孤児のTS転生

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孤児のダンジョン生活

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私は自分が相手するゴーストを虚空庫の中にあったかなり丈夫で長い荒縄で縛り身動きが取れないようにしヨグの戦闘を観察することにした。
まぁ当然の如くゴーストの魔石がある部分に杖を置きギリギリ魔石が割れないような力で押し潰していつでも殺すことができる体制はとっている。
これでいつ倒しても大丈夫であるな。

にしてもなかなか良い線行っている戦いだと思う。
ちゃんと槍を活用して剣撃をいなしているし余計な攻撃をしていないから体力の温存もできている。
ただ攻撃力不足だが。

そんなこんなでだんだんと剣を持つゴーストの攻撃は激しくなりヨグが劣勢になっていく。
するとヨグは声を上げて後ろに下がりココナとミエルが魔法を放つ。

「火の魔玉石でゴーストを焼いて…水で拘束って…何やってんだあいつら?」

普通に考えて火と水は相性が悪いし拘束系の魔法って確か使っている間は常時MPが消費されていく筈だ。
これじゃあ勢いの強い火に弱い水で拘束する形になっているからとんでもない量のMPが消費されていっている。
あぁミエルの顔がどんどん青くなってらぁ。
これじゃあ十秒も持たないうちに魔法が解除されるな。

そんな風に考え私はヨグの策が外れた時用に魔法陣をゆっくりと構築し始める。
あくまで失敗したようだし結構適当な魔法陣だ。
簡単に言えば魔砲の魔術の魔法陣をクッソ適当に描き大きさを無くして消費MPを最大限まで下げた物だ。
これでも一応は普通に殴るより強いし、まぁ…当たった感覚としてはハンマーでぶったたかれたぐらいの痛さは感じるぐらいの威力だと思う。

そんな風に私が魔法陣をゆっくりと構築しながらよぐの方を見ていると次の瞬間私が瞬きをした時ヨグはもうそこにはいなくなっており何故か階層主である剣を持つゴーストの真後ろにいた。
そうして一瞬の時が流れ剣を持つゴーストは何かに貫かれたかのように全身に穴が開き身を崩しその場に魔石を残して黒い霧となって消えていった。

ヨグは緊張から解けその場に崩れているココナと魔法の使いすぎでMP不足で顔が青いミルナに駆け寄ろうとして歩き出した。
私はというと何故ヨグがあのような動きができたのかについて思考を働かせていた。
まぁ思いついたのはヨグが持つアーティファクトが原因であるということとヨグの持つ適性属性が時空でありその力で時空を操ってワープしたということしか思いつかなかったが。

ふと私は足を乗せて杖で押し潰そうとしているゴーストを方を見た。
そこで私は思った。
そういえばコイツらって同時に倒さなきゃ意味なくね?

即座に頭を働かせて瞬時に前を見る。
そこには復活して不完全状態で魔石が剥き出しになりながら剣でヨグ達を斬り伏せようとしているゴーストの姿があった。
魔法陣を空中に急いで構築、展開し杖を力強く握り押し潰す準備をする。

同時というのはかなり難しいことだ。
なにせ魔術の着弾時間と杖で潰す時間が一緒でなければいけない。
私は舌打ちをし目の前のことに集中することにした。
一つの失敗で3人…いや運が良ければ全員生き残るかもしれないがまぁ死ぬかもしれない場面だ。
手が震えるが今までやってきたことを思い出しこれ以上に辛かったことに比べれば屁でも無いと自分に言い聞かし震えを止めて口に出す。

「魔法陣展開!魔砲ッ!」

手の前に構築された魔法陣が光を放出しながら発動され光の軌跡が発射される。
狙いは完璧だが力んだせいでMPが思った以上に注いでしまい威力は弱いがサイズがでかい魔砲となってしまい少しテンパるが次にすべきことを考え両手で杖を持ち思いっきり下に押し付ける。
そうすることで魔石はポキッという音を立てて砕け…そうして私の目の前に一つのトレジャーボックスが現れた。

それからわかることは階層主の討伐終了ということ。
私は肩を落として息を深く吸い今まで感じていた緊張感をほぐしヨグの方を見た。
こちらから見る限り傷という傷は見られない。
どうやらゴーストが盾の代わりとなって全身に魔術を喰らったことにより衝撃諸々は喰らわなかった形になっているようだ。

んでまぁ…相変わらず主人公としての役割はきっちり果たしているね。
ちゃんとココナとミエルを守るために抱え込むようにして覆いかぶさっているしそのせいで魔術で活躍した私には目もくれずにヨグに目がいっているし。
これがなんだっけか…吊り橋効果というやつだったか?

というかだなぁ…ヨグがあんな風に抱え込むようにしなければココナとミルナは少し後ろに行くだけで避けれただろうし本当はあれ逆効果なんじゃないか?
逆に行動を阻害しているせいで被害が増えることをしているようにしか見えないんだが?
そんなことを考えながら待つこと数分両腕に女を侍らせながらヨグが近づいてきた。

「その…レナさん?今回は身勝手な行動をしてしまいすみませんでしたッ!」

そう言いヨグは頭を下げてきた。
まぁ確かにコイツは今回一人で倒して戦犯だったし。
…というか謝れても私は困惑するぐらいしか行動することができないのだが。

「とりあえず…トレジャーボックス開ける」

そう私が口を開けて言葉にするとヨグは頭を上げトレジャーボックスを開けた。
そこに入っていたのは何かの設計図と杖、そして銃のような形をした物だった。
私たちはそれらを手に持ち帰還用の魔法陣に乗りその場を後にした。
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