤツメは、文字にしたため、満開の花を描く
この恋文の強い文字は、重みと温もりを与え、満開の花は、一途な想い共に、感謝の気持ちを表す。
そしてヤツメは、病院で主人の事を待って居るであろう、奥さんの事を思い、一つ可愛い花のつぼみを書き足す。
花のつぼみは、希望の導き、決してあきらめる事無く、頑張って欲しい、その想いで、この恋文を包み込む。
「これをお持ちになり、早速く奥様のお見舞いに」
ヤツメはそう言い、恋文を手渡すと、彼の感謝の気持ちが、溢れ出す。
「ありがとう」「実は、自分で書きたいと思ていた」「だがな、筆を持つと、手が震え、涙が溢れ書けなったんだ」「そんな自分が、情け無く、今までな、辛かった」「凄く辛かった」
「本当にありがとう」
病と闘う、本人は当然だが、献身的に看病する者の、その苦労は計り知れない、その事を彼の瞳を見て、うかがい知ったヤツメは、思わず彼に、声をかける。
「もし、よろしければ、御同行しましょうか」ヤツメは、優しい口調で、この者に問うと、彼は首を横に振り、「近くのガン専門医院だ」「歩いて行ける」
「それに、私は妻と二人の時間を楽しみたい」
彼はそう言うと、深く頭を下げ、重い扉を開け、足早に妻の居る病院に向かう
その後この恋文は、彼らの人生に、どれだけの影響を与えたかは、うかがい知る事は、出来ないが、ヤツメには、彼との出会いが、文華との交際を加速させる事となる。
扉の向こうで、暖かい缶コーヒーで、寒さを凌いでいた文華に、ヤツメは頭を優しくトントンと叩き、「すまなかった、寒かっただろ」そう言うと、すぐさま自分のコートを文華にそーと羽織ってあげる。
文華は、顔を赤らめちょと恥ずかしいそうに「ありがとう」と小さな声で呟く当然文華は、男性にこんな事をされた経験が無い、その為か、しばらく無言のまま下を向き、ヤツメの優しさの、余韻に浸っていた。
そして、自分が書いた交際日記に込めた、意気地無しの気持ちが、溢れ出す事が無い様に願っていた。
あっ~恥ずかしい、あんな事、想いながら書かなきゃ良かった。
バレて無いよね。
そう思いチラッと、ヤツメを見ると、「やっと顔を上げてくれたな」ヤツメは、さりげなくキラキラした瞳の中を確認し、にっこりと微笑み、
大丈夫そうだな、悪しき力は、強くなって無い、良かった。 ホッと胸を撫で下ろし
「文華ちゃん、最初に出会った、あの日の事、覚えている?」
「俺、あの日に君に心を、奪われてしまった」
「正式に、付き合って、くれないだろうか?」「君が好きなんだ」
文華の頬に涙が伝う
何故ならば、彼女は長い間この言葉を待っていた。
この恋文の強い文字は、重みと温もりを与え、満開の花は、一途な想い共に、感謝の気持ちを表す。
そしてヤツメは、病院で主人の事を待って居るであろう、奥さんの事を思い、一つ可愛い花のつぼみを書き足す。
花のつぼみは、希望の導き、決してあきらめる事無く、頑張って欲しい、その想いで、この恋文を包み込む。
「これをお持ちになり、早速く奥様のお見舞いに」
ヤツメはそう言い、恋文を手渡すと、彼の感謝の気持ちが、溢れ出す。
「ありがとう」「実は、自分で書きたいと思ていた」「だがな、筆を持つと、手が震え、涙が溢れ書けなったんだ」「そんな自分が、情け無く、今までな、辛かった」「凄く辛かった」
「本当にありがとう」
病と闘う、本人は当然だが、献身的に看病する者の、その苦労は計り知れない、その事を彼の瞳を見て、うかがい知ったヤツメは、思わず彼に、声をかける。
「もし、よろしければ、御同行しましょうか」ヤツメは、優しい口調で、この者に問うと、彼は首を横に振り、「近くのガン専門医院だ」「歩いて行ける」
「それに、私は妻と二人の時間を楽しみたい」
彼はそう言うと、深く頭を下げ、重い扉を開け、足早に妻の居る病院に向かう
その後この恋文は、彼らの人生に、どれだけの影響を与えたかは、うかがい知る事は、出来ないが、ヤツメには、彼との出会いが、文華との交際を加速させる事となる。
