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孤児と大罪を背負う英雄
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飛び続け孤島が見えなくなり周りには一切の陸地が無くなりながらも私は海の上を飛び続けた。
何処か陸地があればと思いながら…後ろにはあの魚人族達がいる陸があるわけだしそこそこ離れたところに行かなきゃいけない。
「ん…あれは船?」
そんな飛んでいる中一つ海の上に浮かぶ木造の物体を見つけたので特に警戒もせず私はそこへ降りることとした。
それは近くに行けば行くほどそれは鮮明に見えてくる…マストとか船の端が壊れているがギリギリの所で海に浮かんでいる感じであった。
そうして船へと降り着くと真っ先に見えたのは服を着てリュックを背負った白骨化した元人の姿。
魔物であるスケルトンにはまだなっていないようだが…にしてもこの船でコイツは旅でもしてたのだろうか?
この大海を一人で旅とはかなりの自信家だったのだろう。
「まぁ…とりあえず助かったな」
コレで落ち着いて魔力の回復に専念できるってもんだ。
ここまで魚人族の姿は見なかったし運良く逃げ切れたってことだろう。
にしてもこの船にはアレがないな…魔物避けの魔道具も置いてないし船を漕ぐための櫂がない。
コレじゃあ船を漕ぐことができないと思うんだが…まぁどっかに飛ばされたんだろうな。
とりあえず私は虚空庫から適当な木の板を取り出し壊れている船の端を木の板をペタペタとはっつけて直していく。
こんな時があろうかとスライムの粘液と植物の液体を混ぜた接着剤もどきを作っといてよかった。
「運良く船の底が壊れてなくて良かったぜ…壊れてたら海に沈んでいただろうからな」
マストは…張り方がわからんから適当に木を十字にしてイカの鰓みたく三角形にでもしておく。
…コレでほんとに機能するかわからんがまぁ形だけでもねちゃんとしておこう。
後は虚空庫から手頃な櫂になりそうな木の板を取り出して漕ぐだけだ。
行き先はあの魚人族がいると仮定した陸まで行きたいんだが私のせいで警戒状態にでもなってたら面倒だなぁ…。
一応私はメタモルフォーゼで顔に鱗などを付け加える。
これで一応の変装はできたわけだが…魚人族が船を使う所をここではみたことがないからなぁ。
あの私に近づいてきた魚人だって爆速で泳いできたわけだし近くなったら泳いで行くべきだろうか?
「さて…それじゃあそろそろ」
そう呟き私は後ろの白骨化した人族と思われる物を見てその身体を虚空庫から取り出した小さめの樽の中に詰めていく。
触ると骨がポロポロと身体から離れていく…このままだといずれはスケルトンに海に落ちれば海で彷徨うコープスに成り果てるだろう。
そうして私は身につけていたリュックと服以外の遺骨を樽へ押し込めると最後に火種を樽に落とし蓋をしてから海に流した。
これで魔物には成り果てないだろう。
…そういやこうやって人を送ることはいつからしなくなったんだったか?
「…ハッ…元からしてないや」
そんな考えがつい過ったが即座に口で否定して忘れる。
どきどき思うことがある…だんだんと私というのを私は忘れていっているのではないかと。
記憶はちゃんと朧げだが残っているし前世の名前も…あれなんだっけ?
「………今はどうでも良いことか」
口に溢し思いを払拭し残った服とリュックを見つめる。
ここに物語以外の物があるとは思えない…ということはこの船は舞台を進めるために必要になる一部分なのだろう。
ということはだ…このリュックの中には舞台の物語を進めるキーアイテムがあるってことだよな?
私はそう思いリュックを開ける。
このリュックを遺骨から外す時にも思ったが中身がパンパンで何が入っているのか予想もできない。
「さて…何が入っているのかな?これは………」
呟きながらリュックを開けその中身を確認していく。
中には大陸の地図や竿は無いが釣り糸、非常用の干し肉などの食糧などの一般的な冒険用の道具が入っている。
この海でどう使うんだっていう鉤爪や杭まで入っている。
だがその中でも一番異色を放っていたのは水色の宝玉。
こんな平凡な冒険者用品の中でも一つだけ完璧な透明なガラス細工の箱で包装がされており取り出すと輝きを増す。
陽の光に当てると周りの海に反射するぐらいの水色の光を放ち海の底まで見えるぐらい水は透明度を持っていく。
「こ、これは…シーヒルズ近海の水と同じ?」
一度手に持っている水色の宝玉を戻すと海は元に戻り青い海へと変わった。
正に海を一瞬で変えるこの宝玉は神具と言っても違いないだろう。
確かにこの宝玉はこの舞台の物語には必要な物になるだろう。
だがそれは今私の手の中にある…コレを虚空庫に入れれば私以外に取り出せる人はいなくなる。
「この宝玉を主人公が手に入れる場面が無かったらどうなる?」
この結界が舞台そのものを作り出すのなら自壊でもするのか?
