孤児のTS転生

シキ

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スラムの孤児

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「おはようございま~す。まぁ誰もいないけどなぁ」

さて、今日もストレッチした後行動しますかね。

「ん、ご飯がないな」

しょうがないなぁ。
そこらへんの草…いや草原でハート形の草でも取ってくるかな。
あぁ昨日飯抜いたから腹減ったぜ。

家から頭を出して右、左、前方を見て人がいないことを確認する。
確認は大事だからね。
ここの存在がバレたら色々と大変になるしねぇ。

「約50m走しますか」

壁まで移動するのは久しぶり…?
いや2日前に移動したか。
なんか忘れっぽいなぁ。
この歳で認知症とか笑えんからな俺の体。

まぁそんな事はどうでも良い。
草…いやおそらく称号の通りでいくと薬草ということになるのかな?
薬草の採取でもしますかね。

壁の外側へ出て歩き草を探しブチブチと引きちぎっていく。
まるで機械の様に薬草を探知し仕分けし採取を繰り返す事数時間ようやくもう持ち切れなくなるまで持つことができた。
別に薬草が好きというわけではないがこれしか食べるものがない。
全く、そろそろ肉でも食べたいところだ。
でなきゃ栄養失調になってしまうし体も成長しないしな。

「さて、そろそろ帰って翻訳でもしますかね」

…幼児帰宅中…

「…メーデーメーデー、こちらレナです。ただいま家の前です。しかしながら問題が発生しております」

…はい。
問題発生です。
どうやら家の中に誰かいるようだ。
隙間から見る限りおっさんで特徴的なエンブレムが背中に書かれている服を着ているな。
どうにかして追い出さなくちゃ。
…いやここは俺の家だ。
そう俺の家。

「はっ!という事はこれは不法侵入ということでは!」

となると正当防衛?しなければなぁ。
うんうんこれは不法侵入で正当防衛をしても構わないということですな。
後ろから襲って首をロックしてもたとえ相手がそれで気絶してしまってもこれは正当防衛だ。
さて『身体強化』の準備でもしますかね。
なんか変なテンションになってしまっているが気にせず行こう。

「準備完了。いつでも突撃できるぜ」

今の俺は昨日開発した『身体強化』を使っている。
粒子状の物質が宙を舞い全能感に満たされている。
今ならこいつの首を引き裂く事もできるだろう何せ背中がガラ空きだし警戒もしていなさそうだ。
よし覚悟を決めて321の合図で行こう。

…3
…2
…Go!

321Go!だと思った?
残念…トリックだよ(錯乱)。

一気に背後に回ってーのジャンプしーの右手で頭を掴んで左手で顎を思いっきり殴る!

「ふんっ!」

「んぐッ!ガァッ…」

どうやらうまく気絶させることができたようだ。
俺が顎を狙って殴ったのは脳震盪による気絶もあるがそれ以外にも、もし相手が気絶しなかった場合でも上を向かせて自分の姿を見させないという理由がある。
それにかなりのダメージも与えられるしな。
違う方法だと不意打ちの喉を思いっきり閉めるというやり方もあるがもしもの時に備えこの方法をとった。

「…ふ~だんだん落ち着いてきたな」

なんかいろんな事を考えていた気がする。
アドレナリンが分泌されまくったせいで正常な考えではなかったのだろう。

「さてと後は目の前にいるこの侵入者をどうするかだが…。」

とりあえず欲しいものは慰謝料としてもらっていくとして、足と手を縛って一番近い南の門近くに投げておくとしよう。
誰かしら気づいてくれるはずだ。
さて慰謝料の代わりにもらうものでも物色しますかね。

…幼児物色中…

「欲しいものはこんなもんかな?」

このおっさんはいろんなものを持っていた。
その中で欲しかったものはまず1つ目が金の入った袋、2つ目が綺麗なナイフ、3つ目が薬だ。
一番欲しかった食料品がないのが残念だがこれだけ金があれば余裕で食料品を買うことができるだろう。
ちなみに金の入った袋の中身は金貨が1枚に銀貨が5枚、銀貨より小さい銀貨が2枚に銅貨が10枚ほど入っていた。
この世界のお金の価値はわからないが俺にとってはとても高額だ。
これはいざという時まぁ飢餓とかの時に取っておこう。

綺麗なナイフについては何か道具を作成する時に使うか腕力がもしも上がった際に武器として使うためだ。
決して綺麗だから盗ったわけではない。
…そう信じたい。
こういうのを気にするなんて事前にはなかったんだがなぁ…。

薬は薄緑の綺麗な色をしている飲み薬となっておりおそらく異世界ファンタジー要素であるポーションというものだと思う。
傷を負ってしまった時に使ってみようと思う。

さて慰謝料はもらったし後はこいつを縛って…っと。
こいつを南の門まで運ぶの大変だなぁ。
『身体強化』の活動時間?いや制限時間もまだあるようだしとっとと運びますかね。

…幼児運び中…

ここら辺でいいかな。
さてバイバイ侵入者さん次来る時は是非とも食料品を持ってきてくれる事を願うよ。

そんな風に思いながら侵入者を門の近くに置き俺は家へと帰るのだった。
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