孤児のTS転生

シキ

文字の大きさ
81 / 271
孤児のダンジョン生活

81

しおりを挟む
朝の日が窓から差し込み意識が覚醒していく。
それからは毎朝のルーティンを行い支度を済ましていく。

「今日は確かヨグは来れないんだったか…」

昨日ヨグとダンジョンの中で話した中で今日は用事があるから来れないと話していた。
となると今日は一人で何かしなくちゃいけないのか。
まぁ私としても今日やることは決まっていたしありがたくはあるんだけど。

今の時間としては朝の4時ぐらい。
明らかに早く起きすぎたこんな時間では屋台もやっていないし今日用事がある場所も空いていない。

「…散歩でもするか」

最近は血みどろな生活しか送ってこなかった気がするし気分転換に少しの時間は気軽に歩いて街の風景を見渡そうと考えた。
そうと決まれば私の身体は行動を開始した。
いつもの服は無いから虚空庫から無地の麻で出来た服に着替えあれから少し伸びた髪を後ろで短く縛る。
これでどう見ても街や村の子供に見えるらしい。

「さてと行きますかね」

そう呟き私は日が出て間もない朝の街に出かけた。
そうして歩くこと10分私は色々な場所を巡り歩いていた。
こうして街を歩くことでこの街はどういう所なのかわかることができた。

まずここの街にはスラムが無くそれに伴い衛兵が少ない。
まぁこうしたところからわかることだが犯罪は少ないようだ。
浮浪者や家無し子も見えない。
こうしたところからも街の姿が見えてくる。

「にしてもこの街にはいろんな店があるなぁ」

見るだけでも目を引かれるような店がこの街には多く配置されている。
魔導人形店という珍妙で興味が惹かれる店や探偵事務所とかいう冒険者がわりであろう店もある。
そんな感じで周りを見ながら歩いているといつの間にか街を歩く人が増えてきた。
どうやら時間を忘れて歩き回ってしまったようだ。

時間はもう何時になったかわからないが大体6~7時ぐらいにはなったのだろう。
朝飯は…ここから宿に戻るのも面倒だし適当に『飽食の胃袋』から取り出した物を食べることにしようか。

そう思い私は店と店の間の路地に入り虚空庫から『飽食の胃袋』を取り出し手を入れ食べ物を取り出す。
そこから出てきたのは前世よく見た串に刺さっている焼き鳥だった。
味は相変わらず美味しく昨日食べたホーンラビットの肉とは格段に違って味が濃かった。
そしてとりあえず食べ終わった私は『飽食の胃袋』をまた虚空庫に入れ今日の目的の場所へと歩き出した。

…少女移動中…

「よし…ここでいいのかな?」

あれから歩きようやく私は今日の目的の場所へと辿り着くことができた。
目の前にある私の目的地というのがこの店『カイゾウ・カイヘン衣料品店』という場所だ。
私はここに雪山の戦いでボロボロになってしまった服を取りに来たのだ。
まぁこの店の名前通りの実力がある店だった場合私の服はその名の通りになっているのではないかと心配なのだが。

そんなことを考えながら私は店の扉を開けて中へと入った。
内装はなんというか…近未来的な感じとなっており思わず足を止めて魅入ってしまう内装だった。
服が展示物のように飾られておりよくある古着屋のような服の配置がされていない。
しかも服にも清潔感があり明らかにこの時代に合っていない服の数々があった。

そんな感じで呆けながら服を見ていると前から近づいてくる2つの気配に気づき私はそちらの方へ目を向けた。
そこには何故か衣料品店なのにスパナを持った少女と巨大な鎚を片手に持つ少女がこちらへと近づいてきていた。

「いらっしゃいませェー!ご注文はなんでございましょうか!?服のオーダーでしょうかそれともご購入でしょうか!?」

近づいてきた巨大な鎚を持つ少女はこれでもかというくらいの大声で私へと話しかけてくる。
そんな異常な状況に私は固まってしまい何も言えなくなり戸惑っているとスパナを持つ少女がこちらへと近づき耳元で話しかけてきた。

「姉がすみません。『カイゾウ・カイヘン衣料品店』へようこそ。私はカイヘンと申します。今日はどうしたのでしょうか?」

そうカイヘンと名乗った少女は耳元で耳を傾けないと聞こえないぐらいの音量で話しかけてきた。
…っていうことは前にいるこの鎚を持った少女がカイゾウというわけか。

「え、えっと…こちらで預けた服を…取りに」

そう言うとカイヘンと名乗った少女は「こちらへ」と耳元で呟いた後トコトコと店の奥へと歩き出した。
私とカイゾウはそれを追うようにして店の奥へと足を進めた。
道中でカイゾウは大声でカイヘンに「お客様は何ようだ!?」と叫んでいるがカイヘンは無視するかのようにそのまま足を止めずに歩いていく。
まぁ口元が動いているからしゃべってはいるのだろうけど聞こえないんだろうなぁ。

そうして店の見えていた奥の扉を開け地下へと続く階段を降りカイヘンは立ち止まった。
そこには上にあった展示物のように飾られた服よりも丁寧に飾られた服の数々がありまたびっくりしてそのまま私が立ち止まっているとカイゾウはこちらを見て少し考えた後こう言い放った。

「ようこそ『カイゾウ・カイヘン衣料品店』へ!お客の名前はなんだいッ!?」
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

どうやら悪役令嬢のようですが、興味が無いので錬金術師を目指します(旧:公爵令嬢ですが錬金術師を兼業します)

水神瑠架
ファンタジー
――悪役令嬢だったようですが私は今、自由に楽しく生きています! ――  乙女ゲームに酷似した世界に転生? けど私、このゲームの本筋よりも寄り道のミニゲームにはまっていたんですけど? 基本的に攻略者達の顔もうろ覚えなんですけど?! けど転生してしまったら仕方無いですよね。攻略者を助けるなんて面倒い事するような性格でも無いし好きに生きてもいいですよね? 運が良いのか悪いのか好きな事出来そうな環境に産まれたようですしヒロイン役でも無いようですので。という事で私、顔もうろ覚えのキャラの救済よりも好きな事をして生きて行きます! ……極めろ【錬金術師】! 目指せ【錬金術マスター】! ★★  乙女ゲームの本筋の恋愛じゃない所にはまっていた女性の前世が蘇った公爵令嬢が自分がゲームの中での悪役令嬢だという事も知らず大好きな【錬金術】を極めるため邁進します。流石に途中で気づきますし、相手役も出てきますが、しばらく出てこないと思います。好きに生きた結果攻略者達の悲惨なフラグを折ったりするかも? 基本的に主人公は「攻略者の救済<自分が自由に生きる事」ですので薄情に見える事もあるかもしれません。そんな主人公が生きる世界をとくと御覧あれ! ★★  この話の中での【錬金術】は学問というよりも何かを「創作」する事の出来る手段の意味合いが大きいです。ですので本来の錬金術の学術的な論理は出てきません。この世界での独自の力が【錬金術】となります。

スラム街の幼女、魔導書を拾う。

海夏世もみじ
ファンタジー
 スラム街でたくましく生きている六歳の幼女エシラはある日、貴族のゴミ捨て場で一冊の本を拾う。その本は一人たりとも契約できた者はいない伝説の魔導書だったが、彼女はなぜか契約できてしまう。  それからというもの、様々なトラブルに巻き込まれいくうちにみるみる強くなり、スラム街から世界へと羽ばたいて行く。  これは、その魔導書で人々の忘れ物を取り戻してゆき、決して忘れない、忘れられない〝忘れじの魔女〟として生きるための物語。

処理中です...