はたまたその穴を埋めようとこの結界を張った本人の魔力を吸い出してまで物語を続けようとするのか…見ものだな。
恐らくこの宝玉を取れてあのトライデントを持つことができなかったってことは役目が終わったか終わってないかという違いによるものだろう。
…とりあえずこの物語の邪魔はできたわけだしな良しとしよう。
「さて…次の目的地は魚人族がいる陸地だな」
魔力を回復しつつ私はゆっくりと櫂を漕ぎながら海を渡り出した。
何処か陸地があればと思いながら…後ろにはあの魚人族達がいる陸があるわけだしそこそこ離れたところに行かなきゃいけない。
「ん…あれは船?」
そんな飛んでいる中一つ海の上に浮かぶ木造の物体を見つけたので特に警戒もせず私はそこへ降りることとした。
それは近くに行けば行くほどそれは鮮明に見えてくる…マストとか船の端が壊れているがギリギリの所で海に浮かんでいる感じであった。
そうして船へと降り着くと真っ先に見えたのは服を着てリュックを背負った白骨化した元人の姿。
魔物であるスケルトンにはまだなっていないようだが…にしてもこの船でコイツは旅でもしてたのだろうか?
この大海を一人で旅とはかなりの自信家だったのだろう。
「まぁ…とりあえず助かったな」
コレで落ち着いて魔力の回復に専念できるってもんだ。
ここまで魚人族の姿は見なかったし運良く逃げ切れたってことだろう。
にしてもこの船にはアレがないな…魔物避けの魔道具も置いてないし船を漕ぐための櫂がない。
コレじゃあ船を漕ぐことができないと思うんだが…まぁどっかに飛ばされたんだろうな。
とりあえず私は虚空庫から適当な木の板を取り出し壊れている船の端を木の板をペタペタとはっつけて直していく。
こんな時があろうかとスライムの粘液と植物の液体を混ぜた接着剤もどきを作っといてよかった。
「運良く船の底が壊れてなくて良かったぜ…壊れてたら海に沈んでいただろうからな」
マストは…張り方がわからんから適当に木を十字にしてイカの鰓みたく三角形にでもしておく。
…コレでほんとに機能するかわからんがまぁ形だけでもねちゃんとしておこう。
後は虚空庫から手頃な櫂になりそうな木の板を取り出して漕ぐだけだ。
行き先はあの魚人族がいると仮定した陸まで行きたいんだが私のせいで警戒状態にでもなってたら面倒だなぁ…。
一応私はメタモルフォーゼで顔に鱗などを付け加える。
これで一応の変装はできたわけだが…魚人族が船を使う所をここではみたことがないからなぁ。
あの私に近づいてきた魚人だって爆速で泳いできたわけだし近くなったら泳いで行くべきだろうか?
「さて…それじゃあそろそろ」
そう呟き私は後ろの白骨化した人族と思われる物を見てその身体を虚空庫から取り出した小さめの樽の中に詰めていく。
触ると骨がポロポロと身体から離れていく…このままだといずれはスケルトンに海に落ちれば海で彷徨うコープスに成り果てるだろう。
そうして私は身につけていたリュックと服以外の遺骨を樽へ押し込めると最後に火種を樽に落とし蓋をしてから海に流した。
これで魔物には成り果てないだろう。
…そういやこうやって人を送ることはいつからしなくなったんだったか?
「…ハッ…元からしてないや」
そんな考えがつい過ったが即座に口で否定して忘れる。
どきどき思うことがある…だんだんと私というのを私は忘れていっているのではないかと。
記憶はちゃんと朧げだが残っているし前世の名前も…あれなんだっけ?
「………今はどうでも良いことか」
口に溢し思いを払拭し残った服とリュックを見つめる。
ここに物語以外の物があるとは思えない…ということはこの船は舞台を進めるために必要になる一部分なのだろう。
ということはだ…このリュックの中には舞台の物語を進めるキーアイテムがあるってことだよな?
私はそう思いリュックを開ける。
このリュックを遺骨から外す時にも思ったが中身がパンパンで何が入っているのか予想もできない。
「さて…何が入っているのかな?これは………」
呟きながらリュックを開けその中身を確認していく。
中には大陸の地図や竿は無いが釣り糸、非常用の干し肉などの食糧などの一般的な冒険用の道具が入っている。
この海でどう使うんだっていう鉤爪や杭まで入っている。
だがその中でも一番異色を放っていたのは水色の宝玉。
こんな平凡な冒険者用品の中でも一つだけ完璧な透明なガラス細工の箱で包装がされており取り出すと輝きを増す。
陽の光に当てると周りの海に反射するぐらいの水色の光を放ち海の底まで見えるぐらい水は透明度を持っていく。
「こ、これは…シーヒルズ近海の水と同じ?」
一度手に持っている水色の宝玉を戻すと海は元に戻り青い海へと変わった。
正に海を一瞬で変えるこの宝玉は神具と言っても違いないだろう。
確かにこの宝玉はこの舞台の物語には必要な物になるだろう。
だがそれは今私の手の中にある…コレを虚空庫に入れれば私以外に取り出せる人はいなくなる。
「この宝玉を主人公が手に入れる場面が無かったらどうなる?」
この結界が舞台そのものを作り出すのなら自壊でもするのか?
はたまたその穴を埋めようとこの結界を張った本人の魔力を吸い出してまで物語を続けようとするのか…見ものだな。
恐らくこの宝玉を取れてあのトライデントを持つことができなかったってことは役目が終わったか終わってないかという違いによるものだろう。
…とりあえずこの物語の邪魔はできたわけだしな良しとしよう。
「さて…次の目的地は魚人族がいる陸地だな」
魔力を回復しつつ私はゆっくりと櫂を漕ぎながら海を渡り出した。
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