扉の向こうで、暖かい缶コーヒーで、寒さを凌いでいた文華に、ヤツメは頭を優しくトントンと叩き、「すまなかった、寒かっただろ」そう言うと、すぐさま自分のコートを文華にそーと羽織ってあげる。
文華は、顔を赤らめちょと恥ずかしいそうに「ありがとう」と小さな声で呟く当然文華は、男性にこんな事をされた経験が無い、その為か、しばらく無言のまま下を向き、ヤツメの優しさの、余韻に浸っていた。
そして、自分が書いた交際日記に込めた、意気地無しの気持ちが、溢れ出す事が無い様に願っていた。
あっ~恥ずかしい、あんな事、想いながら書かなきゃ良かった。
バレて無いよね。
そう思いチラッと、ヤツメを見ると、「やっと顔を上げてくれたな」ヤツメは、さりげなくキラキラした瞳の中を確認し、にっこりと微笑み、
大丈夫そうだな、悪しき力は、強くなって無い、良かった。 ホッと胸を撫で下ろし
「文華ちゃん、最初に出会った、あの日の事、覚えている?」
「俺、あの日に君に心を、奪われてしまった」
「正式に、付き合って、くれないだろうか?」「君が好きなんだ」
文華の頬に涙が伝う
何故ならば、彼女は長い間この言葉を待っていた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
独身寮のふるさとごはん まかないさんの美味しい献立
水縞しま
ライト文芸
旧題:独身寮のまかないさん ~おいしい故郷の味こしらえます~
第7回ライト文芸大賞【料理・グルメ賞】作品です。
◇◇◇◇
飛騨高山に本社を置く株式会社ワカミヤの独身寮『杉野館』。まかない担当として働く有村千影(ありむらちかげ)は、決まった予算の中で献立を考え、食材を調達し、調理してと日々奮闘していた。そんなある日、社員のひとりが失恋して落ち込んでしまう。食欲もないらしい。千影は彼の出身地、富山の郷土料理「ほたるいかの酢味噌和え」をこしらえて励まそうとする。
仕事に追われる社員には、熱々がおいしい「味噌煮込みうどん(愛知)」。
退職しようか思い悩む社員には、じんわりと出汁が沁みる「聖護院かぶと鯛の煮物(京都)」。
他にも飛騨高山の「赤かぶ漬け」「みだらしだんご」、大阪の「モダン焼き」など、故郷の味が盛りだくさん。
おいしい故郷の味に励まされたり、癒されたり、背中を押されたりするお話です。
【完結】私の望み通り婚約を解消しようと言うけど、そもそも半年間も嫌だと言い続けたのは貴方でしょう?〜初恋は終わりました。
るんた
恋愛
「君の望み通り、君との婚約解消を受け入れるよ」
色とりどりの春の花が咲き誇る我が伯爵家の庭園で、沈痛な面持ちで目の前に座る男の言葉を、私は内心冷ややかに受け止める。
……ほんとに屑だわ。
結果はうまくいかないけど、初恋と学園生活をそれなりに真面目にがんばる主人公のお話です。
彼はイケメンだけど、あれ?何か残念だな……。という感じを目指してます。そう思っていただけたら嬉しいです。
彼女視点(side A)と彼視点(side J)を交互にあげていきます。

拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。

あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
報酬はその笑顔で
鏡野ゆう
ライト文芸
彼女がその人と初めて会ったのは夏休みのバイト先でのことだった。
自分に正直で真っ直ぐな女子大生さんと、にこにこスマイルのパイロットさんとのお話。
『貴方は翼を失くさない』で榎本さんの部下として登場した飛行教導群のパイロット、但馬一尉のお話です。
※小説家になろう、カクヨムでも公開中※
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる