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孤児の冒険者活動
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いつも通りのパーカーにカーゴパンツの格好。
周りには鎧やローブを着ている人の方が多いため私の格好はかなり浮いている。
だがまぁ何ヶ月もこの格好で外に出ていたからかもうここの住民からは気に止めないぐらいの存在にはなった。
だけど外から来た人からはまだ奇怪な眼で見られることが多いがな。
「あれが…『英雄』か」
近くからそんな声が聞こえる。
誰が発したのかすらわからないが二つ名であるその名を呼ぶと言うことは私のことを知っている冒険者からの言葉なのだろう。
私の『小さな英雄』という二つ名はいつのまにかその名を『英雄』と言う名に変えていた。
何故『英雄』という名になったのかはわからない。
ただ一つ言えるのは仮面をつけた奇抜な格好をした低身長のやつはここでは『英雄』と呼ばれる。
何せ私の素顔は知る人が少ないから私を詳しく知らない人は仮面=『英雄』というわけになっているというわけだ。
「ボクが『英雄』だぞ!えいやぁ!」
そんなことを考えていると前から声がして目の前を見た。
目の前では雪合戦をしている子供がいた。
格好としてはマフラーをつけ不恰好な木で出来ている仮面をつけて雪の玉を投げている。
これがこの街で今子供達に一番人気ある英雄ごっこというものだ。
中には本当に自分のことを英雄だと言い大人を困らせている奴もいるが私には関係ないことだ。
だがあまり下手なことはしないでくれ。
下手なことをしていると私が冒険者ギルドで愚痴を聞かされるようになってしまうんだ。
私はそんなことを考えながら子供に目を向ける。
お願いだから面倒ごとと下手なことはしないでくれと切実に願いながら。
私は冒険者ギルドの方向へ足を向けもう一度歩き出した。
私は外で遊ぶ子供達を見ながら足を進め冒険者ギルドについた。
中は早朝ではあるが人で賑わっており朝から酒を飲んでいるドワーフがいたりパーティと相談をしている人もいる。
そんな中で私はギルドの壁際にある掲示板の方へ行き依頼の書かれている紙を見て選ぶ。
今日張り出されている依頼は『雪主の討伐』『ネクロマンサーのお手伝い』『魔の森の探索』などなど色々な依頼が張り出されている。
「今日は何をするかな?そうだ今日は雪が降っているし噂のアレでも倒してくる依頼でも受けるか」
そう独り言を呟いて一枚の依頼を剥がす。
そしてそれを受付に持っていきいつも通り依頼を受ける。
「全く…いつも言っているけど油断しちゃいけないよ?」
いつも私の受付をしてくれているエリザさんは少し困った風に笑いながら私の受付をしてくれる。
私はそれを笑いながら「大丈夫…ですよ?」と言い依頼書を受け取り冒険者ギルドを後にする。
そうして私は門を抜け魔の森近くの草原に来た。
一面真っ白であの頃にあった緑色の草原は影一つない。
今日受けた依頼で倒すのは『フロストワイバーン』という亜竜だ。
あくまで亜竜だから竜よりかは弱いがそれでも竜の一角だけあって油断はできない。
『フロストワイバーン』はCランクの魔獣に分類されている。
こういう寒い時期にどこからともなく空からやってくる。
ランク自体は私からしたら適正以下のランクだから負けることはないが今期は大量発生しているため私のようなランク適正以上も駆り出される。
『フロストワイバーン』の厄介なところは気性が荒くその体表から発されている冷気が厄介だ。
気性が荒いため行商人を見つければ必ず襲い、体表の冷気は特殊なもので周囲に吹雪を起こす。
そのため『フロストワイバーン』以外の依頼を受けた冒険者が襲撃されたり吹雪で妨害されたりする被害が出ているというわけだ。
「まぁ『フロストワイバーン』は何回も倒しているし油断さえしていなきゃ簡単に倒せる魔獣なのだがな」
そんなこんなで考えながら歩くこと20分。
私は不自然に吹き荒れる吹雪の切れ目を見つけた。
『フロストワイバーン』はあの吹雪の中心にいるということがそれを見て簡単にわかる。
普通にこの中で戦えるのかと言われたら私は唸ってしまうが私には知識があるからこんな飛ぶ蜥蜴なんぞに負けるわけない。
「さて魔法陣展開…フレイムレーザー」
私は手を前に掲げると正面に魔法陣が現れそれが2個、3個と出来上がり魔法陣が赤く染まっていく。
そこから放たれるレーザーで吹雪を貫いてそのまま斜めに真っ直ぐと伸びていく。
そうして吹雪は晴れて吹雪のあった中心には何かに貫かれた白色のワイバーンが横たわっていた。
これで終了である。
簡単だろ?
知識、つまり私の魔術があれば飛ぶ蜥蜴は簡単に潰すことができる。
まぁ大群でこられたら流石にまずいが。
さてとこれでワイバーンを虚空庫に入れて冒険者ギルドに持って行けば今日の仕事は終了だ。
「にしても最近は『フロストワイバーン』の依頼が多いなぁ。何かが起きる前兆なのかねぇ?」
私はそんなフラグじみたことを言いながら『フロストワイバーン』を虚空庫にしまう。
そうしてここら一帯に異常がないことを確認してから冒険者ギルドに帰ることにした。
*今回使った魔術一覧*
フレイムレーザー:火の魔力を纏ったレーザーを放つ。
周りには鎧やローブを着ている人の方が多いため私の格好はかなり浮いている。
だがまぁ何ヶ月もこの格好で外に出ていたからかもうここの住民からは気に止めないぐらいの存在にはなった。
だけど外から来た人からはまだ奇怪な眼で見られることが多いがな。
「あれが…『英雄』か」
近くからそんな声が聞こえる。
誰が発したのかすらわからないが二つ名であるその名を呼ぶと言うことは私のことを知っている冒険者からの言葉なのだろう。
私の『小さな英雄』という二つ名はいつのまにかその名を『英雄』と言う名に変えていた。
何故『英雄』という名になったのかはわからない。
ただ一つ言えるのは仮面をつけた奇抜な格好をした低身長のやつはここでは『英雄』と呼ばれる。
何せ私の素顔は知る人が少ないから私を詳しく知らない人は仮面=『英雄』というわけになっているというわけだ。
「ボクが『英雄』だぞ!えいやぁ!」
そんなことを考えていると前から声がして目の前を見た。
目の前では雪合戦をしている子供がいた。
格好としてはマフラーをつけ不恰好な木で出来ている仮面をつけて雪の玉を投げている。
これがこの街で今子供達に一番人気ある英雄ごっこというものだ。
中には本当に自分のことを英雄だと言い大人を困らせている奴もいるが私には関係ないことだ。
だがあまり下手なことはしないでくれ。
下手なことをしていると私が冒険者ギルドで愚痴を聞かされるようになってしまうんだ。
私はそんなことを考えながら子供に目を向ける。
お願いだから面倒ごとと下手なことはしないでくれと切実に願いながら。
私は冒険者ギルドの方向へ足を向けもう一度歩き出した。
私は外で遊ぶ子供達を見ながら足を進め冒険者ギルドについた。
中は早朝ではあるが人で賑わっており朝から酒を飲んでいるドワーフがいたりパーティと相談をしている人もいる。
そんな中で私はギルドの壁際にある掲示板の方へ行き依頼の書かれている紙を見て選ぶ。
今日張り出されている依頼は『雪主の討伐』『ネクロマンサーのお手伝い』『魔の森の探索』などなど色々な依頼が張り出されている。
「今日は何をするかな?そうだ今日は雪が降っているし噂のアレでも倒してくる依頼でも受けるか」
そう独り言を呟いて一枚の依頼を剥がす。
そしてそれを受付に持っていきいつも通り依頼を受ける。
「全く…いつも言っているけど油断しちゃいけないよ?」
いつも私の受付をしてくれているエリザさんは少し困った風に笑いながら私の受付をしてくれる。
私はそれを笑いながら「大丈夫…ですよ?」と言い依頼書を受け取り冒険者ギルドを後にする。
そうして私は門を抜け魔の森近くの草原に来た。
一面真っ白であの頃にあった緑色の草原は影一つない。
今日受けた依頼で倒すのは『フロストワイバーン』という亜竜だ。
あくまで亜竜だから竜よりかは弱いがそれでも竜の一角だけあって油断はできない。
『フロストワイバーン』はCランクの魔獣に分類されている。
こういう寒い時期にどこからともなく空からやってくる。
ランク自体は私からしたら適正以下のランクだから負けることはないが今期は大量発生しているため私のようなランク適正以上も駆り出される。
『フロストワイバーン』の厄介なところは気性が荒くその体表から発されている冷気が厄介だ。
気性が荒いため行商人を見つければ必ず襲い、体表の冷気は特殊なもので周囲に吹雪を起こす。
そのため『フロストワイバーン』以外の依頼を受けた冒険者が襲撃されたり吹雪で妨害されたりする被害が出ているというわけだ。
「まぁ『フロストワイバーン』は何回も倒しているし油断さえしていなきゃ簡単に倒せる魔獣なのだがな」
そんなこんなで考えながら歩くこと20分。
私は不自然に吹き荒れる吹雪の切れ目を見つけた。
『フロストワイバーン』はあの吹雪の中心にいるということがそれを見て簡単にわかる。
普通にこの中で戦えるのかと言われたら私は唸ってしまうが私には知識があるからこんな飛ぶ蜥蜴なんぞに負けるわけない。
「さて魔法陣展開…フレイムレーザー」
私は手を前に掲げると正面に魔法陣が現れそれが2個、3個と出来上がり魔法陣が赤く染まっていく。
そこから放たれるレーザーで吹雪を貫いてそのまま斜めに真っ直ぐと伸びていく。
そうして吹雪は晴れて吹雪のあった中心には何かに貫かれた白色のワイバーンが横たわっていた。
これで終了である。
簡単だろ?
知識、つまり私の魔術があれば飛ぶ蜥蜴は簡単に潰すことができる。
まぁ大群でこられたら流石にまずいが。
さてとこれでワイバーンを虚空庫に入れて冒険者ギルドに持って行けば今日の仕事は終了だ。
「にしても最近は『フロストワイバーン』の依頼が多いなぁ。何かが起きる前兆なのかねぇ?」
私はそんなフラグじみたことを言いながら『フロストワイバーン』を虚空庫にしまう。
そうしてここら一帯に異常がないことを確認してから冒険者ギルドに帰ることにした。
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